唾棄すべき男 の商品レビュー
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珍しく少し納得のいかない形で終わった。 犯人のニーマンに対する憎しみはわかったが、ニーマンの表の顔と裏の顔について、もう少し深く書いてほしかった。
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刑事マルティン・ベックシリーズ第7作。 銃剣で腹部を刺され、喉を切り裂かれて殺されたのは、主任警部ニーマンだった。コルベリによれば「唾棄すべき男」。 警官としては市民にも部下にも酷薄な振る舞いに及び恨みも多く買っていたが、家庭では良き夫で父という一面も持っていた。 ベックとルンは...
刑事マルティン・ベックシリーズ第7作。 銃剣で腹部を刺され、喉を切り裂かれて殺されたのは、主任警部ニーマンだった。コルベリによれば「唾棄すべき男」。 警官としては市民にも部下にも酷薄な振る舞いに及び恨みも多く買っていたが、家庭では良き夫で父という一面も持っていた。 ベックとルンは睡眠不足と闘いながら、ニーマンに恨みを抱く人物を探し始めた。 警察組織という存在が持つ、陰の部分に焦点を当てた作品。 1970年代初めのスウェーデンが抱えていた社会問題が浮き彫りにされる。
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被害者も加害者も、そして捜査にあたる人間もすべてことごとく〝警官〟ばかりという徹底ぶり。それも当然、警察という〝組織〟こそが、ここでの主役なのだから。シューヴァル=ヴァールー夫妻が、〝警察小説〟という形式によって10年の歳月をかけて現代社会を描きつくそうと挑んだモニュメンタルな作...
被害者も加害者も、そして捜査にあたる人間もすべてことごとく〝警官〟ばかりという徹底ぶり。それも当然、警察という〝組織〟こそが、ここでの主役なのだから。シューヴァル=ヴァールー夫妻が、〝警察小説〟という形式によって10年の歳月をかけて現代社会を描きつくそうと挑んだモニュメンタルな作品であるこの〝刑事マルティン・ベック〟シリーズもこれで第7弾である。 組織とそこに属す人間が、個と公(©アアルトコーヒーの庄野さん)のはざまで見せるさまざまな顔。職務上、自我を抑圧することが求められる日々ゆえ、ときにはほんとうの自分の顔すらわからなくなってしまうようなことさえある彼ら。無関心はまた、そんな爆発しそうな自我を押さえ込むためのいってみれば〝処世術〟ともいえる。公>個の日本では、同じように組織を描けば硬派な社会派ドラマになるが、個>公、あるいは個と公がおなじレベルで拮抗しているスウェーデンでは、組織を描いてもけっきょくは泥臭い人間ドラマになるのが面白い。そのちがいが興味深い。 ちょっとした会話やふるまいから、水と油と思われていたコルベリとラーソンのあいだの関係に変化の兆しが窺われるのがうれしいところ。これは続刊でのお楽しみ。いつになくド派手な展開ゆえ、映画化に際してこの作品が選ばれたのも納得!? でも、ラストはそこで終わっちゃって本当にいいの?!
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いつになく、文学的?感傷的?なオープニング。 お約束のおまぬけ二人組出てきて、 また、君たちか、相変わらず反省してないね、 と思っていたら、二人とも撃たれて、一人は死亡してしまいびっくり。 主人公のマルティン・ベックが撃たれたことは、 警察小説としては覚悟していたことだったが、 道化役の二人組がやられてしまうとは。 特殊部隊に、ヘリコプター、そして墜落、銃撃戦と いつになく荒っぽい最終場面。 これも、スェーデン社会の変化を表しているのか。 そして、ここで終わり?というラスト。 なんだかな~。
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