なんらかの事情 の商品レビュー
にやにやしながら、時に声に出して笑える本。 どうしたらこんな発想が出てくるんだ!?岸本さんのとても面白い頭の中を覗き見したような気分。
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岸本さんの1発目のインパクトが強烈過ぎたので、 2冊目は爆発笑いはなかった 笑。もちろん、笑うところはあったけど 笑。 岸本さん、大変な日常生活を送られているとは思うが、それを「作品」にして、 たくさんの読者を確保しているんだから、すごい「生きる力」をもっている人です 笑。
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身近な出来事が多い、勘違い、行き違い、誤解、早合点、何もかも思い当たる、エッセイにするとこうなるのか。 講談社のエッセイ賞を受賞した岸本さんに、今更だけれど。 読んで暫くして、不意にぽかっと浮かんでくる、ほんと不思議だなぁと言う感じが好きだ。 これからも何か見るたびに、あれ、これ...
身近な出来事が多い、勘違い、行き違い、誤解、早合点、何もかも思い当たる、エッセイにするとこうなるのか。 講談社のエッセイ賞を受賞した岸本さんに、今更だけれど。 読んで暫くして、不意にぽかっと浮かんでくる、ほんと不思議だなぁと言う感じが好きだ。 これからも何か見るたびに、あれ、これ何所かで読んだ感じだと思う。そんな身近な話題に思わずクスッと笑ってしまう話題が満載。 * 物言う物 トイレが喋った「自動水洗です」。だからどうだって言うのだ。 車が喋った「ガソリンがなくなりそうです」メーターを見れば分かる、それになぜみんな女なのか。 状況次第で切羽詰まっていたり懇願するようだったり厳しくトガメダテする調子が籠っていた方が訴求度も高い気がする。 (我が家でも風呂が喋る。ガステーブルがものを言う。温度が高くなっています、自動調節に切り替えます、鍋を置いてください、、設定温度になりました。賢いけどまだそんなにお世話にならないでもダイジョウブ) 物言わぬ臓器、肝臓など「もう堪忍してください」と言う風にコンディションを訴えたら無茶をしなくなって病気が減る。 でもお満員電車はうるさくて仕方がないだろう。「胃に穴があいています」「動脈が硬いです」・・・。 * 家の近くにあった旧式のポストを応援している。 * 日記 ×月×日 エリツィンが死んだ。 「同志ポリス・エリツィンに私は非情な親愛の情を感じておりました。何となればエリツィンの”ツィン”にプーチンの”チン””ツィン”と”チン”二つの間にはなんと響きあうものがあることでしょう!」 頭の中でプーチンが私の差し出した原稿をびりびりに破いて捨てる。 ×月×日 「同志ポリス・エリツィンと私は無二の親友でありました。何となれば、二人の間には”髪型が木彫りっぽい”と言う共通点があり」 プチンが、私の原稿を読まずに捨てる。 何と何とわはは そうきました。 * アロマテラピーの話で、アロマオイルを買おうとしたら頭の中で アロマでごわす と声がした。その瞬間、目に入る全てのものがごわす化した。「ごわす様」はそのごもたびたび現れては、私の素敵生活(アロマ生活のこと)を一瞬にして無効化した。 「ごわす様」には「ごんす」「がんす」「やんす」「でげす」ナドの仲間がいることもわかった。 * 気がつくと「イカどっくり」について考えている自分がいる。 * 「読書体験」大きい本を広げて読んでいると、抑えている両方の親指が二つの肉球に見えてきて気になる。 * 「海ほたる」古いカーナビなので友人は指示に従わない「いいのいいの、コレ古いから。こちらが早いの」 アクアラインでは走っていても「海です」「海です」 「そうねぇ確かに海だわ」 江戸時代のナビだったら「三里先、関所です」「この先の首塚を右方向へ」と言うだろうか。 * 「やぼう」 ひらがなの「め」と「ぬ」はよく似ている。もしかして「め」は「ぬ」のことを自分を土台にして先っぽにちょろりと飾りをつけただけの紛い物、言うなれば自分の亜種である、などと苦々しく思っているだろうか。そして「ぬ」は「ぬ」で自分こそは完成形、末尾の優雅な丸まりのない「め」のごときは憐れな欠陥品よ。と蔑んでいるだろうか。両者は口も利かぬほどの犬猿の仲で、たまに、たとえば<ぬめり>などという言葉で一緒に仕事をしなければならぬ時などはお互い目もあわせず、険悪な空気が<ぬめり>じゅうに満ち満ち、板ばさみになった「い」がひとり対応に苦慮して居たりするだろうか。 同じような反目が生じるらしい文字が沢山ある、等々。井上やすしのキーボードの記号の話を思いだす
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敬愛する翻訳家 岸本佐知子 さんの 「ねにもつタイプ」 に続く。エッセイ第2弾。 しかし、果たしてこれはエッセイなのか。エッセイとは「随想」というらしい。 随想。何やら深く考え抜かれた、趣のある文章のような気がする。いや、岸本佐知子さんの書く文章も、深く考え抜かれている(と思う)...
敬愛する翻訳家 岸本佐知子 さんの 「ねにもつタイプ」 に続く。エッセイ第2弾。 しかし、果たしてこれはエッセイなのか。エッセイとは「随想」というらしい。 随想。何やら深く考え抜かれた、趣のある文章のような気がする。いや、岸本佐知子さんの書く文章も、深く考え抜かれている(と思う)。しかし、その深さの方向が普通のエッセイとは異なる気がする。 昔、春日三球・昭代という夫婦漫才師がいて、「地下鉄漫才」というネタが爆発的にヒットした。地下鉄の車両はどうやって地中に入れたんだろう?という事を考え、初めに地下鉄を埋めておいて、線路を敷く時に掘り返すんじゃないか?「この辺に埋めたんだけどなー?」って、それを考えると夜も眠れなくなる、、、という話だ。 岸本佐知子さんの書く文章はこの地下鉄漫才に似ている。 話の冒頭、岸本さんはなにか曰くありげな問いかけで始まったりする。 「ねにもつタイプ」で岸本ネタに翻弄された読者はその冒頭のワンフレーズを読んで「始まった!」、「待ってました!」と思う。そして、この話はどう展開するのか?と想像する。 勿論、岸本さんは先に地下鉄を埋めている。そして、その場所も知っている。読者はその埋めた地下鉄を岸本さんの書く文章を読みつつ、先を読んで、岸本さんより先に掘り出そうとする。「あ、このへんに埋まってるんじゃないの?」と。しかし、岸本さんの話は想定していた方向とは違う方向に掘り進み、最後には地下鉄じゃないものを掘り当てて、読者をびっくりさせるのだ。 地下鉄じゃないものとは、時には電車ですらない。去年の冬に買ったけど、冬物を入れた衣装ケースの中に無くて、とうとう買い直さざるを得なかったマフラーだったりする。 そんな異次元な展開をみせる岸本節炸裂のエッセイ第2弾だ。
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翻訳家・岸本佐知子さんのエッ…セイ?かな? 不思議な体験。ふとしている奇行。空想と考察。幼い頃の怖い記憶。甘美なノスタルジーとかまぶさないで、そのまんま恬淡と語られていく各3Pほどの文章は、煮詰まった脳みそをポカーンとどっかに連れてってくれる。クラフト・エヴィング商會のイラス...
翻訳家・岸本佐知子さんのエッ…セイ?かな? 不思議な体験。ふとしている奇行。空想と考察。幼い頃の怖い記憶。甘美なノスタルジーとかまぶさないで、そのまんま恬淡と語られていく各3Pほどの文章は、煮詰まった脳みそをポカーンとどっかに連れてってくれる。クラフト・エヴィング商會のイラストもいいなあ。 ところで、なんでこの本はうちにあるのだろう。買った記憶がない。誰かがいつかのam͜a͉zonに紛れ込ませたのだろうか。誰だろうか。
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岸本さんの文の魅力は着眼点の面白さと、 独特の世界観を形作る言葉の選び方だと思います。 (このシリーズは挿絵との組み合わせも素晴らしいですが) 記憶や想像、妄想を膨らませて文章を書く人格と、 それを客観的に作品として組み立てる(ある種職人的な)人格が 結構はっきり分離していそう...
岸本さんの文の魅力は着眼点の面白さと、 独特の世界観を形作る言葉の選び方だと思います。 (このシリーズは挿絵との組み合わせも素晴らしいですが) 記憶や想像、妄想を膨らませて文章を書く人格と、 それを客観的に作品として組み立てる(ある種職人的な)人格が 結構はっきり分離していそうな感じがするのは、 翻訳家という背景があるからでしょうか。
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この著者のエッセイは3冊目。いつも通り、サクッと読めて面白い。本文で少し書いていたが、著者の年齢は50才を超えているんだな。こういう文章を書くには年齢は関係ないということか。 内容は1、2冊目と同じようなので、あまりレビューすることはない。でも、どんどん面白さが増しているよう...
この著者のエッセイは3冊目。いつも通り、サクッと読めて面白い。本文で少し書いていたが、著者の年齢は50才を超えているんだな。こういう文章を書くには年齢は関係ないということか。 内容は1、2冊目と同じようなので、あまりレビューすることはない。でも、どんどん面白さが増しているような気もするのはなぜだろう。読んでいる私が著者の脳内にリンクしていっているのだろうか。次に本を出すのは、5年後とかだと思うので、待ち遠しいな。
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もしかすると、この方とは気になるポイントが似ているのかもしれない。 もちろん、こんなふうな膨らませ方はできないし、こんな表現力も私にはないけれど。 気に入ったのは「おもなできごと」 数行で、ん?と思わせる余韻を残し、テンポよく。 こういう形式のをもう少し読みたかったかな。
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ねにもつタイプがあまりに面白かったので、この本を手に入れました。 なんだろう?とても面白い。電車の中でこみ上げる笑いを堪えるのに大変でした。 私は岸本佐知子さんのファンになってしまいました。 次は翻訳物を読んでみようと思います。
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何回読んでもおもろい。 読めば元気になる。 満員電車でおじさんにまみれて気分鬱→岸本さんをかばんから取り出し狭い空間に文庫本広げ読み出す、吹いてしまっても→不思議に恥ずかしさはなく爽快爽快→
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