うるうのもり の商品レビュー
うるう日の誕生日にまつわる不思議なお話。どのページにも絵があり、細かく描き込まれた絵は物語と合っています。 小学校中学年くらいから。男の子にもオススメです。
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もともとの舞台作品『うるう』を、4年前も今季も観た。初演よりもさらに良くなっていた。私自身も年を取って、より深く味わえるようになったのかもしれない。「うるう」ことヨイチさんの孤独、ひいてはアーティスト小林賢太郎本人の永遠の孤独感がそくそくと迫ってきて胸が痛くなるほどだった。 ...
もともとの舞台作品『うるう』を、4年前も今季も観た。初演よりもさらに良くなっていた。私自身も年を取って、より深く味わえるようになったのかもしれない。「うるう」ことヨイチさんの孤独、ひいてはアーティスト小林賢太郎本人の永遠の孤独感がそくそくと迫ってきて胸が痛くなるほどだった。 舞台で宣伝を見て心待ちにしていたこの絵本だが……。小林賢太郎は誰に向けてこの本を書いたのだろう? そんな戦略的なことは一切考えず、心からあふれ出たものが形になっただけ? どうもそうは思えない。彼は口や文章では「誰にでもわかるものを目指している」とか何とか言うが、実は「わかるヤツだけついてこい」の人だ。だから彼の戯曲集やエッセイは、彼のアートを知らない人が読んだらものすごくつまらないと思う。 この絵本もその例にもれず、『うるう』の舞台を観ていない人にはさっぱり面白味がわからないんじゃないかなと思う。舞台では「余りの一人」と「当たりの一人」の対比を詳細に描写しているが、絵本のほうはそれがあっさりしすぎていて、どちらの孤独もいまひとつ伝わらず、両者が心を通わせる過程にも説得力がないのだ。しかしその「あっさりしすぎて説得力がない」ことを賢太郎本人は自覚して確信的にやっている気配も感じる。ならばなぜこんなにリキ入れて絵を描き、絵本という形にしたのか? そこがどうもよくわからない。 「わかるヤツだけついてこい」なのはいい。しかし「舞台を観ていなくてもわかるヤツ」に伝わるつくりにはなっていないような気がする。そこが残念。小林賢太郎なんて全く知らない人や子供にこの絵本を読ませて感想を聞いてみたいものだ。
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小林賢太郎の演劇『うるう』の双子作品。ちょうど発売時期に観に行ったので,劇場で購入して観劇直後に読了。泣ける。
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うるう年、うるう日と同じ「うるう」であると話す、うるうびと。彼の持つ「余りの1」の意味や、その意味に本当は少しでも抗いたいという彼の葛藤に、寂しさとやるせなさを感じた。 この絵本は、小林賢太郎の舞台作品をもとに作られた。彼の不思議で魅力的な世界観が、短い絵本の中にも凝縮されている...
うるう年、うるう日と同じ「うるう」であると話す、うるうびと。彼の持つ「余りの1」の意味や、その意味に本当は少しでも抗いたいという彼の葛藤に、寂しさとやるせなさを感じた。 この絵本は、小林賢太郎の舞台作品をもとに作られた。彼の不思議で魅力的な世界観が、短い絵本の中にも凝縮されている。物語の世界を鮮やかに描き出す絵はもちろん、綴られる文章は、彼の語る声が今にも聞こえてきそうである。
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