メアリー・スーを殺して 幻夢コレクション の商品レビュー
複数作家のアンソロジーだと他の人のコメントを読むまで思っていたので 星一つ追加。気づかなかった。。 愛すべき猿の日記 乙一 →何が好きかを知るためにも、色々な経験をさせてあげたいな、と。本が身近な環境で育ててくれた親に感謝。 山羊座の友人 乙一 →漫画化していた気がする。...
複数作家のアンソロジーだと他の人のコメントを読むまで思っていたので 星一つ追加。気づかなかった。。 愛すべき猿の日記 乙一 →何が好きかを知るためにも、色々な経験をさせてあげたいな、と。本が身近な環境で育ててくれた親に感謝。 山羊座の友人 乙一 →漫画化していた気がする。深刻なのにコミカルな会話が好き。 宗像くんと万年筆事件 中田 永一 →子供は親を選べない。。。 メアリー・スーを殺して 中田 永一 →中二病のほうが強烈だが、この表現は初めて知った。 トランシーバー 山白 朝子 →未だ行方不明の人いるんだよなぁ。。写真すら印刷しないでデータのままだが、映像をもっととっておきたい、と思った。 ある印刷物の行方 山白 朝子 →最後、育てていたらどうしようかと思った。。 エヴァ・マリー・クロス 越前 魔太郎 →恋人が黒幕と思ってスミマセン。そういうオチか。。
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【愛すべき猿の日記】 『ある人の話によると、人類は自然を理解するために名前や言葉といった記号を発明したのだという。はじめに言葉ありき、という聖書の一節は正しい。「マンモス」という言葉がなければ、巨大な雪原で鼻を振り回している毛むくじゃらのアレは、風や太陽や夜と同じ自然の一部でしか...
【愛すべき猿の日記】 『ある人の話によると、人類は自然を理解するために名前や言葉といった記号を発明したのだという。はじめに言葉ありき、という聖書の一節は正しい。「マンモス」という言葉がなければ、巨大な雪原で鼻を振り回している毛むくじゃらのアレは、風や太陽や夜と同じ自然の一部でしかなかったのだ。』 『この文字のひとつひとつは自分の意思の象徴だ。蠢く大自然から何かを切り取ろうとする意思そのものなのだ。』 【山羊座の友人】 『あいまいにわらって、はっきりした返事はしなかったけれど、僕は心の中で決めていたのだ、こいつと友だちになろうと。』 【メアリー・スーを殺して】 『メアリー・スーとは、二次創作における用語のひとつであり、作者の願望が不快なほどに投影されたオリジナルキャラクラーを指すという。』 『そうか。いわゆる中二病だ。メアリー・スーという言葉になじみがないのは、日本にはすでに中二病という言葉があり、輸入されるひつようがなかったせいかもしれない。』 『人から愛されることの理由づけ。ご都合主義的に人から好意をもたれるような展開にならないよう、愛される理由をしっかりと設定して描写すること。自分という人間は、それらの理由づけを、しらないうちに現実世界でクリアしていたというのだろうか。』 『メアリー・スー。 ひさびさにこの名前をおもいだす。作者の願望がこめられた少女。すぐれた容姿と超人的な能力を持ち、だれからも愛され、笑顔をたやさず、窮地のときはご都合主義的に仲間を救い、尊敬と愛情をあつめる存在。』 【トランシーバー】 『人が宗教をつくり、死後の世界を物語ったのは、消滅への恐怖からだとばかりおもっていた。だけどもしかしたら、宗教を作り出した人々の原動力は、亡くなった者たちへの労りと慈愛だったのかもしれない。』
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合わせて全七編の夢幻の世界を、安達寛高氏が全作解説。 書下ろしを含む、すべて単行本未収録作品。 夢の異空間へと誘う、異色アンソロジー。
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4人の作家による7編の短編集。 越前魔太郎のエヴァマリークロスが怖い。人間で作られた美しい人体楽器。
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本のコンセプトそのものが知っている人向け、という面白い試みの短編集。それぞれの筆名で作者の異なる部分と共通する部分を各作品から感じ取れるのではとも思います。乙一初心者さんにもそういう意味ではオススメでしょうか。 もちろん乙一好きにこそたまらない作品集なわけで、ミステリ,ホラー、...
本のコンセプトそのものが知っている人向け、という面白い試みの短編集。それぞれの筆名で作者の異なる部分と共通する部分を各作品から感じ取れるのではとも思います。乙一初心者さんにもそういう意味ではオススメでしょうか。 もちろん乙一好きにこそたまらない作品集なわけで、ミステリ,ホラー、恋愛小説、どんなジャンルでも失われない「らしさ」が詰まっていて、満足でした。 「山羊座の友人」「宗像君」ではほろ苦い青春モノ+どんでん返しの鮮やかさが見事、「メアリー・スーを殺して」の少女の変化する姿の個性的な描き方、「トランシーバー」の奇妙だけれど温かさに満ちていく家族愛、「ある印刷物の行方」「エヴァ・マリー・クロス」の徐々にしみわたってくる不気味さ…。 それぞれが少しずつ違う方向性で、けれど間違いなく乙一らしさに満ちているんですよね。やわらかい語り口の個性か、弱い立場の人たちへのやさしい視線だからか、奇妙な設定の物語もすっと入り込ませる巧さのおかげか。多分、どれもが欠かせない作者らしさであり、ほかとない個性なんでしょうね。
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乙一らによる幻夢コレクション。全7編。 乙一 ●愛すべき猿の日記 ●山羊座の友人 中田永一 ●宗像くんと万年筆事件 ●メアリー・スーを殺して 山白朝子 ●トランシーバー ●ある印刷物の行方 越前魔太郎 ●エヴァ・マリー・クロス 解説:安達寛高 この中では「山羊座の友人」「宗像...
乙一らによる幻夢コレクション。全7編。 乙一 ●愛すべき猿の日記 ●山羊座の友人 中田永一 ●宗像くんと万年筆事件 ●メアリー・スーを殺して 山白朝子 ●トランシーバー ●ある印刷物の行方 越前魔太郎 ●エヴァ・マリー・クロス 解説:安達寛高 この中では「山羊座の友人」「宗像君と万年筆事件」が良かったです。 ベランダに舞い込んでくる不思議なものたち。あのベランダがある限りいろんなミステリーがうまれそう。 宗像君~はシリーズ化があるとかないとか。おうちが貧乏でお風呂に入っていなくて不潔でぼっちの宗像君。そんな彼がクラスメイトにかけられた濡れ衣を晴らすために立ち上がる…! ファンにはバレバレのこの面子。 私が読んだことがあるのは、乙一さんと中田永一さんのみ。 作風によって名義を変更しているようだけど、もうそんなことしなくても良いのでは? 『ZOO』という短編集を読んだ方ならわかるように、乙一さんは元々いろんな雰囲気を持ち合わせているのは知っているし、テイストが違うのが混ざっていても特に違和感もなく…。 特に「宗像君~」とか「トランシーバー」とか、青春でもありミステリーでもありホラーでもあり…って境界線が曖昧な作品を誰名義にするかってのを考える方が面倒くさそう。 それにたくさんペンネーム持っていると書籍を追うのが大変なんです(笑)
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乙一、中田永一、山白朝子、越前魔太郎によるアンソロジー。解説は安達寛高。副題に「幻夢コレクション」とあるように、夢か幻かというような現象の物語。 乙一、中田永一、山白朝子はすべて安達寛高のペンネームらしい。そして、越前魔太郎は複数の作家による架空の作家でそこに乙一も名を連ねているという。 同一人物と知らないで読めばなおのこと、知っていてもなお、その作品のテイストの違いに驚かされる。 個人的には乙一による「山羊座の友人」と中田永一による「宗像くんと万年筆事件」が好き。
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アンソロジーの体裁をとっているが、作者はすべて同一人物である。乙一、中田永一、山白朝子と、複数のペンネームを使い分ける男。本名・安達寛高。越前魔太郎は、講談社ノベルスと電撃文庫の企画で使われた、共同ペンネームだったか。 まずは乙一名義の短い「愛すべき猿の日記」。途中で改行がなくなり、読みにくいなと思ったら、活字好きに訴えるファンタジーだった。私小説っぽいな。 乙一名義「山羊座の友人」。本作中最長で、いじめが絡み、やや読むのがしんどいが、途中から結末が読めてきて、益々しんどくなってくる。彼の家が「風の通り道」で、なおかつ彼に推理力があったばかりに…。一応、切ない系白乙一なのか。 中田永一名義2編。「宗像くんと万年筆事件」。濡れ衣を着せられ、不登校になった小学生女児。救いの手を差し伸べたのは…。実際にありそうな話で、苦い気分になってくる。その後がとても気になる。「メアリー・スーを殺して」は、創作のエネルギーとは何かを考えさせられる。その用語は知らなかったが、絶対悪ではないだろう。 山白朝子名義2編。「トランシーバー」は、東日本大震災がテーマとだけ書いておく。6年経っても、何年経っても、立ち直れない人がいる。ちょっと涙腺が…。「ある印刷物の行方」は、山白朝子らしいホラー路線全開。最新機器をこのように料理する手腕はすごい。おぞましいようで美しい。実用化はされるのだろうか…。 越前魔太郎名義「エヴァ・マリー・クロス」。おぞましさならこっちの方が上だった。特ダネを狙うライターが、深入りした結果…。短編でこのインパクトだけに、元ネタらしい冥王星Oシリーズの長編を、読みたいような読みたくないような。 どちらかといえば、近年は影を潜めていた、黒乙一寄りの作品集か。長年の乙一ファンなら、大満足間違いなし。各名義の本来の作風からずれている作品もあるが、それもまた読みどころ。1年以上も刊行を見落としていたのは、不覚だった。
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実際乙一を読むのはほとんど初めてに等しいけれど読みやすかった。 先日エムブリヲ奇憚を読んだばかりだったけれど、また雰囲気が違って此方の方が好きかもしれない。 どれも少しずつ雰囲気が違って、けれどちょっとミステリーで面白い。 メアリースーは小説を書いたことがある人ならありがちな話か...
実際乙一を読むのはほとんど初めてに等しいけれど読みやすかった。 先日エムブリヲ奇憚を読んだばかりだったけれど、また雰囲気が違って此方の方が好きかもしれない。 どれも少しずつ雰囲気が違って、けれどちょっとミステリーで面白い。 メアリースーは小説を書いたことがある人ならありがちな話かもしれない。 しかし、本当にあんな理由でシンデレラストーリーみたいなことになれたら人生イージーモードだよなと思ったり笑 努力の賜物なんだけど、なかなか楽じゃないのだこれが。 死者のための音楽を一回借りて読めないで返してしまったのでもう一回借りて読もうと思う。
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乙一、中田永一は読んだことあったけどそれ以外の二人ははじめて。 うーん、正直、どれも乙一の名前で出してもよかったんじゃないかと思ってしまった……。 メアリー・スーという概念を知らなかった。わたしは創作活動をしていないけど常に「理想の自分」との比較で苦しんでいて、そいつはメアリー・...
乙一、中田永一は読んだことあったけどそれ以外の二人ははじめて。 うーん、正直、どれも乙一の名前で出してもよかったんじゃないかと思ってしまった……。 メアリー・スーという概念を知らなかった。わたしは創作活動をしていないけど常に「理想の自分」との比較で苦しんでいて、そいつはメアリー・スーだったんだなと思った。倒しかたは気づいていたけどなかなか行動に移せない。わたしもいつかメアリー・スーに力を貸して!と思えたら素晴らしいと思った。 でも一番好きなのは山羊座の友人です。これぞ乙一!
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