性風俗のいびつな現場 の商品レビュー
妊婦・母乳専門店、激安デリヘル、地雷専門店、超熟女店など、風俗の辺境で働く女性と、それに福祉制度はどう関わっていくべきなのかを真面目に考察し、ケースワーカーや法律家を巻き込んで相談会を開催した記録までを含む、真面目なルポ。興味本位で読み始めたが、目が覚める思い。名著。
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●最近は貧困と風俗関係の本をよく読むが、かなり読み応えのある一冊。 ●風俗と聞くと反射的にダメだとなる人もいるが、人類とは切っても切れない職業。しかし、風俗店で働くことの出来る人はまだ選ばれた人だからましという冷たい事実。 ●ほんとは風俗がセーフティーネットにならずに済むようにな...
●最近は貧困と風俗関係の本をよく読むが、かなり読み応えのある一冊。 ●風俗と聞くと反射的にダメだとなる人もいるが、人類とは切っても切れない職業。しかし、風俗店で働くことの出来る人はまだ選ばれた人だからましという冷たい事実。 ●ほんとは風俗がセーフティーネットにならずに済むようになればいいけれど、世の中綺麗事だけじゃやっていけない…見ないようにしているのか、単に見ないのか、こういう本でも読まない限り知らない世界 ●丹念に取材をしている真摯さが見える。 ●最貧困女子を読んだ時もそうだけど、とにかく生きようともがいている人がこれだけいるわけだから、もっと支援のメニューやら方法が広がってほしいと切に思いますね。 ●なんだろう…結局こういう本を読むのも、何なる怖いもの見たさ、好奇心に過ぎないよな、とか思ってしまい、読後たまに自己嫌悪に陥りますね…
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多面的な問題を善悪、被害者加害者、搾取被搾取と言った二項対立に置き換えるのは楽だけど、それでは問題は捉えきれない。 風俗で働く人のケアには業界の自助だけでなく福祉や司法といった側面からの支援が必要。 社会は風俗を黙認(黙殺)も公認もせず、容認を ーーーーーー 風俗店は柄の...
多面的な問題を善悪、被害者加害者、搾取被搾取と言った二項対立に置き換えるのは楽だけど、それでは問題は捉えきれない。 風俗で働く人のケアには業界の自助だけでなく福祉や司法といった側面からの支援が必要。 社会は風俗を黙認(黙殺)も公認もせず、容認を ーーーーーー 風俗店は柄の悪い人がやるイメージがあるが、手続きを踏めば合法的に開業できる一つのビジネス。 田舎は女性を、都会は男性(顧客)集めに苦労 新人→リピーター獲得できるかどうかが境目 だめなら店を転々 "今の男性客は女性そのものよりも、その女性が持っている身体的特徴(巨乳、パイパンなど)や社会的属性(女子高生、人妻など)といった記号のみを追いかけるようになっているという。" →記号消費 "意図的に女性に借金を背負わせ、抜け出せないようにするための罠として、ネットカフェ待機、及び売上の個人保管が機能しているわけだ。ここまで来ると、管理売春の域を超えて人身売買に近い。" →こういう人が同じ空気を吸って生きているということに想像すらできないことが「分断 」なんだろう "結局、自助努力の困難な女性が、自助努力をしないで稼げる仕組み、救われる仕組みを作るのは無理なのではないか。自助努力のできない女性は男性客との恋愛というハイリスクなギャンブルに賭けるしかない。しかし指名が取れなければ、それすらも難しい。 病気や障害、生育環境や経済上の問題で張れない=自助努力ができないがゆえに地雷専門店にたどり着いた女性に求められるものは、結局自助努力しかないという残酷な現実がある。彼女たちを共助や公助から疎外し、自助努力もできないほどに壊れ果てた「地雷」へと追いやったのは、他の誰でもない、私たちの社会であるにもかかわらず、だ。" →自助・公助・共助という枠組み、しっくりくる "NPO業界の人たちは、風俗業界に対して『何が正しいかどうか』といった是非論を語る傾向にあります。しかし、風俗業界の人たちは是非論は語らない。何が具体的に役に立つか、何が実践的なのかだけを考える。"
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風俗で働けることも才能だ。そうだなー。メディア露出が多いから、知ってはいるけど身を運んだことのない世界。ピンからキリまであるランクの最下層に焦点。確かに、日雇いの高額の仕事ってない。妊娠や病気のリスク半端ないけど。
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貧困でどうにも生活が成り立たなくなった母親が、子どもを道連れに心中した事件があった。それに比べたら、風俗という最終的な選択肢はマシなのかもしれない。 風俗は否認でも公認でも黙認でもなく容認が良いという言い回しにはなるほどと思った。 究極、死を選ぶくらいなら風俗もありかもしれない。...
貧困でどうにも生活が成り立たなくなった母親が、子どもを道連れに心中した事件があった。それに比べたら、風俗という最終的な選択肢はマシなのかもしれない。 風俗は否認でも公認でも黙認でもなく容認が良いという言い回しにはなるほどと思った。 究極、死を選ぶくらいなら風俗もありかもしれない。生きるために。が、本当ならその前に福祉の手で救えるならそれが一番いい。 それが難しい現状、風俗と福祉の連携というのはとても意義があると思った。
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熟女、地雷系風俗などは貧困女性のセーフティーネットとして機能しており、一度は福祉と繋がった経験のある女性が多いというのが興味深かった。(福祉に頼りたくない・福祉との繋がり方がわからない女性が多いイメージを持っていた) また、夜の職業から抜け出そうにも、昼職に転職するには少なくとも...
熟女、地雷系風俗などは貧困女性のセーフティーネットとして機能しており、一度は福祉と繋がった経験のある女性が多いというのが興味深かった。(福祉に頼りたくない・福祉との繋がり方がわからない女性が多いイメージを持っていた) また、夜の職業から抜け出そうにも、昼職に転職するには少なくとも1か月は給与が支払われなくても生活できる貯金が必要だが、それを用意できない為抜け出せない女性が多くいる、というのは福祉制度を改善すべき点だと思った。(夜の職業だけに関わらず、1か月穴があくのは厳しい)
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性風俗の「生活困窮者のセーフティネット」という側面を捉えたルポルタージュ。特殊性風俗とそこで働く女性達の実態・問題点を分かりやすく解説している。文章も論理的で読みやすい。 性風俗をいくら否認しても撲滅することはできない。黙認することも内情が不透明化する危険性を孕む。かといって法律的・社会的に公認することもできない。 社会の一部として容認しうまく付き合っていくこと。すなわち、福祉や社会と繋ぎ風俗に関わる当事者の不幸を減らすことを目標にすべきであるという主張には説得力があるように感じた。 興味があるなら手に取ってみて損はしない一冊。
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興味本位で購入したが、論旨明快で、読みやすい。普段なじみのない特殊性風俗の実態もわかりやすかった。 行政管理のない産業であるため、著者の個人取材の限界を感じる部分もあった。 しかし、取材から導き出された、『性風俗は絶対になくならないと同時に、「否認の無効性」「沈黙の有害性」「公認の不可能性」という事実がある』、というのは的を射た観察結果で、社会は性風俗を容認し、きちんと向き合って社会をより良くする方法を考えましょう、というのは非常に現実的な解であるように感じた。 第二章の母乳風俗で、どんなに嬢との関係が良くても、母乳が出なくなると3か月目には絶対男が来なくなる…というエピソードで、性癖ってこういうことなんだろうな…とおもった。理屈ではどうにもならない世界。
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筆者は鶯谷デッドボールの取材で店が女性に寄り添えばブスやデブを訴求するジレンマがあると知りそこから風俗店による訳あり女性の貧困問題などを解決できないかと提言。母乳風俗や愛人クラブにデッドボールと色々巡ったようだが裏モノJapanの方が面白いと思う。
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本書でいう風俗は、「合法的」なものに限る。ほとんどがデリヘリだな。ただし、いわゆるキワモノが中心だ。 そこで生きている男女の生の状況を考える。 男については、極めて真っ当というか、イイヒトなので、一般論として語るのは無理なのだが、福祉と現実との狭間を問題提起する。最後には、きちん...
本書でいう風俗は、「合法的」なものに限る。ほとんどがデリヘリだな。ただし、いわゆるキワモノが中心だ。 そこで生きている男女の生の状況を考える。 男については、極めて真っ当というか、イイヒトなので、一般論として語るのは無理なのだが、福祉と現実との狭間を問題提起する。最後には、きちんと弁護士も入ったやりとりもあったりする。 何冊かこういう本を読んだが、割り切っていていい。 性風俗は、否認はできないし黙認は危ない、公認するものではなく容認がよかろうという提案は、なるほどと思う。
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