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性風俗のいびつな現場 の商品レビュー

3.7

31件のお客様レビュー

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2016/06/16

扇情的なタイトル アイキャッチはうまい 営業の現場からのインタビュー 著者の意図が明確になるのは中頃過ぎ 社会的な弱者と福祉を結びつける意図が明確に見え隠れする その筋の人たち グレーのままが良いこともある

Posted byブクログ

2016/05/08

若い生きのいい社会学者が書かれた風俗の現場の社会学的考察。単なるルポではなく、解決に向けた方向性も考察されているところが好ましい。少し肩に力が入っている部分も否めないが類書が少ない分だけ許されるところだと思う。風俗を「社会問題としての貧困と闘うための、最前線の防衛拠点にして情報発...

若い生きのいい社会学者が書かれた風俗の現場の社会学的考察。単なるルポではなく、解決に向けた方向性も考察されているところが好ましい。少し肩に力が入っている部分も否めないが類書が少ない分だけ許されるところだと思う。風俗を「社会問題としての貧困と闘うための、最前線の防衛拠点にして情報発信・収集基地」として活用していくこと、著者の主張はこれに尽きる。貧困問題を扱っているものとしては、風俗は避けて通れない問題であり、勉強になった。

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2016/04/30

性風俗のリアルを描き、その現状分析、問題・課題の抽出、さらに解決策の提案まで行うという意欲作。 ・新しい視点の提供 風俗は粋な文化、 風俗は夜のライフワークバランスをとるためのツール、 社会のグレーな部分を吸収してくれる社会的装置、 風俗は貧乏な女性たちにとってこそ必要、 支援...

性風俗のリアルを描き、その現状分析、問題・課題の抽出、さらに解決策の提案まで行うという意欲作。 ・新しい視点の提供 風俗は粋な文化、 風俗は夜のライフワークバランスをとるためのツール、 社会のグレーな部分を吸収してくれる社会的装置、 風俗は貧乏な女性たちにとってこそ必要、 支援としての性風俗、労働の場の提供 ・妊娠、母乳専門の風俗 妊娠前後の働き口のない女性たちの、稼ぎ場所になっている。しかし、実際はここではたらくことのできる女性たちが少ない。 なぜって、倍率がめちゃ高い。店は10の応募に対し1,2まで絞り込む。美人でなければ売れないからだ。他にも、勤務態度が良くなければ困る。だから厳選するのだ。 ・排除、不可視化、公認ではなく、「容認」 風俗の果たす役割を考えれば、完全に排除するのは難しい。かといって見て見ぬふりをすると、性感染症、社会の乱れに繋がる。だが倫理的な観点から、これを社会全体で公認することもできない。必要なのは、社会がこのグレーな部分を受け入れる容認だ。

Posted byブクログ

2016/04/24

正直読む前は、単にいろんな風俗店の紹介本だろうと思っていたが、違った。風俗と福祉、社会をつなぐためにどうしたらいいのか著者の問題意識を感じされる本。 最後のクイズの答えは何だろうか。 おそらく〇〇〇の三文字ではないか。なぜなら若い女性だけではないからだ。

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2016/04/22

読みたかった本。前半は確かに現場ルポの体裁をとっていますが、後半は12年の歳月を経た斬新な提言の書です。あらてめて、メディアによる偏見の産物や私的な思い込みに惑わされないようにしなければと思いました。

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2016/04/08

貧困女性のセーフティネットの一つに風俗産業がある。しかもジャンルが細分化し、若さや容姿を求める訳でないニッチなニーズ(もはやニッチでないボリュームだったりする)にマッチすべく、熟女から地雷系まで「女性」というだけで受け皿が用意されるご時世。 女性側も簡単に足を踏み入れられ、もはや...

貧困女性のセーフティネットの一つに風俗産業がある。しかもジャンルが細分化し、若さや容姿を求める訳でないニッチなニーズ(もはやニッチでないボリュームだったりする)にマッチすべく、熟女から地雷系まで「女性」というだけで受け皿が用意されるご時世。 女性側も簡単に足を踏み入れられ、もはやひと昔前の「苦界」でもないような感覚すら覚える。 ただ問題はそのニッチでさえ適合できない女性がいて、そこにセーフティネットとして風俗産業だけに任せ切りにできない難点もある。 この手の風俗を社会学的見地から論じたものは資料として読むことか多いが。著者のこの論点は上段からの物言いでなく腑に落ちるものである。 (以下引用) 『彼女たちを「社会的弱者」「性的搾取の犠牲者」といったレッテルを貼って審判するのではなく、私たちと地続きの世界で、誰もがぶつかる可能性のある問題と戦っている「最前線の隣人」とみなして、対等な立場に立った上で(以下略)』 対岸の火事ではないのだ。

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2016/03/27

(しばらく経ってからレビュー書いてます…) さくっと呼べるノンフィクション。各種風俗の現場が丁寧にまとめられています。女性たちのセーフティネットの役目を果たしてしまっている現実をどのように考えるか。その糸のほぐし方の難しさを実感します。社会的な課題解決に対して、いろんな視点が必要...

(しばらく経ってからレビュー書いてます…) さくっと呼べるノンフィクション。各種風俗の現場が丁寧にまとめられています。女性たちのセーフティネットの役目を果たしてしまっている現実をどのように考えるか。その糸のほぐし方の難しさを実感します。社会的な課題解決に対して、いろんな視点が必要だなと再確認(2016.2月のいつか読了)

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2016/03/24

風俗店やその経営者、店で働く女性への取材等を通して、日本の風俗が抱える問題の一端を具体的に示した上で、福祉との連携による解決策を示す。 「(性)風俗とは何なのか」をそもそもよく知らないような人(私もそうであるが)にとっては特に、各章で描かれる具体的エピソードに、驚きや衝撃を覚え...

風俗店やその経営者、店で働く女性への取材等を通して、日本の風俗が抱える問題の一端を具体的に示した上で、福祉との連携による解決策を示す。 「(性)風俗とは何なのか」をそもそもよく知らないような人(私もそうであるが)にとっては特に、各章で描かれる具体的エピソードに、驚きや衝撃を覚え、興味をかき立てられるだろう。 「加害者(=店や男性)と被害者(=女性)」「健全化か撲滅か」といった二項対立的な捉え方では、多様な要素が絡み合ってできている風俗について、理解することも問題を解決することもできないという著者の指摘は、至極的を射たものというほかない。 単に悲劇的な女性を描くわけでも、風俗を断罪して切り捨てるわけでもない、社会が抱える問題の「現実的で妥当な解決」を目指す意欲作。 ぜひご一読を。

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2016/02/28

 著者は東大・上野千鶴子ゼミの出身で、障害者に対して射精介助サービスを提供する非営利団体「ホワイトハンズ」の代表理事。社会福祉の専門家だ。  当初この本は「風俗福祉論」という仮題で企画されていた。「最底辺風俗の社会学」というタイトル案もあったらしい。  つまり、そういう本なのだ。...

 著者は東大・上野千鶴子ゼミの出身で、障害者に対して射精介助サービスを提供する非営利団体「ホワイトハンズ」の代表理事。社会福祉の専門家だ。  当初この本は「風俗福祉論」という仮題で企画されていた。「最底辺風俗の社会学」というタイトル案もあったらしい。  つまり、そういう本なのだ。  風俗と福祉を同じ地平で捉えて、その「間」に潜む問題を可視化する。福祉制度の不足を性産業が補っている現実から目を背けずに、両者の連携、風俗の「社会化」を提起する。性労働の実態を別世界の物語として遠くに見るのではなく、同じ社会の問題として身近に引き付けて考える点で、他の風俗ルポとは性質が異なる。  著者は「女子」「彼女」「嬢」等、女性を示す名詞を書名に入れないことにこだわった。同じ編集者と組んだ既刊『男子の貞操』と同様、性の語られ方を問う言説批評としても挑戦的。読んだ人の反応が気になる本である。

Posted byブクログ

2016/01/16

丁寧に風俗の現場にあたり調査研究し、非常に上手い文章と構成力で描かれた良書。本書内にあるようにこれまで風俗は「ネタ」としてサブカル領域において、人々の好奇心を刺激するものとして扱われてきた傾向が強いが、本書は調査研究分析を行うだけでなくソーシャルワークと風俗を繋げる実践活動を行い...

丁寧に風俗の現場にあたり調査研究し、非常に上手い文章と構成力で描かれた良書。本書内にあるようにこれまで風俗は「ネタ」としてサブカル領域において、人々の好奇心を刺激するものとして扱われてきた傾向が強いが、本書は調査研究分析を行うだけでなくソーシャルワークと風俗を繋げる実践活動を行い、それを書いている。熟女専門風俗店における母親がいない30代若者の客のエピソードはなんともいえない気持ちになった。

Posted byブクログ