性風俗のいびつな現場 の商品レビュー
他の方のレビューで興味を持って読んでみた。 仕事上支援していく中で風俗関係の勤務をされている方の対応に戸惑うことがあった。解決策が見出せたわけではないが、こちらの姿勢を見直すきっかけになった。 覚書 何らかの形で既につながっている行政福祉との関わり方が課題 ソーシャルワークと風...
他の方のレビューで興味を持って読んでみた。 仕事上支援していく中で風俗関係の勤務をされている方の対応に戸惑うことがあった。解決策が見出せたわけではないが、こちらの姿勢を見直すきっかけになった。 覚書 何らかの形で既につながっている行政福祉との関わり方が課題 ソーシャルワークと風俗の連携のモデル 風俗は社会福祉の敵ではなく味方として社会問題としての貧困と戦う 否認でも黙認でも公認でもない「容認」を目指せ
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性風俗と聞くと、眉を顰める方が多いだろうか。 いつだったかに読んだ『セックスボランティア』を思い起こす。 本書は、福祉と風俗による貧困救済が趣旨。 根拠なき正義論で社会悪として、風俗に従事する者を断じるべきではないな。 行政、司法、医療、福祉。 今後、貧困に喘ぐ者が救われる...
性風俗と聞くと、眉を顰める方が多いだろうか。 いつだったかに読んだ『セックスボランティア』を思い起こす。 本書は、福祉と風俗による貧困救済が趣旨。 根拠なき正義論で社会悪として、風俗に従事する者を断じるべきではないな。 行政、司法、医療、福祉。 今後、貧困に喘ぐ者が救われる社会であることを願ってやみません。 知らない世界に対し、いかにステレオタイプを持っていたかと気付かされる一冊でした。
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悪とは思わないけれど、社会通念上は認められない存在である性風俗関連特殊営業に関する考察。 経営者、働く人、ブラック環境、社会環境・・と様々な側面からのルポで、 至って真面目な切り口です。 日本は勿論、万国にある夜のマーケット。事情は皆共通なのだろうか?
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セーフティーネットとして激安やニッチな風俗店を容認するという事を分かりやすく展開。上辺だけの話でなくしかるべく対象に合わせて進めているので現実的である。無くなりはしない業界だがVRとか進化した場合取り分が減るからセーフティーネットとしての機能に若干不安が残る。 本筋からズレるがお...
セーフティーネットとして激安やニッチな風俗店を容認するという事を分かりやすく展開。上辺だけの話でなくしかるべく対象に合わせて進めているので現実的である。無くなりはしない業界だがVRとか進化した場合取り分が減るからセーフティーネットとしての機能に若干不安が残る。 本筋からズレるがおかあさんのオーナーは人材を集めるために待機場所に配慮したりデッドボールの総監督のように肯定も否定もしないからまずは見てくれと懐を示したりと成功しているところはキチンとしているなと感じた。
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妊婦・母乳専門店に地雷専門店、そして熟女専門店。 この特殊な「専門店」。 そういった需要があることにも驚いた。 男性の欲望はあまりに単純で、細分化されすぎていてめまいがする。 供給もまた同じようにあり、その供給者の多くが根深い問題を抱えている。 性風俗、というと多くの人は蔑みの...
妊婦・母乳専門店に地雷専門店、そして熟女専門店。 この特殊な「専門店」。 そういった需要があることにも驚いた。 男性の欲望はあまりに単純で、細分化されすぎていてめまいがする。 供給もまた同じようにあり、その供給者の多くが根深い問題を抱えている。 性風俗、というと多くの人は蔑みの目を向けるだろう。 男性ならば利用して医療がいまいが、単純に女性を貶めるような考えのもと、女性ならば女の価値を下げるものとして、従事者ならばデリヘルより、ソープより、私の方がまだまし、とランク付けを行う。 しかしそんな単純な図式で性風俗は語れるのだろうか? ひっそりとあることをないことにして、見ないようにして、悪の巣窟のように捉えて絵、それで物事の本質を見ていると、社会を知っていると言えるのだろうか? 見えない弱者、セーフティネット(日本のそれは脆弱だけれど)から漏れたものがそこにはいる。 彼女たちが抱える問題はまさに現代の問題そのものだ。 精神疾患(発達障害も含む)、貧困、DV、シングルマザー、教育格差、肥満。 なぜ彼女たちは搾取されるのか、なぜ貯金できないのか、なぜ行政につながっていても彼女たちは風俗を選ばざるをえないのか。 そこを知らずに単純に善悪の問題と捉えては、彼女たちの抱える本当の問題の解決には至らない。 著者は福祉や司法に、風俗と共闘せよ、支援を行うならあえて風俗を通せと主張する。 それは非常に難しいとは思うが、納得できる部分もある。 私個人の感想を付け加えるなら、教育面からのアプローチも必要だと思う。 無知による恐れは搾取につながる。 自己責任と放置するより先に、知識を与えなければ、社会は疲弊し、成り立たなくなってしまう。 最後に一点、239ページの最後の二行は著者の決意表明でもあるのだろうが、はっきり言って蛇足だ。 これまでの真剣さを「厨二病」的な安っぽさで台無しにしている。 改訂版、続編等出すのであれば再考を願いたい。
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読了。読むのが辛くなった。風俗を容認するとあった。なるほどなと思った。ただし男が風俗へ通うことは容認されていないのだろうなと思った。覚悟をもっていかなければいけないのだろう。著者のクイズはセックスワーカーかな?
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対象となった性風俗従事者と我々の生活がそうとう離れているため、実感としてピンとこないところがある。 でも、実際に性風俗店にいってみれば、相手のなかには、そのような辛い生活を強いられている人もいるだろう。 風俗産業が福祉の最後の砦になっていることが社会悪として認めることも駆除すべきことでもない、中庸なアプローチが必要で、風俗業は仕事の多様性の1つとして認知され、もっと十分な支援が得られられるべきことであることがわかった。
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ツイッターでRTが回ってきたのを見て図書館で予約してだいぶ経ってから順番が回ってきた 当時、どんな気持ちで予約したのか忘れてしまったけれど何か心に引っかかるものがあったのだろうなと読み終えて感じた 貧困の負の連鎖、福祉の在り方、セーフティネットとしての性風俗店経営など 働く女性が...
ツイッターでRTが回ってきたのを見て図書館で予約してだいぶ経ってから順番が回ってきた 当時、どんな気持ちで予約したのか忘れてしまったけれど何か心に引っかかるものがあったのだろうなと読み終えて感じた 貧困の負の連鎖、福祉の在り方、セーフティネットとしての性風俗店経営など 働く女性が生きていくための糧を風俗と言う世界でギリギリのところでつないでいる現状を読んで考えさせられた 日本国憲法にある「基本的人権の尊重」ってなんなんだろうなぁ
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性風俗の世界には、かつて「遊び方」を指南するような情報誌も存在したが、いまでは安さや過激さばかりが突出して「粋」はなくなった。 その過激さと安さのからくりとは何か。貧困や知的障害がその根底にどっしりとある。 性風俗は「よくないもの」と差別され、遠ざけられたり放っておかれたりす...
性風俗の世界には、かつて「遊び方」を指南するような情報誌も存在したが、いまでは安さや過激さばかりが突出して「粋」はなくなった。 その過激さと安さのからくりとは何か。貧困や知的障害がその根底にどっしりとある。 性風俗は「よくないもの」と差別され、遠ざけられたり放っておかれたりするが、それだけをセーフティネットにすると、地雷専門店やら母乳専門やらと変わったものがそういう人たちを食い物にしてしまう。 性風俗自体の存在を社会的に認めてつながるしくみも提言する。 過激な(というかおかしな)営業こそ前半に多少目立つものの、エロが売りの本ではないから勘違いしてはいけない(ぼ、僕は勘違いしてないんだからね!)。福祉の話なのである。とはいえ冒頭の風俗起業の話などは、あまり経験できない読み物でもあり、この取材っぷりがよい。堪能した。
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タイトルに興味を持ったので購入してみた。 内容は、デリヘルを起業した障害者、妊婦。母乳専門店、激安店、地雷専門店、熟女専門店というデリヘルでもどちらかというと美人高級店とは対照的な立ち位置にある店舗の実態現場レポートと、そこに働く女性たちを救うには行政側の福祉との関わり合いが必...
タイトルに興味を持ったので購入してみた。 内容は、デリヘルを起業した障害者、妊婦。母乳専門店、激安店、地雷専門店、熟女専門店というデリヘルでもどちらかというと美人高級店とは対照的な立ち位置にある店舗の実態現場レポートと、そこに働く女性たちを救うには行政側の福祉との関わり合いが必要であるという筆者の考えをまとめたもの。 いわゆる風俗業を「存在は悪であってなくすべきであり、そこで働く女性たちも業界から救い出す」という考えではなく、風俗は世の中から無くならない職業であり、是認はしないが容認し、働き続けることを前提に女性が精神的にも経時的にも自立するにはどうしたらよいかという問題に一定の解決策を提言している。 デリヘルでも下層に位置する店舗の実態を知るという上では貴重なレポートではある。特に、女性たちに生活保護者や程度の知的障害者が多く存在していること、女性たちが嫌々働いているのではなく、むしろ体調さえ良ければ出勤日以外でも待機室に出向いてくるという実態は、もっと世間に知られるべきであろう。 そうした女性たちを救うというか助けになるのが公的や私的(つまりNPOなどの機関)な福祉のシステムだというのだが、実態レポートを読む限りそうそう女性たちの救いの切り札になり得るかどうかは釈然としない。 ただ、いわゆる低層風俗業を肯定的に見てのレポートという点で、筆者の姿勢は一定の評価はできると思う。こうした問題は、社会悪だとか風俗業の全面否定からでな何も解決しないからだ。ただ、何をどう解決すべきなのか、風俗業全体を一括して語ることはできない。しかし、だからといって業界でも下層に位置する業種だけを観るなら、これまた偏った問題解決しか見いだせない。本書はそうした問題の解決策の糸口をつかむきっかけにはなるだろう。
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