小倉昌男 祈りと経営 の商品レビュー
とにかく構成が見事。ヤマト運輸・小倉昌男が晩年になぜ福祉事業に尽力したのか——。彼の晩年のプライベートのエピソードを巧みに再構成して最終章の「真相」へ至る展開は上質の推理小説、しかも叙述ミステリーのようである。
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神よ 変えることができるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。 変えることのできないものについては、それを受けて容れるだけの冷静さを与えたまえ。 そして、変えることのできるものと、変えることができないものとを識別する知恵を与えたまえ。 この祈りこそが、偉大な企...
神よ 変えることができるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。 変えることのできないものについては、それを受けて容れるだけの冷静さを与えたまえ。 そして、変えることのできるものと、変えることができないものとを識別する知恵を与えたまえ。 この祈りこそが、偉大な企業家として小倉氏と 穏やかに家族を愛し続けた父親として小倉氏の 両面を見事に表現している言葉です。 *********************************** 二つの言葉が心に残ったので、引用します。 まずご子息の言葉。「父の視点というのは、必ず弱いものに惹かれていました。絶対強いものにはいかない。宅急便だって、ふつうの主婦とかの不便や不都合に目がいって、事業化に結びついたし、福祉財団だってそう。それは、自分も弱きものという自覚があったのかもしれない」。 小倉氏に洗礼を授けた小林師の言葉。「彼の地位であれば、享楽的な楽しみ、目に見える物質的な楽しみはいくらでも手にすることができたはずです。でも、小倉さんは…信仰に勤しんだ。もちろん、それは同時に、彼自身が信仰に救いを求めていたことでもあります。…でも、その彼の個人の祈りは…弱きものの自立を助けるように働いた。…小倉昌男という人の生き方は、神様にも、人々の心にも強い感動を与えた。その目に見えない力は永遠に続くでしょう」。
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宅配便の父と呼ばれたヤマト運輸の小倉昌男さんの伝記です。 小倉さんといえば名経営者のイメージが強かったのですが、 この本は会長を引退してから亡くなるまでの物語です。 宅配便を作った男は家庭でどんな姿だったのか? なぜ私財の三分の二を投じて、福祉の財団を作ったのか? なぜ極めて悪い...
宅配便の父と呼ばれたヤマト運輸の小倉昌男さんの伝記です。 小倉さんといえば名経営者のイメージが強かったのですが、 この本は会長を引退してから亡くなるまでの物語です。 宅配便を作った男は家庭でどんな姿だったのか? なぜ私財の三分の二を投じて、福祉の財団を作ったのか? なぜ極めて悪い体調の中、アメリカで最期を迎えたのか? はじめは疑問だらけですが、 最後まで読むと理解することができ、久々に本を読んで泣きました。 働くことと生きがいの両方を見つけることの難しさと大切さを感じられる、 やっぱり読書っていいな!って思える本です。
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ただただ素晴らしい作品だった。ノンフィクション作品としては間違いなく最高峰だ。ヤマト運輸の創業家に生まれ、「宅急便」を生み出した小倉昌男氏の人生について書かれている。なぜ、氏は多額の私財を投じて福祉財団を作ったのか?そんな疑問から本書はスタートする。仕事関係、家族、氏の晩年を支え...
ただただ素晴らしい作品だった。ノンフィクション作品としては間違いなく最高峰だ。ヤマト運輸の創業家に生まれ、「宅急便」を生み出した小倉昌男氏の人生について書かれている。なぜ、氏は多額の私財を投じて福祉財団を作ったのか?そんな疑問から本書はスタートする。仕事関係、家族、氏の晩年を支えた女性・・・多くの人にインタビューを重ねていくなかで、その謎が解かれていく。巨大企業の経営者といえばスーパーマンで、普通の人間とは全く違うという印象を与えがちであるけど、本書で描かれる小倉昌男氏はとても人間くさく、特に家庭では冴えない親父でしかない。その点もとても好感を覚えた。
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今回の「大宅壮一ノンフィクション賞」を受賞したとのことで試し読みでした。既に小倉昌男氏関連の本は読んでいたので「二番煎じかな」思ったのですが、これはすごいです。まず展開が素晴らしい。グイグイ引き込まれ、あっという間に読了。更に、宅急便を考案し、官公庁とも闘ったと言われる小倉氏なが...
今回の「大宅壮一ノンフィクション賞」を受賞したとのことで試し読みでした。既に小倉昌男氏関連の本は読んでいたので「二番煎じかな」思ったのですが、これはすごいです。まず展開が素晴らしい。グイグイ引き込まれ、あっという間に読了。更に、宅急便を考案し、官公庁とも闘ったと言われる小倉氏ながら、輝ける光から生み出される陰の部分(あまり触れられなかったプライベートな部分)を痛いまでに描いています。ネタバレになるので詳細は省きますが、壮絶な人生だったことがよくわかります。著者もよくここまで取材し、読み込ませる構成をつくったものだと感嘆。文句なしの第一級のドキュメンタリーで、さすがは受賞作品と唸らせます。
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仕事に於ける成功と、家庭での成功は全く別物である事はよく分かっている。会社では駄目社員でも、家では慕われているお父さんというのは存在する。 必ず叶うけれども、どちらか一方しか選べないという選択肢しかない場合、自分はどちらを取るだろうか… 今では鬱や境界性パーソナリティ障害など...
仕事に於ける成功と、家庭での成功は全く別物である事はよく分かっている。会社では駄目社員でも、家では慕われているお父さんというのは存在する。 必ず叶うけれども、どちらか一方しか選べないという選択肢しかない場合、自分はどちらを取るだろうか… 今では鬱や境界性パーソナリティ障害などは、必ずしも精神の病とは限らず、栄養障害による可能性なども挙げられているが、当時医療的、社会的、文化的に色々大変だったと思う。確かに福祉に対する方向性は曖昧だったかもしれないが、何十億という資材を費やして行動を起こされた決断に感動を覚える。生きている間に一度でもお会いしたかったと思わされる方である。 自分にとって「スワンベーカリー」は、初耳でしたが、カミさんは知っていました。さすがです。
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たいへん感動しました。創造性のある名経営者と名高い方ですが、人生について深く考えさせられる書でした。 当たり前なのですが、自分の健康を意識しつつも、家族があって社会と関わりながら、人生を送っているということを深く感じました。 小倉さんは、エキサイティングな人生を送られ、誠実に家族...
たいへん感動しました。創造性のある名経営者と名高い方ですが、人生について深く考えさせられる書でした。 当たり前なのですが、自分の健康を意識しつつも、家族があって社会と関わりながら、人生を送っているということを深く感じました。 小倉さんは、エキサイティングな人生を送られ、誠実に家族や社会へ献身的に貢献されてきたのだな、それが名経営者たる所以なのだなと、思いました。 自分も、この様な想いを持って、これからの人生を送ることができればと思います。
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経営に関するの内容を期待して読み始めたのですが、家族内での苦悩や喜びに関してでした。宅急便を生み出すだけでも大変なのに、プライベートでもいろいろな困難に立ち向かっていたことに驚きました。
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ヤマト運輸、小倉昌男さん。偉大な経営者として尊敬されるの人物像とは重なりつつも、悩めるもうひとつの姿。家族との関係がうまく構築できなかった一人の家庭人、父親としての姿。少しずつ謎をときあかすノンフィクションスタイルで、読み物としても読み応えがある。本当にこれが真実なのだろうかと疑...
ヤマト運輸、小倉昌男さん。偉大な経営者として尊敬されるの人物像とは重なりつつも、悩めるもうひとつの姿。家族との関係がうまく構築できなかった一人の家庭人、父親としての姿。少しずつ謎をときあかすノンフィクションスタイルで、読み物としても読み応えがある。本当にこれが真実なのだろうかと疑いを持つくらい、引き込まれた。 著名な経営人、有名人でなく一般人であっても、家族との軋轢は語りたくないことだろう。そして逆にそれでも偉業を成し遂げた偉大さが記憶に残った。
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