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老嬢物語 の商品レビュー

4.2

11件のお客様レビュー

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2024/01/30

 高楼方子さんについては、薄い絵本や厚い児童書を何作か読んで、好きだなあとは思っていたが、今回この老嬢物語なるエッセイを読んで、わーなんかもう大好きですとしか言いようがない気持ちになってしまった。語彙力がなくなるのは好きの証と思っているが敢えて言葉にすると、型にはまらず取り繕いを...

 高楼方子さんについては、薄い絵本や厚い児童書を何作か読んで、好きだなあとは思っていたが、今回この老嬢物語なるエッセイを読んで、わーなんかもう大好きですとしか言いようがない気持ちになってしまった。語彙力がなくなるのは好きの証と思っているが敢えて言葉にすると、型にはまらず取り繕いをせず感じたままを表現しているような自由な空気をまとっていて、それでいて破天荒とかお騒がせとかいうような、(悪く言えば)暴力的な要素は一切ない、そんなところが好きです。  誤解のないように書いておくと、これは方子さん(慕わしい気持ちを込めて下の名前で呼んじゃった)が自分のことを“老嬢”と読んで自分語りをしたエッセイではない。身の回りや、物語の中や、旅先などで出会った素敵な“おばあさん”たちのことを紹介する本である。老嬢というのは辞書的にはいわゆる“オールド・ミス”、未婚で老いた女性のことを指すが、そもそもこの言葉の定義やそのどこか侮蔑的な和製英語もどういうんでしょうね、という視点も持ちながら、堅苦しいルールは無しにいろんな“高齢の女性”を登場させている。それよりも、老嬢という言葉には、老女や老婆という言葉にはない「凛としたおしゃれ感」や「お転婆でちょっと楽しい感じ」が漂っている気がするのだ、と述べておられ、自身の感覚を信じて言葉を選ぶそんな姿も自由で素敵である。  「忘れえぬお留守番」という章では、石井桃子さんの著書『家と庭と犬とねこ』を読んだ感想として「波長の合う友人や本に出会ったときの喜びを描いた章も、ああ実にこの通り…と目が覚めるようだった」と述べられている。方子さんが一ファンとして語る石井桃子さんへの思いを読むと、私もまた、ああ実にこの通り…と胸の底が熱くなった。    総括はここまでで、以下は備忘メモ。 ・ソラマメばあさん誕生秘話! ・見たい映画、読みたい本の増えたこと。尾崎翠『第七官界彷徨』『アップルパイの午後』、ドリス・レッシング『夕映えの道』、フランク・キャプラ『ポケット一杯の幸福』、ヒッチコック『バルカン超特急』、長谷川町子『いじわるばあさん』。 ・波長の話。 ・トメさん(仮)の思いを推しはかる一節が良かった。 ・あとがきの、おばあさんのイデアなる人のイラストがまた最高。

Posted byブクログ

2022/11/09
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※このレビューにはネタバレを含みます

すてきなおばあちゃんがいっぱい。高楼方子さんの周りにも、本や映画の中にも。面白かったです。 「老嬢」にちゃんとした意味はありますが(独身で子どももいないまま年を取った女性のこと)、言葉の雰囲気でわたしもこの本のおばあちゃんたちみんなに使いたい言葉。 老嬢になる資格は持ってるけど、名実ともに老嬢なれるようたくましく生きていきたいです。

Posted byブクログ

2021/03/14

いろんな「老嬢」こと味のあるおばあさんたちにまつわるエッセイ。たかどのさんの手にかかるとみんなチャーミング。かっとたかどのさん本人もとてもチャーミングなんだろう。文章から伝わってくる。読んでいる時より読んだ後の方がいろんなおばあさんを思い出してにまにましてしまいなんだか楽しかった...

いろんな「老嬢」こと味のあるおばあさんたちにまつわるエッセイ。たかどのさんの手にかかるとみんなチャーミング。かっとたかどのさん本人もとてもチャーミングなんだろう。文章から伝わってくる。読んでいる時より読んだ後の方がいろんなおばあさんを思い出してにまにましてしまいなんだか楽しかった。楽しく生きるおばあさん。そうなれたらいい。

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2019/12/30

読み進めるに連れてどんどん面白くなっていく一冊。 川上弘美の『ゆっくりさよならをとなえる』しかり、作家が好きな本を述べたエッセイは楽しいし、新しい読書への良き案内となる。 幕内弁当の卵焼きのはなし、泥つき大根のトメさんのはなし、いじわるばあさんのはなし、クマとおばあさんのはなし、...

読み進めるに連れてどんどん面白くなっていく一冊。 川上弘美の『ゆっくりさよならをとなえる』しかり、作家が好きな本を述べたエッセイは楽しいし、新しい読書への良き案内となる。 幕内弁当の卵焼きのはなし、泥つき大根のトメさんのはなし、いじわるばあさんのはなし、クマとおばあさんのはなし、思わず引き出しにストックしておいて、自分の話として再話したくなるものばかり。石井桃子さんの逸話もいいですしね。

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2018/06/29

私が敬愛してやまない童話作家、高楼方子さんのエッセイ集。高楼さんがであった「老嬢」(老女ではない)たちを微笑ましく紹介。こう歳をとりたいものだと思う。

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2018/01/06

高楼方子さんのエッセイ 何の気なしに聞きに行った絵本作家の講演が 高楼さんだった。 もう ゆったりとした柔らかいお人柄で とっても楽しかった。 そして 読んだのがこのエッセイ 良い!!  (どんだけステキで面白いおばあさんが高楼さんの周りにいるんだよぉ)と突っ込みたくなる 挿...

高楼方子さんのエッセイ 何の気なしに聞きに行った絵本作家の講演が 高楼さんだった。 もう ゆったりとした柔らかいお人柄で とっても楽しかった。 そして 読んだのがこのエッセイ 良い!!  (どんだけステキで面白いおばあさんが高楼さんの周りにいるんだよぉ)と突っ込みたくなる 挿絵も描く作家さんだけに 描写も楽しくて  電車で吹き出しそうになってしまった 色々な映画や小説も紹介されているので  いろんな場面での老嬢にお会いできることこの上なし ほっこりとしたい方 是非お読みください。

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2017/08/09
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※このレビューにはネタバレを含みます

大好きな高楼方子さんのエッセイ。期待通りのおもしろさでした。 こんなおばあさんばかりだったらさぞかし世の中楽しめますよね~。探せば私の周りにもいるのかな。って今に自分が観察されるばあちゃんになるのかな。おもろいばあちゃんになろう!

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2017/06/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大好きな高楼さんがエッセイをだされたと知ってずっと読みたいなあっと思っていた一冊。 よーやく読めてうれしい。 町中で魔女発見!なちょっとふふふなお話から始まって、 高楼さんが実際に会ったり、見たりした”老嬢”の話から、 物語や映画の中での”老嬢”の話。 すっごいきになるのが「一日だけの淑女」「ポケット一杯の幸福」はい、とってもわくわくする! これは絶対見たい映画、と思った。 友人との話では「ホーコちゃん」って響きなんか 素敵だなあっと。 そーゆー呼び名、なんかいいなあっと。 そしてそして、最も素敵なのが挿絵!! ボールペン絵のような、簡素な線で描かれた、 でも、かわいらしくって、雰囲気があって、 なんかもう、ほんっとーーに素敵なんである。 ポストカードとかにして欲しい。 素敵な物語も紡げるし、こんなかわいらしい画もかけるとは、いやあ、ほんっと才能ってあるとこにはあるのよねえ。

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2020/12/03

こども向けのお話や、絵本も、大人が読んで楽しい高楼方子さん。エッセイストとしても一流です。 今回のテーマは老嬢。おばあさんですね。現実に出会ったおばあさんだけでなく、映画や小説のなかから、出てくる出てくる。 ダフネ・デュ・モーリア原作のサイコホラー「赤い影」ヒッチコックの「バルカ...

こども向けのお話や、絵本も、大人が読んで楽しい高楼方子さん。エッセイストとしても一流です。 今回のテーマは老嬢。おばあさんですね。現実に出会ったおばあさんだけでなく、映画や小説のなかから、出てくる出てくる。 ダフネ・デュ・モーリア原作のサイコホラー「赤い影」ヒッチコックの「バルカン超特急」に出てくるおばあさん。アルバイトしていたとき出会った事件のおばあさん。イタリアで出会った貴族の末裔のおばあさん。子どもの頃に読んだ童話のなかのおばあさん・・・。 そして、高楼さんの祖母のお話。 なぜ、おばあさんなのか。高楼さんの物語のヒミツが明かされたような気がして、嬉しかったです。

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2016/04/27

魅力的な老嬢がたくさん。 もったいないと思いつつ、親しみをこめて方子さんと呼びたくなってしまうくらい、高楼方子さんに親しみを感じる魅力的な本。

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