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異類婚姻譚 の商品レビュー

3.1

241件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    101

  4. 2つ

    35

  5. 1つ

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2016/02/13

専業主婦の私は、ある日、自分の顔が 夫とそっくりになっていることに気付き…。 「夫婦」という形式への違和感を軽妙洒脱に 描いた表題作のほか、自由奔放な想像力で 日常を異化する全4編。 なんだかよくわからない感じだった。

Posted byブクログ

2016/02/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第154回芥川賞受賞作。 はじめに、わたしは本谷作品のファンです。彼女の作品はほぼ読んでます。 これは率直に面白かった。 表題作で、芥川賞受賞作の異類婚姻譚がやはり面白かった。 似てくる夫婦っていますよね。昔は似てなかったのに、パーツパーツは全然違うのに、全体の空気感がとても似ていてそっくりな夫婦。周りにもいます。 子なし、仕事もなし。バツイチの旦那と結婚して四年になる専業主婦はある日自分が夫そっくりになっていることに気づく。そらからの奇妙な話、ところどころのスパイス――例えば映画を撮るのが夢である弟の彼女の「うちではいつもお腹膨れさせるために、キャベツ、食べさせられてるんですよ。おかずすくなくなっちゃうからね、キャベツで私がかさ増ししておくんです。だから私、センタってキャベツの映画撮ればいいのにって思うんですよねぇ」 とか、すごい皮肉で笑ってしまった。キャベツの映画って! ネタバレになるけども ラストの、妻そっくりの姿になった夫に、あなたは好きなものになりなさいと言い放ち、なったものが山芍薬なことがまた、ぞわーってなりました。 毎日4年間顔を合わせている家族の顔、わたしはきちんとした容姿を思い浮かべることができるのかしら。そして毎日顔を合わせている家族のなりたいものや欲しいものをわたしはきちんと知っているのかしら。や、知らないな。 そしてその1年後の山芍薬、そして隣に咲いていた紫色の竜胆のそっくりさがまた不気味で。。。 わたしはぶっ飛んでる作品を描く本谷さんのファンですが、これは面白かったな。文学的なんだけど相変わらず発想がぶっ飛んでるもの。 その他の収録されている短編で藁の夫は他のアンソロジーで読了済でした。どれも奇妙な話でわたしは好きです。

Posted byブクログ

2016/02/12

短編集。表題のみ読みました。 結婚4年目、妻は夫と顔がそっくりになっていると感じ驚愕します。 自分の夫だから守ろうとも思えるし相手の気持ちを汲もうと妻は努力はします。しかし“本当のところ”何を考えているか知るのは本人ばかり。長く一緒に暮らす中で、互いに見て見ぬふりをする部分もあ...

短編集。表題のみ読みました。 結婚4年目、妻は夫と顔がそっくりになっていると感じ驚愕します。 自分の夫だから守ろうとも思えるし相手の気持ちを汲もうと妻は努力はします。しかし“本当のところ”何を考えているか知るのは本人ばかり。長く一緒に暮らす中で、互いに見て見ぬふりをする部分もあります。触れまいとかぶせていたはずの蓋。それが突然外される、あるいは開けざるを得なくなった瞬間の恐怖。 そこはかとなくホラーな雰囲気をまといながら、とある夫婦の在り方を毒気たっぷりにあぶり出した作品です。 しかしこのラストはちょっと理解が難しい。ガッと首根っこを掴まれてポイッと捨てられる。それくらい置いてけぼりを食らった気分です。著者の作品らしいと言えばらしいのだけれど。 興味深いテーマで途中まで面白く読めていた分この最後をどう解釈すれば良いか悩みどころですが、何となく勿体ないなぁという印象。噛み砕くには少し時間がかかりそう。 ~memo~ 異類婚姻譚: 人間と違った種類の存在と人間とが結婚する説話の総称(wikipediaより)

Posted byブクログ

2016/02/09

「異類婚姻譚」 相手の向こうに透けて見える自分と対峙してるのだと思った。 「犬たち」 静かに雪が降り積もる情景が浮かぶ、綺麗なお話。だけど不穏。

Posted byブクログ

2016/02/08

日本経済新聞社 小サイズに変更 中サイズに変更 大サイズに変更 印刷 芥川賞に滝口、本谷氏 第154回、直木賞は67歳 青山氏 2016/1/20付日本経済新聞 朝刊  第154回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日、東京・築地の新喜楽で開か...

日本経済新聞社 小サイズに変更 中サイズに変更 大サイズに変更 印刷 芥川賞に滝口、本谷氏 第154回、直木賞は67歳 青山氏 2016/1/20付日本経済新聞 朝刊  第154回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞は滝口悠生氏(33)の「死んでいない者」(文学界12月号)と本谷有希子氏(36)の「異類婚姻譚(たん)」(群像11月号)に、直木賞は青山文平氏(67)の「つまをめとらば」(文芸春秋刊)に決まった。 記念写真に納まる(右から)芥川賞に決まった滝口氏と本谷氏、直木賞の青山氏(19日、東京都千代田区) 記念写真に納まる(右から)芥川賞に決まった滝口氏と本谷氏、直木賞の青山氏(19日、東京都千代田区)  2月下旬に都内で贈呈式が開かれ、受賞者には正賞の時計と副賞100万円が贈られる。  滝口氏は東京都生まれ。2015年「愛と人生」で野間文芸新人賞を受賞。「死んでいない者」は通夜に集まる親戚間の会話が視点を変えながら展開する。芥川賞選考委員の奥泉光氏は「人物像がくっきりと描かれ、独特の語りの世界を高く評価した」。記者会見で滝口氏は「小説はどういう風にも語れるもの。語りの融通無碍(むげ)な力を信じて書いた」と話した。  本谷氏は石川県生まれ。劇作家として鶴屋南北戯曲賞、岸田国士戯曲賞を受賞。14年、小説「自分を好きになる方法」で三島由紀夫賞を受けた。  「異類婚姻譚」は軽妙で毒気のあるユーモアを交え、夫婦の不思議さをファンタジー風につづる。奥泉氏は「説話の構造を現代小説のなかに生かし、夫婦の不気味な関係を巧みに描いた」と評価。会見で本谷氏は「書き続けることは作家にとって大切な資質。それが自分にあるかこれから試される」と述べた。  青山氏は横浜市出身。11年、時代小説「白樫の樹の下で」で松本清張賞を受けた。「つまをめとらば」は江戸時代の武家の男たちを主人公にした短編集。自立した道を歩む女たちの姿を通して、男たちの惑いや弱さに光を当て、直木賞選考委員の宮城谷昌光氏は「知的でユーモア、爽快感がある」と評した。  直木賞史上2番目の高齢での受賞となる青山氏は「年齢は関係ない。書いていくかぎり、もっとよい作品を書いていきたい」と力を込めた。 このページを閉じる NIKKEI Copyright © 2016 Nikkei Inc. All rights reserved. 本サービスに関する知的財産権その他一切の権利は、日本経済新聞社またはその情報提供者に帰属します。また、本サービスに掲載の記事・写真等の無断複製・転載を禁じます。

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2016/02/08

第154回(2015L)芥川賞 中編・異類婚姻譚(受賞作) 他 ・<犬たち> ・トモ子のバウムクーヘン ・藁の夫 何か違う。

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2016/02/07

芥川賞受賞作。日常の中で気づかないうちに潜んでいる、作られている毒。読み進めていくうちにホラーではないのにぞくぞく怖さを感じる作品。 他の著者の作品も気になる。

Posted byブクログ

2016/02/03

芥川賞受賞作ということで読んでみた。 最初は、特に進展がわからず面白さを感じなかった。 しかし、後半はどんどん話が進展して行った。 少し怖さを感じた。

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2016/01/27

三冠達成おめでとうございます。 凶暴さがなくなった、と言われたそうですが、 確かに芥川賞候補になっていた過去の作品にあったような「最後に大暴れ」の展開はなく、 終わりがない日常の一部が、静かに切り取られてあった。 むしろ川上弘美とか多和田葉子のような妖しさ、艶めかしさがあって...

三冠達成おめでとうございます。 凶暴さがなくなった、と言われたそうですが、 確かに芥川賞候補になっていた過去の作品にあったような「最後に大暴れ」の展開はなく、 終わりがない日常の一部が、静かに切り取られてあった。 むしろ川上弘美とか多和田葉子のような妖しさ、艶めかしさがあって、 あんなにムチャクチャだったあの娘たちもなんとか生きていく方法を見つけたんだな、と、 昔読んだ小説の主人公たちに、勝手にシンパシーを感じたりした。 変わったのは「凶暴さ」だけではなくて、 フラストレーションをただぶつけるだけだった彼女たちが、 「聞き役」に回っていることもそうだろう。 昔の彼女たちの側にはいつも家族や恋人がいて、 生温かい目で見つめるその人たちに、なんだかんだ救われてきた。 今度は彼女たちが、誰かを救う番なのだろう。

Posted byブクログ

2016/01/23

群青11月号にて。 結婚してた時、何気ない仕草や口振りや考え方が、あ、今旦那と同じようだったなとふと感じた時、めちゃめちゃ怖かったのを覚えてる。その感覚を思いっきりブラックにめちゃめちゃニヒルにちょっと山椒を振り掛けた感じ。 私は自分が曖昧なのをしってて、だから他人にすぐ染まる...

群青11月号にて。 結婚してた時、何気ない仕草や口振りや考え方が、あ、今旦那と同じようだったなとふと感じた時、めちゃめちゃ怖かったのを覚えてる。その感覚を思いっきりブラックにめちゃめちゃニヒルにちょっと山椒を振り掛けた感じ。 私は自分が曖昧なのをしってて、だから他人にすぐ染まる事もわかってて、でもそれを怖いと感じる。いっそあなた色に染まりたいと歓喜出来たらいいのに。 無理だった。 でもきっと染まらない結婚も私は出来ない。 だから無理。 つまり再婚無理。 やだ残念。

Posted byブクログ