ことり の商品レビュー
小鳥が好きな身としては悲しい描写も少しあったけど、人間とことりの繋がりを感じられるお話で、おもしろかった。
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小父さんはとても優しい人だ。お兄さんにも小鳥たちにも。2人の生活はきっと幸せだったのだろうけど、なぜか少しだけ寂しさを感じてしまう。小父さんの人生にはお兄さんの存在が大きすぎる。母親に兄の事を託された責任感なのか。切ない。メジロを空に帰した時小父さんも自由になれたのかもしれない。
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小父さんの世界は、静かで哀愁漂う、でも陽だまりのように暖かな世界で、そして美しい。 心が温まって優しい気持ちになる、穏やかな栄養剤のような物語だ。
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波風があるような、ないような、淡々としてるような、濃密なような話。絵面にしたら、動きがなく、セリフがなく、内面がわからずに気付けない話かもしれない。色んな人生があるんだなと。
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「ことり」という優しい響き、 かわいらしい表紙。 そこからくる想像に反して、 切なくて寂しくて心が痛くなりました。 人を見た目や世間の当たり前で評価し、異質なものは排除しようとする‥ 私には世間の冷たさを思い知らされる悲しいお話でした。
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《ことりの小父さん》の孤独な人生をたどっているようで、そのもっと奥深くにある、薄氷のように壊れそうな静けさや、小さな世界を慈しむ心を感じた。 寂しいのに決して絶望感はなく、心地よい。様々な寂しさを、小鳥とともにゆっくりと受け入れていく。その様子を傍らで見守っているような物語だった...
《ことりの小父さん》の孤独な人生をたどっているようで、そのもっと奥深くにある、薄氷のように壊れそうな静けさや、小さな世界を慈しむ心を感じた。 寂しいのに決して絶望感はなく、心地よい。様々な寂しさを、小鳥とともにゆっくりと受け入れていく。その様子を傍らで見守っているような物語だった。 さみしさも物悲しさもあるのに、溢れ出してくる春の日差しのような希望も感じた。素敵な一冊だ。
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ひたすら一定のテンションで進む話。静かだったなぁ。お父さんも限界で海に入ったんだろうな。あまりにも2人の世界で完結しているから、きつかったのかな。小鳥のブローチ、壊れた小屋、縁側、保育園の鳥小屋、全て簡単に想像できた。きっと丁寧に情景が描かれているからだろうな。
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ことりのおじさんが飾らなくて気取らなくて不器用で それが故に誤解されてしまうことがあるけど でも変わらずことりのおじさんはことりのおじさんで。 ことりのおじさんをまっすぐに見てくれる人も いないことはないけれどそれでもやっぱり孤独で。 近づいたとおもったら離れていってしまったり ...
ことりのおじさんが飾らなくて気取らなくて不器用で それが故に誤解されてしまうことがあるけど でも変わらずことりのおじさんはことりのおじさんで。 ことりのおじさんをまっすぐに見てくれる人も いないことはないけれどそれでもやっぱり孤独で。 近づいたとおもったら離れていってしまったり 近づけたとおもったらもうその人がいなかったり。 自分は飾ったり気取ったりもしながら生きているけど 一見珍獣のような人に惹かれてしまい保護したくなる性質があり でもその人も紐解いていくとちゃんと持論があって こだわりはそれに基づいたものであって 聞いていればそんなに不可解なこともなく そういう考え方もあるのかーと勉強になり。 不思議だったことの真相を知ることで心がほっこりしたりして。 珍獣と思った人からしても私もだいぶ変な人と思われていたりして。 なのでなんだかただほっこりする本ではないです。 辛いしかなしい。 好きなのに。 手放しにわーい、この著者すきー! と読むことができるわけじゃない。 この人の作る小説はいつもこうなの? これが2作目だけど妙に気になってしまう。
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小川洋子さんの作品は切ない。 二人だけの静かな世界。でも人と関わらないと生きていけない。少しだけ広がって、また小さくなっていく小父さんの世界。 静かに見守ってくれる人もいれば、誤解する人。 まるで哲学書のような本でした。
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小川洋子さんは、本当に表現力がずば抜けている。小説家の文章はかくありき、といったような、凡人には思い付かない文章は、心を穏やかにしてくれる。一人のおじさんの、回りから見れば取り立ててドラマはない人生の話だけど、とても面白かった。
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