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働く女子の運命 の商品レビュー

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29件のお客様レビュー

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2024/01/24

出版社(文芸春秋Books)ページ https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166610624 内容・詳細目次・濱口桂一郎×上野千鶴子対談(前編・後編)

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2023/07/22

戦前、工場監督官の女性が一人。日本でただ一人。今の感覚なら、すごい話だなと思うが、製造業を見回すと、工場で職場長をしている女性は、今だって珍しい。あまり、変わっていない。 この日本初の婦人工事監督官補、谷野せつ。日本女子大学卒。一等国から女の役人がいないと指摘された際に、谷野さ...

戦前、工場監督官の女性が一人。日本でただ一人。今の感覚なら、すごい話だなと思うが、製造業を見回すと、工場で職場長をしている女性は、今だって珍しい。あまり、変わっていない。 この日本初の婦人工事監督官補、谷野せつ。日本女子大学卒。一等国から女の役人がいないと指摘された際に、谷野さんを一枚看板にして体裁を繕っていたのだという。体裁のための女性。これも、今と意識があまり変わらない。 労働者の賃金は、生活するに十分なだけ、与えておけば良い。そこには妻と子供を養う分は含める。労働力は、使い捨て。成功した起業家のみが人間であるかのような価値観。今も変わらない。これを変えるには、起業するか、副業や転職により、雇用者側と対等にネゴができる環境が必要だ。転職に関し、少しずつ社会が変わり始めているが、これは女性の働きやすさにも繋がる。 生活に必要なだけの賃金という目線だから、総合職ダブルインカムに対し、妻が子育てしながら夫一人で稼ぐ家庭との格差意識が生まれている。転勤なしのダブルインカムの方が良い、となり、転勤制度もいずれ瓦解していく事だろう。 一族経営の創業家が地方政治家と結託し己を肥やすための制度は、代替可能な労働力という構図と共に終わりにしなければならない。女性に替える、移民に替える、AIに替える。労働者の発言権を削ぎ落としたい経営側のこれら企みに対し、誰の足が速く、誰が先にゴールするか。ゴールまでの時間の限りが、労働環境改善の猶予だ。 経営は人材確保に苦しみながら就労条件を改善するから、これら代替手段には頑張るなと内心思いながら、表面的には頑張るフリ。面従腹背、利益相反な社員が目に浮かぶ。資本主義の悲劇は緩やかに修正されるが、労働者の発言権と女性の就労改善が一面ではトレードオフ。経営者に有利なテーマ優先という問題は隠されたままである。

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2021/10/08

去年読もうとして数ヶ月かけたけど、途中で挫折。女子がそもそも不利なことはよーく分かったが育休共働き世代への答えは出なかった。

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2021/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

変にフェミニズムに偏ることなく、働く女子(女性労働者)の歴史的変遷についてわかりやすくまとまっている。昔から、女性労働者は都合の良い存在として扱われてきたんだなぁ。

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2020/08/25

日本の雇用システムの歴史的流れとその中の女性労働者の立ち位置が整理されていてとても読みやすくわかりやすかった。 ワークライフバランスには、労働時間を規定する第一段階と柔軟性をもたせる第二段階があり、日本は第二段階については他国と遜色ないくらい充実してるのに第一段階が空洞化(時間...

日本の雇用システムの歴史的流れとその中の女性労働者の立ち位置が整理されていてとても読みやすくわかりやすかった。 ワークライフバランスには、労働時間を規定する第一段階と柔軟性をもたせる第二段階があり、日本は第二段階については他国と遜色ないくらい充実してるのに第一段階が空洞化(時間無制限な労働義務)しているから、育児や家事で時間が制限されることが決定的なデメリットとなり、結果育休世代がジレンマに投げ込まれるとの説明は納得感あり。 国民は勤労することで国家に奉仕し、国家は家族含めて勤労者を守るという立て付けが、現在も企業と社員の関係性の中で生きている。 日本がメンバーシップ型からジョブ型に移行するのはまだ相当ステップが必要になるのだろう。

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2019/12/28

性別による差別以前に、日本では法律で労働時間の上限が定められてないことを知って驚いた。てっきり、週40時間と決められてると思っていたけれど、筆者の言う通り、それ以上は残業になる、と線引きする区切りのことで、それ以上働けない、という時間ではない。 女性がまともに働ける状況になるに...

性別による差別以前に、日本では法律で労働時間の上限が定められてないことを知って驚いた。てっきり、週40時間と決められてると思っていたけれど、筆者の言う通り、それ以上は残業になる、と線引きする区切りのことで、それ以上働けない、という時間ではない。 女性がまともに働ける状況になるには、まず、そもそもの仕事に対する考え方が今とは別のものにならなきゃいけない。 職務を遂行する技能のある労働者として、欧米の会社で働いてみたいと思った。

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2019/06/05

働く女子の運命 濱口桂一郎 文春新書 女性活躍推進法と言う 愚かな管理法が作られた 自主的な選択を無視した 見かけ上だけの女の地位を 上げる行政指導 こんな無駄して嘘に苦しみ 格差社会に逃げ込まなくても 無条件のベーシックインカムで 有り余った余剰生産物を再分配すれば 全...

働く女子の運命 濱口桂一郎 文春新書 女性活躍推進法と言う 愚かな管理法が作られた 自主的な選択を無視した 見かけ上だけの女の地位を 上げる行政指導 こんな無駄して嘘に苦しみ 格差社会に逃げ込まなくても 無条件のベーシックインカムで 有り余った余剰生産物を再分配すれば 全ての生命に行き渡り 対等な関係の中で それぞれの創造を膨らませる 冒険に集中できる

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2019/01/20

濱口氏の本としてはしゅこうを変えたタイトルだったが、内容は他の著書と同じくきっちりしている。1億総活躍の捉え方を少し変えた方が良いのかも。

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2018/11/03

著者の新しい労働社会を読んだ際も思ったが、現在問題となっている様々な労働関係の問題を考えるに際して、メンバーシップ型雇用システムという概念は、補助線として抜群の切れ味を有している。本書は、その概念をもとに、働く女子について考察が加えられている。ただ、メンバーシップ型雇用システムと...

著者の新しい労働社会を読んだ際も思ったが、現在問題となっている様々な労働関係の問題を考えるに際して、メンバーシップ型雇用システムという概念は、補助線として抜群の切れ味を有している。本書は、その概念をもとに、働く女子について考察が加えられている。ただ、メンバーシップ型雇用システムという観点から考えると、女性労働の問題は、必ずしも女性労働に原因があるのではなく、雇用システムの問題が女性にしわ寄せされているということがよくわかる。これは、東京医大の入試不正操作の際に起こった議論でも感じたことと相似形であった。さて、切れ味鋭い女性労働問題の解説の後、では果たして、どのような道を今後女性の労働は、また、日本の労働社会は、進んでいくべきなのか、そこに至って初めて、この問題は解きほぐしがたい、錯綜したものであると気づかされたのだった。

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2018/11/02

女性労働問題の本質は総合職正社員の実質残業無制限と転勤無制限制にあるということ。 だからこれに対応しにくくなる子持ち女性は疎外される。 女性の権利保護よりも労働時間規制が大事 組合が派遣社員の権利保護に消極的なように歴史的には女性労働者の権利保護にも消極的だったということも知り...

女性労働問題の本質は総合職正社員の実質残業無制限と転勤無制限制にあるということ。 だからこれに対応しにくくなる子持ち女性は疎外される。 女性の権利保護よりも労働時間規制が大事 組合が派遣社員の権利保護に消極的なように歴史的には女性労働者の権利保護にも消極的だったということも知りえた。 雇用問題の議論にも流行り廃りがあり、自分がどのような制度的文脈のもとで仕事をしてきたのか改めて認識できた。女子社員に対する自分の考え方もこの文脈の影響を無自覚的に受けてきたのだということに気付けたのも良かった。(人は皆、過去の理論の奴隷) 関連法案の紹介。過去の判例など無味乾燥にならぬように引用されていて参考になる

Posted byブクログ