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望郷 の商品レビュー

3.5

303件のお客様レビュー

  1. 5つ

    23

  2. 4つ

    121

  3. 3つ

    111

  4. 2つ

    24

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2024/02/04

田舎の持つ閉塞感を実体験として感じたことがないからすべて想像の範疇になるけど、自分には耐えられないだろうなあとぼんやり思う。思えば高校も大学も就職先も、名門大学の新卒カードを捨てることさえ自由に自分だけで決め切ったけれど、これってとても恵まれたことだったのかもしれないし、だからこ...

田舎の持つ閉塞感を実体験として感じたことがないからすべて想像の範疇になるけど、自分には耐えられないだろうなあとぼんやり思う。思えば高校も大学も就職先も、名門大学の新卒カードを捨てることさえ自由に自分だけで決め切ったけれど、これってとても恵まれたことだったのかもしれないし、だからこそ後悔と言えるような後悔が人生においてないのかもしれない。

Posted byブクログ

2024/02/03

同じ島で生活する家庭の1人1人にスポットを、あて、えっそういうことと思うようなストーリーや、しみじみ心に響くストーリーまで、心に重石がのるような読後感でした。

Posted byブクログ

2024/02/02

“嫌な気持ちにもなるが、泣けることもある” そんな一冊。 「性格の悪い、不快な人たち」が登場するのだが、 それに対して、主人公は「実に性格の良い人たち」。 その対比が、なんとも涙ぐましい。 「貧乏」「いじめ」といった不幸は、涙をさそう。 これはいつの世も変わらない。 “嫌...

“嫌な気持ちにもなるが、泣けることもある” そんな一冊。 「性格の悪い、不快な人たち」が登場するのだが、 それに対して、主人公は「実に性格の良い人たち」。 その対比が、なんとも涙ぐましい。 「貧乏」「いじめ」といった不幸は、涙をさそう。 これはいつの世も変わらない。 “嫌な気持ちにもなるが、泣けることもある”のは、 「貧乏」「いじめ」といった不幸を描いているから、といえる。 * 「石の十字架」の章に、とても印象的だったセリフがある。 “ 「言葉は知らないうちにナイフになる、ってことはわかってるのに、どの言葉がナイフになって、どの言葉がならないか、区別することはできなかったから。これは大人になった今でもできない」” 昨今のSNSにおいて、これは非常に突き刺さる言葉ではないだろうか。 結局、“わからない”のである。 どの言葉がよくて、どの言葉がいけないのか、 どの言葉が人を傷つけて、どの言葉なら人を傷つけないのか。 “わからない”。 これが結論なのではないか。 私もいまだにわからない。 * 最後に、ちょっと思ったこと。 文庫本の最後に、光原百合氏による解説がある。 その解説の中で、 “『望郷』の舞台となっている白綱島は、作者である湊かなえさんの故郷である因島をモデルにしている” と書かれている。 これを読み、そのことを全く知らなかった私は、「え!そうなんだ!」と驚いた。 これを知っているのと、知らないのとでは、作品の読み方や受け取り方が変わってこないだろうか。 例えば、「どうりで島の情景描写がうまいんだな」とか、 「島に住む人、島から出た人、それぞれの思いが交錯するのだが、これがやけにリアルに感じられるのは、著者が島出身だからこそ…」とか、 「生まれ故郷を舞台にしているのだから、これは著者にとって思い入れのある作品なのではないか」とか。 “作者の故郷をモデルにしている”という情報があるかないかで、本書の印象がずいぶん変わる(「作品は『作品のみ』で評価されなければならない」という考えの人にとっては、このような読み方は不純に思われるかもしれないが)。 ところで。 電子書籍版だと、おそらく、この解説がないのではないか? (というのも、電子書籍版になると、解説がカットされている小説が多いから。本作の電子書籍版を読んでいないので実際のところはわからないが) 以前から、紙の本と電子書籍の違いとして、【解説があるかないか】はとても大きな違いであると思っていたけど、本書でもそのことを痛感した。

Posted byブクログ

2024/01/06

久しぶりに湊かなえさんの作品を読んだ。 短編だから読み始めやすいため、最近読書に対してのハードルが上がっていた自分にとってはかなり捗った。 正直凄く引き込まれるような面白さは無かった。成長するにつれて色々なことを知り、荒波が立たないような生き方を知って行く。そういった誰にも非難を...

久しぶりに湊かなえさんの作品を読んだ。 短編だから読み始めやすいため、最近読書に対してのハードルが上がっていた自分にとってはかなり捗った。 正直凄く引き込まれるような面白さは無かった。成長するにつれて色々なことを知り、荒波が立たないような生き方を知って行く。そういった誰にも非難をされない安牌な生き方をしていくのか、自分の中で正しいと思っている行動を信じて、突き通し、他人の評価を気にせずに貫き通し生きていくのかについて少し考えさせられた。私は後者の生き方をしていきたいと思った。その方が圧倒的にかっこいい。しかし、今の自分は前者だなと思う。「こう反応すれば、こういう行動を選択すれば、その場は上手く切り抜けられる。自分は面倒くさいことに巻き込まれずに生きていける。」このような思考で生きている。 その方が社会では生きやすいし、自分を守りながら航海を進むことができる。けど、何でいうんやろ自分の芯の部分で生きていけるような人間になっていきたいなと思った。

Posted byブクログ

2023/12/30

どの短編も読みやすく、面白かったです。 しっかりと構成が練られていて、冒頭から終盤に至るまでの逆転が素晴らしいと思いました。

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2023/12/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編集と知らずに、作家買いした作品でした。 短編で読みやすかったです。 個人的には最後の物語の光の航路のいじめに対する主人公の思いがすごく納得させられる言葉で綴ってあり、印象的でした。 大人だと犯罪なのにいじめという平仮名3文字の重みのない言葉で誤魔化される。いじめでは、意地悪の延長くらいにしか受け止めることができないのではないか。

Posted byブクログ

2023/11/16

解説にもありましたが、普通の小説のように読み進めていってラストでミステリーへ。 この展開、後味良いですね。スッキリします。 親と子の思いに胸が熱くなるシーンが多かったです。 父親としての感情と息子としての感情

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2023/11/27

今まであまり本を読んでこなかったので、初の湊かなえさんの作品。多分。短編集だからか、思っていたよりも読みやすかった。ひとつだけ読みにくい(読んでて辛くなった)と感じ、完読できない作品がありました。もう少し心身ともに成長してから、再び読んでみようと思います。

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2023/10/12

“白綱島”を舞台に、全6編の短編集。 どのお話も重くのしかかってくるストーリーで 特に「雲の糸」は吐きそうになるくらい心が荒んだ けど、どのお話も終盤にかけて晴れた気持ちに させてくれるので安心して読み終えました。 島暮らしはしたことないけど、 やっぱりイメージで閉塞感は感じてし...

“白綱島”を舞台に、全6編の短編集。 どのお話も重くのしかかってくるストーリーで 特に「雲の糸」は吐きそうになるくらい心が荒んだ けど、どのお話も終盤にかけて晴れた気持ちに させてくれるので安心して読み終えました。 島暮らしはしたことないけど、 やっぱりイメージで閉塞感は感じてしまうな…。

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2023/09/16

湊さんの作品はどれも面白くて大好きな作家さんです。日本推理作家協会賞受賞作品が収録されているということで、興味は持っていたんですが、ようやく読めました。 舞台は瀬戸内海にある白綱島。この島に住んでいる人、出て行った人、移り住んだ人達を主人公とした6作品で構成されています。 島...

湊さんの作品はどれも面白くて大好きな作家さんです。日本推理作家協会賞受賞作品が収録されているということで、興味は持っていたんですが、ようやく読めました。 舞台は瀬戸内海にある白綱島。この島に住んでいる人、出て行った人、移り住んだ人達を主人公とした6作品で構成されています。 島という閉鎖的な空間で独特のしきたり・伝統に振り回される主人公達。6作品どれも暗く重い気持ちになる作品ですが、終盤にかけて、物語が逆転し、最後は晴れやかな気持ちになれます。 やっぱり湊さんの作品は面白いですね。過去の作品を読み返したくなりました。

Posted byブクログ