望郷 の商品レビュー
短編集でした。 どの話も、小さい島での出来事が過去と現在を繋ぐ形で描かれており、閉塞感が伝わってくる話でした。
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白綱島という島を舞台にした短編集。 故郷から離れて暮らす人も、故郷で暮らし続けている人も。 ふるさととは、その場所のことではなく、その土地で心を寄せる人のことなんだと思っています。 でも、その土地の風土というのはどうしようもなくあって、それに苦しむ人もたくさんいる。 最後の教師...
白綱島という島を舞台にした短編集。 故郷から離れて暮らす人も、故郷で暮らし続けている人も。 ふるさととは、その場所のことではなく、その土地で心を寄せる人のことなんだと思っています。 でも、その土地の風土というのはどうしようもなくあって、それに苦しむ人もたくさんいる。 最後の教師の話は、とても感動した。 浸水式で島民たちに「がんばれよ!行ってこい!」と応援される新しい船。その後、その船が普段海にいるところに遭遇しても、その船に励ましのエールを送る人はいない。 人間も同じだ。母のお腹の中で待ち望まれて、生まれた時は皆に祝福される。そのようにして生まれてきたこと、祝福されたことや、愛に包まれて生まれてきたことを、知ってほしい。船が進む道を常に示し続けたり、並走し続けることはできなくても。 彼は、この言葉をうまく生徒に伝えることができるのだろうか。伝わってほしいと思った。 こんな素敵な言葉を生徒に伝えることができる思いやりのあるお父さんが、なぜ息子のことは理由も聞かずに殴ったのか…。我が子がその生徒を苦しめている加害生徒とかぶってしまったのだろうか。 私は、どんな理由でも大人が子供に暴力をもって対応することは許せない。この素晴らしい言葉を、我が子にも直接伝えてあげられていたら良かったのに。
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故郷って懐かしいだけじゃない。どこにも行けない重苦しさとともに思い出すものもある。あまりにそれがリアルすぎて苦しくなった
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湊かなえさんの短編集で 〇みかんの花 〇海の星 〇夢の国 〇雲の糸 〇石の十字架 〇光の航路 全6作品で出来ています。 全ての作品に共通するのは白綱島という舞台です。 この白綱島、調べてみたのですが実在しない架空の島みたいです。 ただこの白綱島、モデルとなる島があるみたいで広島の...
湊かなえさんの短編集で 〇みかんの花 〇海の星 〇夢の国 〇雲の糸 〇石の十字架 〇光の航路 全6作品で出来ています。 全ての作品に共通するのは白綱島という舞台です。 この白綱島、調べてみたのですが実在しない架空の島みたいです。 ただこの白綱島、モデルとなる島があるみたいで広島の因島とのこと。 どれほどの規模の孤島か私のはわかりませんが、内地とは橋を通して地続きとはいうものの、色濃くその島が持つ常識や価値観などがあり、内地への憧れや内地への妬み、内地人の価値観と島民の価値観の違いなどを上手く表現してるような気がしました。 私も大きな括りで言えば離島民なので(笑)
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島に暮らす閉塞感を感じる作品集だった 田舎はあったかい面もあるが同様に冷たい面もある 雲の糸は特に読んでいて苦しくなった
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イヤミスという造語を作った作家さんなだけあって、嫌な人物像を絶妙な描写で書いていて…小さい島の人間関係で、悩まされてる登場人物達が出てきて、いじめに関する内容が読んでいて辛かった。 ミステリー要素が強めの「みかんの花」が一番湊かなえさんらしい話だったなと思います。 読みやすい話で...
イヤミスという造語を作った作家さんなだけあって、嫌な人物像を絶妙な描写で書いていて…小さい島の人間関係で、悩まされてる登場人物達が出てきて、いじめに関する内容が読んでいて辛かった。 ミステリー要素が強めの「みかんの花」が一番湊かなえさんらしい話だったなと思います。 読みやすい話ではあったけど、リピートしたいものではないかな。
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2024/03/08 読了 白綱島を舞台にした短編集 島に残る人、出る人、戻る人。 田舎ならではの閉塞感が島となると更に重く感じるのかもしれない。 島の外からと中からでの見え方の違い 捨てたいものと守りたいもの どの作品も真実は何であれ、そこに確かに愛がある。 そう思える話ば...
2024/03/08 読了 白綱島を舞台にした短編集 島に残る人、出る人、戻る人。 田舎ならではの閉塞感が島となると更に重く感じるのかもしれない。 島の外からと中からでの見え方の違い 捨てたいものと守りたいもの どの作品も真実は何であれ、そこに確かに愛がある。 そう思える話ばかりだった。
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湊かなえさんの未読の作品を読みたいと思い手に取った。 白綱島を舞台とした短編集。 私は島で暮らしたことはないけれど、全体的に島特有の閉塞感、生きづらさがよく現れているなと感じた。 物語としては「海の星」「光の航路」が好きだった。 「石の十字架」は心に残る言葉が多かった。 ✎︎_...
湊かなえさんの未読の作品を読みたいと思い手に取った。 白綱島を舞台とした短編集。 私は島で暮らしたことはないけれど、全体的に島特有の閉塞感、生きづらさがよく現れているなと感じた。 物語としては「海の星」「光の航路」が好きだった。 「石の十字架」は心に残る言葉が多かった。 ✎︎____________ 夢の国に外界とつながる道具はいらない。 言葉は知らないうちにナイフになる、ってことはわかってるのに、どの言葉がナイフになって、どの言葉がならないか、区別することはできなかったから。これは大人になった今でもできない どっちかが正しければ、どっちかが間違っているわけじゃないと思う。 思いを込めてはなった言葉が、受け取る人の気持ちで、ナイフになったり、ならなかったりするのなら、何にも言わないのが一番いいってこと? 長い航海を助けてやることはできないけれど、嵐や孤独に耐えられなくなったときには、祝福されて送りだされたことを思い出してほしい。
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世の中には真実を知らないほうがいいことがあるとしみじみ思った。 そして田舎のいい面だけでなく、生きづらい悪い面も書かれており興味深かった。 短編なのでサクサク読めてよい。
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気を悪くし腹が立ったり、目に涙を浮かべたりと短編とは思えないほど感情が忙しかったです。 -海の星-の描写が特に美しく、頭に思い浮かべた風景は何かの拍子にすぐ思い出しそうなくらい、ずっと覚えている気がします。
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