1,800円以上の注文で送料無料

消滅世界 の商品レビュー

3.4

187件のお客様レビュー

  1. 5つ

    21

  2. 4つ

    51

  3. 3つ

    67

  4. 2つ

    19

  5. 1つ

    7

レビューを投稿

2023/10/27

男性の出産ができるようになる『殺人出産』のある意味前日譚…なんだろうか…。 しかし、それが刑罰ではなくて、むしろ奨励されている世界線なんだから、さらにもっともっと怖いお話な気がする……。 どうしてこんなにも村田沙耶香作品の人間からは”愛情”を感じないのだろう…歪んだ自己愛でも、他...

男性の出産ができるようになる『殺人出産』のある意味前日譚…なんだろうか…。 しかし、それが刑罰ではなくて、むしろ奨励されている世界線なんだから、さらにもっともっと怖いお話な気がする……。 どうしてこんなにも村田沙耶香作品の人間からは”愛情”を感じないのだろう…歪んだ自己愛でも、他者への身勝手な愛情でも、なぜだか途中で感情が死に絶えてしまうように思う……。 それがある意味、人間という種族としての世界の”消滅”なのかもしれない。

Posted byブクログ

2023/10/08

村田沙耶香さんの著書3冊目読破です。 みんな誰しも妄想というか、違う設定の世界の想像はしたことがあると思いますが、この方の作品はそんな想像でしか存在しないような世界を確実に言語化し、その上描写も細かく、設定はファンタジーのようなのに気味悪いほどの現実味が癖になります。 今作は特に...

村田沙耶香さんの著書3冊目読破です。 みんな誰しも妄想というか、違う設定の世界の想像はしたことがあると思いますが、この方の作品はそんな想像でしか存在しないような世界を確実に言語化し、その上描写も細かく、設定はファンタジーのようなのに気味悪いほどの現実味が癖になります。 今作は特に、刺激的な描写が多く、まだ読破三冊目ではありますが、今まで読んだ2冊との刺激の違いに驚きました。 「人間が化学の力で繁殖する唯一の生物」となってしまった世界線での物語。「セックス」という概念が消えゆく世の中で、主人公は世界最後のアダムとイブになってしまうのか...。 物語の中では、歴史の中で起り、今もこれから起きていく『変化』を『グラデーション』と表現していて、ここがとても好きでした。

Posted byブクログ

2023/09/17

人間の性が変化するくらいに考えていたが、それだけではなく、夫婦関係や親子関係まで変わっていくことに何か気持ち悪く感じた。 エデンの中では正常でも、違和感を感じてしまう。 これからの現実世界では、どうなっていくのだろうか。 「セックス」も「家族」も、世界から消える…… 中村文則...

人間の性が変化するくらいに考えていたが、それだけではなく、夫婦関係や親子関係まで変わっていくことに何か気持ち悪く感じた。 エデンの中では正常でも、違和感を感じてしまう。 これからの現実世界では、どうなっていくのだろうか。 「セックス」も「家族」も、世界から消える…… 中村文則・岸本佐知子氏驚愕! 朝日、読売、東京・中日、週刊読書人他各紙で話題。日本の未来を予言する圧倒的衝撃作。 世界大戦をきっかけに、人工授精が飛躍的に発達した、もう一つの日本(パラレルワールド)。人は皆、人工授精で子供を産むようになり、生殖と快楽が分離した世界では、夫婦間のセックスは〈近親相姦〉とタブー視され、恋や快楽の対象は、恋人やキャラになる。 そんな世界で父と母の〈交尾〉で生まれた主人公・雨音。彼女は朔と結婚し、母親とは違う、セックスのない清潔で無菌な家族をつくったはずだった。だがあることをきっかけに、朔とともに、千葉にある実験都市・楽園(エデン)に移住する。そこでは男性も人工子宮によって妊娠ができる、〈家族〉によらない新たな繁殖システムが試みられていた……日本の未来を予言する衝撃の著者最高傑作。 中村文則・岸本佐知子氏驚愕! 壮大な世界。でもこれは母と娘の物語ではないだろうか。 さすが村田沙耶香。この作家はすごい。−—中村文則 見たこともないほど恐ろしい「楽園」が、ここにはあります。−—岸本佐知子

Posted byブクログ

2023/08/16

良いんです。基本はこんなんで。でもこればっかりやん! 流石に飽きてきました。もう引き出しないのでしょうか? もう少しだけ読んでみます。が次もこれだったらもういいかなぁ…

Posted byブクログ

2023/07/30

本作はスペキュラティヴ・デザインやバイオアートといった分野を文学で実践したものと言える。ゆえに文学のみならず幅広い方向からの切り口を持っている。 万人が「おかあさん」と「子どもちゃん」の関係に収束した世界について,「おとうさん」更に言えば父なる神をいかにして排除してきたのか,そ...

本作はスペキュラティヴ・デザインやバイオアートといった分野を文学で実践したものと言える。ゆえに文学のみならず幅広い方向からの切り口を持っている。 万人が「おかあさん」と「子どもちゃん」の関係に収束した世界について,「おとうさん」更に言えば父なる神をいかにして排除してきたのか,その過程の方が気にはなる。

Posted byブクログ

2023/07/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

村田沙耶香さんの中でもよく名前を聞くので気になっていた作品。 子供は人工授精で生むのが当たり前になった世界。 家庭内に性を持ち込まないのは、それもありかもと思った。 雨音と朔が互いを大切にしているのが分かるので、性的なものは要らないかな?と。 現実の社会でも夫婦として長く過ごすと、男女というよりは生活を共に送るパートナーや家族という感覚が強くなるし、 それを強固にするとああなるのかと感じた。 それから、実験都市のエデンはメリットもあると思った。 昨今のニュースで胸を痛める、虐待の問題。 親の経済格差で受けられる教育の質が違うこと。 それらはエデンでは起こらない。 でもあの世界に住みたいとは一ミリも思わないのよね…。 結果より機会の平等があったほうが良いとは思っているのだけど 成長における平等は難しいのかな~。 いろいろぐるぐる考えさせられる作品。 一度読んだだけではすべてを読み取るのは難しそう。 少し時間をおいて再読したい。

Posted byブクログ

2023/06/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自分が読んだ村田沙耶香先生の作品の5作目です。 こどもを産み育てている身として、家族は大切だし夫を愛しているし、こどもは可愛いので家族制度に文句は無いし、読み始めは夫婦が近親相姦とかどういう世界だよ?と主人公の母親のような気持ちになっていたが 個人的に「もっとお金持ちのおうちに産んであげられたならばもっと教育に力を入れられて良い学校に行けてもっと幸せになれるかもしれないのに」とか「虐待とかされたり放置されたりするこどもが居ない世界になれば良いのに。人類みんなでこどもを育てていければ優しい世界になれるのに」と漠然と考えていたことがまさにこれだ!という形で表現されていて、これはまさに楽園(エデン)なんじゃないか。と狂っていく自分が居ました。よくママ友とかも「旦那が一切家事育児しないから、ママ友だけのマンションとか建てて家事育児を協力しながら暮らしたいわー」なんてことを言います。私は友達と長続きしないのでどうせその集団とも価値観が合わずに排除されるんだろうなと聞き流していましたが、子育てマンションに住むと決めた人たちはこの作品がとにかく刺さるし楽園で洗脳されていくのかなと思います。そんなことをぐちゃぐちゃ考えちゃいました。子育てしている人に読んでもらいたいですね。

Posted byブクログ

2023/04/15

一気読み。 家族とはなにか。 子供を作るとは何か。 村田さんの本の第一作目が この本でよかったのか。 途中から気味が悪くなってくるのに 一気読みができてしまうという まさに村田さんワールドな感じでした。

Posted byブクログ

2023/02/11

ザ・村田沙耶香さんの世界! 常識とは、普通とは何か。 村田沙耶香さんの作品はそんな「当たり前」を考えるきっかけを作ってくれる作品が多く、毎日を何となく生きている自分に喝を入れてくれる気がしてとても好きです。村田沙耶香さんの短編小説はよく読んでいるのですが長編小説も素晴らしかった!

Posted byブクログ

2022/11/05

村田さんの現代の文明や考え方の発展から考える未来図が絶妙で毎回考えさせられる。 また彼女の本を読みたいと思う。

Posted byブクログ