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誕生日を知らない女の子 の商品レビュー

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20件のお客様レビュー

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2022/01/16

虐待されている様子を読むと辛くなるが里親さん達の愛情でゆっくり成長する子どもたちは生きる力を感じる 解説を書いているのが是枝裕和さんなのには驚いた

Posted byブクログ

2020/08/14

普段の生活の中では知り得ないことが、読書を通じて分かることがある。虐待や虐待を取り巻く環境について、表面的には知っているつもりでいても、当事者の気持ちを深く考える機会はなかなか持てないものだと思う。 どのような事情があって暴力を振るってしまうのか、暴力を受けた子にはどのような影響...

普段の生活の中では知り得ないことが、読書を通じて分かることがある。虐待や虐待を取り巻く環境について、表面的には知っているつもりでいても、当事者の気持ちを深く考える機会はなかなか持てないものだと思う。 どのような事情があって暴力を振るってしまうのか、暴力を受けた子にはどのような影響が出てくるのか。 本の中に出てくるのは、あくまでも著者が関わった範囲での何人かの人たちではあるが、実際にどのような生活を営んできたのかをリアルに知ることができたように思う。 読みやすく、ペラペラとページをめくることのできるオススメの本。

Posted byブクログ

2020/07/25

再読。 虐待やネグレクトで子供を死なせてしまった親の悲しい事件を見聞きするたびに思うことがある。 往々にして親も虐待されていたというケースは多い。ネットでよくみるコメントは「自分がされて嫌だったことをなぜするのか、最低の人間だ」というもの。 そういうコメントをする世の中の人たちは...

再読。 虐待やネグレクトで子供を死なせてしまった親の悲しい事件を見聞きするたびに思うことがある。 往々にして親も虐待されていたというケースは多い。ネットでよくみるコメントは「自分がされて嫌だったことをなぜするのか、最低の人間だ」というもの。 そういうコメントをする世の中の人たちは、問題の本質を理解していない。そんな単純なことではないのだ。 虐待がどれだけの後遺症を残すのか。その後の人生にどれほどの影響を与えるのか。 それは、大人になってからも続く根深いものである。 それを、この本は教えてくれる。ファミリーホーム(という、里親が被虐待児を引き取り家族として集団で暮らす場)を実際に取材して書かれているが、取材できている時点で恵まれているケースではある。 ここまでたどり着けない子はたくさんいるんだろうと思うと本当につらい。 里親、ファミリーホームとして受け入れる人たちがいること。被虐待児が徐々に立ち直っていく姿。 もしくは立ち直りきれない様子。 自分が知ることのなかった世界があって、もっと多くの人々に知って欲しいと切に思う。

Posted byブクログ

2020/06/03

一般に、「親の、子への愛情は無償だ」と言われるが、虐待を診ていく限り、それは逆だとしか思えない。子の、親への愛こそが無償なのだ。

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2020/03/07

虐待や児童養護施設、養育事業など知らないことばかりで驚いた。虐待を受けたこどもたちのその後の人生への影響、世の中には施設以外にも実子と一緒に養子を迎え、一緒に育てるファミリーホームを営む方々とその苦労。ニュースだけではわからない、衝撃的な内容だったが、深い社会問題を認識した。

Posted byブクログ

2019/08/20

虐待を受けてきた子供達と、その子達を育てる里親達を中心にしたノンフィクション。 読んでいて、つらくなる。 虐待による、後遺症は里親達をも苦しめているということが良くわかった。 とはいえ、一番苦しんでるのは子供達。

Posted byブクログ

2020/07/30

私はこの本を読んで良かったと痛烈に思う。 知らなかったことばかりで、そしてこれを読まなかったら知れなかったことばかりで。 虐待児と里親との関わり合い、治療施設や、被虐待児が親になってからのこと。 里親のもとで、人間的基盤を取り戻しつつある子供。親の奴隷でもいいからと言い、母親へ戻...

私はこの本を読んで良かったと痛烈に思う。 知らなかったことばかりで、そしてこれを読まなかったら知れなかったことばかりで。 虐待児と里親との関わり合い、治療施設や、被虐待児が親になってからのこと。 里親のもとで、人間的基盤を取り戻しつつある子供。親の奴隷でもいいからと言い、母親へ戻してしまった子。いろんなパターンがあった。 里親が子供を虐待死させてしまった事件、これもまた悲しいバックグラウンドがあったと今なら同情したくなる点がある(被虐待児は普通の子供と違う特異反応をする) なんで虐待してた親がまた子供を取り戻すのか不思議に思ってたが、虐待児を他の兄弟の面倒を見させようとか自分の都合のいいように使ってた例を読み驚くとともに、実親だとそれを止めるのが困難というのもなんともやりきれない。 みんなが必死で生きていた。 泣きながら読んだ。 辛かった。 悔しかった。 悲しかった。   切なかった。 虐待で心に傷を負った子供に少しでも普通を取り戻させるために、どれだけの人と心がかかるか。 それは一言で言えばコスパが悪い。 虐待さえなければこんなに時間も精神的消費もないのに。 でも起こってしまう。そしてそこに一生懸命取り組まれて、誰にもできないことをやってくれている人がいる。 一方でまだ救われてない人たちがたくさんいることもわかる。 もがき苦しみ生きていくしかない、被虐待児。とてもきれいごとじゃ語れないその後。多くの人は目を背けるだろう。きれいごとにならない現実。もどかしさ。 人間、ニンゲン、もがき苦しみむなかでも希望を見つけていく途上過程。 私は、これを読んだ。なにができるだろう。

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2016/07/12

つらい、つらすぎる。児童虐待というものを初めてしっかり見た気がする。ニュースで聞くのはほんのさわりなんだということを、まざまざと見せつけられる思い。 虐待から逃れて、それでめでたし・・・ではない。その後遺症ともいうべき様々な心理的、身体的、知的障害を抱えて生きていかなければならな...

つらい、つらすぎる。児童虐待というものを初めてしっかり見た気がする。ニュースで聞くのはほんのさわりなんだということを、まざまざと見せつけられる思い。 虐待から逃れて、それでめでたし・・・ではない。その後遺症ともいうべき様々な心理的、身体的、知的障害を抱えて生きていかなければならない子供たち、それに向かい合う里親などの大人たち。たんにトラウマ、とくくることができない根深く複雑な困難がある。知的な問題、つまり脳への影響が虐待により起こることを知って驚いた。後からのケアで回復しきれないほどの、つまり生涯にわたり影響を及ぼすほどの傷が、虐待でついてしまうのだ。 最後の章を読んで、虐待の連鎖と言われることが起こる理由が見えた気がする。子供が歩いたことを喜ぼうとすると、自分のことを誰も喜んでくれなかったと感じ、誕生日を祝おうとすると、自分は祝ってもらえなかったと思い出し、結果、愛せなくなっていく・・。 本書ではファミリーホームの中で育ち、変わっていく子供達を見ているので希望の見える形にはなっているけど、過程を思うと心が痛むほかない。 伝えたい気持ちが強いあまりの繰り返し表現が気になることをのぞけば、テーマも内容もひろく読まれるべきものだと思う。

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2016/04/17

虐待を受けた子どもたちの保護された後の生活に焦点を当てたノンフィクション。 虐待について、その親を責め、関係機関を非難するだけでは、子どもたちを真に救えるものではないと改めて教えられる。 幼少期の虐待は、何の罪もないその子に、生涯にわたって重荷を負わせることになる。人との関係を...

虐待を受けた子どもたちの保護された後の生活に焦点を当てたノンフィクション。 虐待について、その親を責め、関係機関を非難するだけでは、子どもたちを真に救えるものではないと改めて教えられる。 幼少期の虐待は、何の罪もないその子に、生涯にわたって重荷を負わせることになる。人との関係を築く基盤が育たず、知的な遅れに苦しんだりする場合もある。 そういう子どもたちの将来を少しでもよいものにするために奮闘する人たち。ただただ、頭が下がります。 どうか、子どもたちが、その後の暮らしの中で、自分を幸せにできる力を持つことができるようになりますように。そして、子どもたちのために日々奮闘する人たちが、過酷な労働環境に苦しむことなく、活動できる社会になりますように。 重いテーマを扱いながらも、読みやすく、伝わりやすい文章です。 子育てや教育に携わる方全てが、すなわち、全ての人が、一読すべき本だと思います。

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2016/02/27

虐待による心の傷と闘う子どもたち。そして、彼らに寄り添い、再生へと導く医師や里親たち。家族とは、生きるとは? 衝撃のノンフィクションと言うしかない。日々話題になる虐待のニュースのその先を、私は全く知らなかった。そこは生きて保護されて良かった、なんて軽く言える世界ではなく、いっそ死...

虐待による心の傷と闘う子どもたち。そして、彼らに寄り添い、再生へと導く医師や里親たち。家族とは、生きるとは? 衝撃のノンフィクションと言うしかない。日々話題になる虐待のニュースのその先を、私は全く知らなかった。そこは生きて保護されて良かった、なんて軽く言える世界ではなく、いっそ死んだ方が羨ましいと言う子どもさえいる残酷な場所。あまりに里親やグループホームに頼り切ったシステム自体に驚愕し、奮闘する関係者たちに涙が出る。なんと、あたたかい人たちなのだろう。彼らに根っこを作ってくれてありがとう。自分ならその責任、重みに耐えきれるか分からないから余計にすごいと思う。そして母となった被害者の沙織の話にはどうかどうか彼女が一歩でも前進し続けてくれることを祈らずにはいられない。明るいその後だけではないのは分かっているが、この本の中に出てくるような子どもたちの未来が増える社会であってほしい。

Posted byブクログ