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ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集 の商品レビュー

3.7

141件のお客様レビュー

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2015/12/05

ボストン、アイスランド、ギリシャ、ラオス、そして熊本。村上春樹が処々の媒体に掲載していた紀行文を集めた一冊。 JALの機内誌に連載されていたパートもあってか、観光スポット案内的な、つまり実用的な箇所も多少見られるけれど、彼がどういう場所に興味を持つのかというそのセレクトも含めて...

ボストン、アイスランド、ギリシャ、ラオス、そして熊本。村上春樹が処々の媒体に掲載していた紀行文を集めた一冊。 JALの機内誌に連載されていたパートもあってか、観光スポット案内的な、つまり実用的な箇所も多少見られるけれど、彼がどういう場所に興味を持つのかというそのセレクトも含めて面白い。例えば、ニューヨークのジャズスポットなんて、数多のガイドブックにレコメンドが載っているけれども、彼なりのレコメンドを見て現地に行くのは、それはそれで一つの楽しみ方だと思う。 一番しっくりくるのは、タイトルにもなっているラオスの章。仏教の僧侶が多数居住し、地元住民と一緒に托鉢を行うシーンや、宗教遺跡にまつわる伝承を地元住民から聞いて回るシーンなど、現代宗教が殆ど喪失かのような「物語を共有する」という原始宗教の姿が今にも残っている点が伝わり、現地を体験してみたくなる。 個人的には短文ながら、美食の街として知られるアメリカ東海岸・西海岸それぞれのポートランドのレストランの描写も捨てがたい。

Posted byブクログ

2015/12/05

紀行文。 ボストン1、アイスランド、オレゴン州のポートランドとメイン州のポートランド、ギリシャのミコノス島とスペッツェス島、ニューヨークのジャズクラブめぐり、フィンランド、ラオス、ボストン2、イタリアのトスカナ、熊本県をめぐる。 文中より。 「かつて住民の一人として日々の生活を...

紀行文。 ボストン1、アイスランド、オレゴン州のポートランドとメイン州のポートランド、ギリシャのミコノス島とスペッツェス島、ニューヨークのジャズクラブめぐり、フィンランド、ラオス、ボストン2、イタリアのトスカナ、熊本県をめぐる。 文中より。 「かつて住民の一人として日々の生活を送った場所を、しばしの歳月を経たあとに旅行者として訪れるのは、なかなか悪くないものだ。」 これは身に沁みて理解できる。私もかつて住んだ土地に訪れることがある。あんなに親密な場所だったのに、久しぶりに行くとよそよそしい。それでも温かい気持ちになれるのだ。 私は国内だけど、村上さんは海外各地。そのカルチャーショックたるや相当なものなのだろう。 あらゆる刺激をうけて作品に反映させているのだろうな。

Posted byブクログ

2015/12/02

電子書籍派だけど、これは紙の本を購入。電子書籍版は写真が多いというけど、わたしのはキンドルペーパーホワイトなので白黒なので。。。まあそれはどうでもいいか。 なんだかさらっと読んでしまった。。。 「遠い太鼓」とか読み返してみたくなった。あのころはわたしはかなり村上春樹ファンで、小...

電子書籍派だけど、これは紙の本を購入。電子書籍版は写真が多いというけど、わたしのはキンドルペーパーホワイトなので白黒なので。。。まあそれはどうでもいいか。 なんだかさらっと読んでしまった。。。 「遠い太鼓」とか読み返してみたくなった。あのころはわたしはかなり村上春樹ファンで、小説もエッセイも紀行文も夢中で読んで大好きで、なんというか陶酔?していたんだけど。。。 わたしが年とったってこともあるし、村上さんだって年をとり、もう国際的に著名な「文豪」って感じになってしまったし。(しまった、ってこともないけど。いいことなんだから。)なにか変ってしまったものもあるのかも。どうも心に染み込んでいかないというかなんというか。なんだろう。。。 ……まだ海外に行った話のほうがいいかな。なんでかわからないけど。 でも、読んだ直後は、なんか「自由」みたいなことを考えた。村上さんが、勤め人じゃないから自由に日にちの制限とかなく、時間がありあまるほどの旅行ができていいなあ、ということもあるけど、精神的に、その気になれば何日でも旅に出られて、予定やなにかに縛られないで滞在できるというようなことが。わたしなんて心理的になにか縛られていて、そういう自由な旅とかできない気がする。。。

Posted byブクログ

2015/12/01

久々の紀行文集。ギリシャのミコノス再訪について書かれた章があると知り、一も二もなく購入。著者が日本を離れヨーロッパのあちこちで暮らして小説を書いていた頃のことを綴った「遠い太鼓」は、もしかしたら一番好きな村上作品かもしれない。どこら辺に何が書いてあるか覚えてしまうくらい繰り返し読...

久々の紀行文集。ギリシャのミコノス再訪について書かれた章があると知り、一も二もなく購入。著者が日本を離れヨーロッパのあちこちで暮らして小説を書いていた頃のことを綴った「遠い太鼓」は、もしかしたら一番好きな村上作品かもしれない。どこら辺に何が書いてあるか覚えてしまうくらい繰り返し読んできた。中でもミコノス島滞在のくだりがとても好きだ。あの管理人ヴァンゲリスは元気だろうかと、まずこの章から読み出した。 残念ながら、著者が訪れたときヴァンゲリスは既に亡くなっていた。そうだよね、あれからもう四半世紀もたつんだもの、いろいろ変わっていくのは仕方のないことだ。…とは言うものの、やはり切ない気持ちになってしまう。「遠い太鼓」を引っ張り出してきて、著者にイカ釣りを手ほどきするヴァンゲリスの写真が載っているページを開く。黒いヒゲがいかにもギリシャの人。隣に立つ著者も若い。 いやいやまったく、村上さんも、と言うより村上さんを取り巻く状況も変わったものだなあとしみじみ思う。「ノルウェイの森」が書かれたのはギリシャ滞在中。いつ頃からか新刊発売が社会現象のようになり、ノーベル賞騒ぎが恒例となり、どこかで講演をすれば新聞記事になる。ご本人は(見た目も)それほど変わったように思えないけれど、以前のような身近な感じは薄れた気もする。 最後の章は熊本訪問だが、どこかしら歯切れの悪さを感じてしまった。やっぱり「村上春樹がこう言った」とかすぐに取りざたされる立場としては、否定的なことは言いにくかろう。「村上朝日堂」や「東京するめクラブ」のような軽やかなのがまた読みたい。

Posted byブクログ

2016/02/20

村上さんの紀行文を読むときは、ワインを準備しておこう。 紀行文に地元グルメの話はつきものだけど、村上さんのはひと味違う。 予めツアーに組み込まれていた観光客向けレストラン、ではなく、ふらっと入った地元の酒場や、その辺のドラッグストアで買ってきたホットドッグとか、自分で探して見つけ...

村上さんの紀行文を読むときは、ワインを準備しておこう。 紀行文に地元グルメの話はつきものだけど、村上さんのはひと味違う。 予めツアーに組み込まれていた観光客向けレストラン、ではなく、ふらっと入った地元の酒場や、その辺のドラッグストアで買ってきたホットドッグとか、自分で探して見つけた気取らない食べ物が魅力いっぱいに登場するのだ。 例えば、本書でも、ボストンマラソンの完走後(この話は世の市民ランナーにとっても魅力的なエピソードである)でチェリー・ストーンという貝をスチームしたものを食べ、アイスランドで魚定食やシーフードスープを食べ、トスカーナではキアーナ牛(ステーキ好きにはたまらない肉牛だ)の骨のついた大きな塊を丸ごとローストしたものをご馳走になっていて、で、そういう料理と一緒に飲んでる赤ワインが本当に美味しそうなんだ。 実際、ワインの描写があるかというと、正直、思い出せない。 (トスカーナの赤ワインの話は確かにあるけど) でも、文章から漂うカジュアルな風味感が、赤ワイン(そんな高くない気軽に買えるテーブルワイン)を思い出させる。 これはもう、飲むしかない。 それにしても、なぜ村上さんの紀行文のご飯は美味しそうなのか。 それには、本書のメインテーマ(?)でもある表題が関連している。 ここで「ラオス」は、別の国に置き換えても構わない。 「◯◯にはいったい何があるというんですか?」 村上さんの答えはこうだ。 「そんなことを聞かれても、僕には答えようがない。だって、その何かを探すために、これからラオス(or◯◯)まで行こうとしているわけなのだから。それがそもそも、旅行というものではないか」 何があるかわからないから旅をするということだ。 ご飯でも同じことで、先にも言った通り、村上さんの紀行文のご飯は、自力で探したものがほとんどだ。 偶然見つけた美味しいものを、その過程とともに味わう、それが旅行グルメの魅力なのだと思う。 国内線の飛行機内で、空港に着いたら何を食べようか、そんなことを考えながら読むのに最適な一冊です。 (赤ワインは準備しておくこと)

Posted byブクログ

2015/11/30

春樹さんのエッセイは、 いつもちょっとププッと笑ってしまう こんな旅ができたらいいなぁと思う どこに行っても、自分なりの楽しみ方感じ方を 自然にできたらいいなぁと思いながら 惜しみながら本を閉じました

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2015/11/30

春樹さんの言葉にふれたくて読みました。 いろんな場所の、いろんな風景が、人の営みが、心地よく響きました。

Posted byブクログ

2016/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久々の村上春樹の紀行文集。「旅には何かがある。分かっていたらわざわざ出かけない。」と言う一文が心に残りました。

Posted byブクログ

2015/11/25

紀行文集。ヨーロッパを中心にラオスや熊本など。特にラオスとか好き。しかしまあ、ヨーロッパってなんであんなに都市のなんでもないとこでも美観が保たれてるんだろう…

Posted byブクログ

2015/11/23

ラオスの話がすごくいい。いろいろなものを飲み込んでいく茶色いメコン川と、灰色の空が見えてくる。そのまま。

Posted byブクログ