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快拳 の商品レビュー

3.6

39件のお客様レビュー

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2017/08/15

1組の男女の夫婦模様が描かれた小説。 夫婦というのは恋人同志とは異なる糸で繫がっていて、安心があり甘えがあり、支えがあり不自由さがある。 そして、他人同士でありながらお互いが選んだ家族であり、互いの身に降りかかった出来ごとを共有していく存在。 良いことも悪いことも・・・。 そして...

1組の男女の夫婦模様が描かれた小説。 夫婦というのは恋人同志とは異なる糸で繫がっていて、安心があり甘えがあり、支えがあり不自由さがある。 そして、他人同士でありながらお互いが選んだ家族であり、互いの身に降りかかった出来ごとを共有していく存在。 良いことも悪いことも・・・。 そしてその時々での小さな選択が、後の大きな幸せに繋がっていたりする。その選択を快挙と言わずしてなんと表現できようか。 振り返ると、あの時の選択次第・・・っていうことが結構あるのだもの。 白石氏の小説を読むと「禍福はあざなえるなわのごとし」という言葉を思い出す。 登場人物は、普通に人間くさくて、心に棲んでいる魔物に負けたりもするけど、自分の心に正直に生きているところが共感できて、人間の弱さや強さを愛おしく感じる。 自分の人生と重ね合わせ、ちょっと泣けて、読書後は優しく強くなれた気がする。 他の本も読みたい。 夫婦について見直したい人にお勧めの一冊。

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2017/07/09

「夫婦とは なんと佳いもの 向い風」 向かい風にも二人で立ち向かえば、きっと大丈夫って意味じゃなく、逆境に放り込まれた時にこそ、夫婦の真価が試されると解釈した俊彦の気持ちに同調する。 みすみに出逢ったことこそが俊彦の「快挙」だと思えば、私の出逢いも人生の「快挙」だと胸を張って言い...

「夫婦とは なんと佳いもの 向い風」 向かい風にも二人で立ち向かえば、きっと大丈夫って意味じゃなく、逆境に放り込まれた時にこそ、夫婦の真価が試されると解釈した俊彦の気持ちに同調する。 みすみに出逢ったことこそが俊彦の「快挙」だと思えば、私の出逢いも人生の「快挙」だと胸を張って言いたい。

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2017/05/29

みすみは浮気相手とはどんな感じだったのか、俊彦は雪江とはなんにもなかったのか、とかそういうことの方が気になった。 内面を描いているようで、実はあんまりぴんとくる箇所はなかった。

Posted byブクログ

2017/04/16

私は、こんな小説も好きなんだ、としみじみ思いました。順調にはいかない人生だけど、敏彦もみすみも生活力がありますね。みすみがかっこいいです。自分に才能があっても“惚れた男の夢に乗っかるのが女の醍醐味”と言っちゃう。いい年上女房をもらいましたね。ラストが快挙です。他の白石作品も読みた...

私は、こんな小説も好きなんだ、としみじみ思いました。順調にはいかない人生だけど、敏彦もみすみも生活力がありますね。みすみがかっこいいです。自分に才能があっても“惚れた男の夢に乗っかるのが女の醍醐味”と言っちゃう。いい年上女房をもらいましたね。ラストが快挙です。他の白石作品も読みたくなりました。

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2017/03/29

この本では奥さんとのやり取りを「快挙」としてるけど、自分に置き換えても感情移入できる。 通勤中に一気に読んでしまったので、後日ゆっくり読む。

Posted byブクログ

2017/01/20

白石一文の作品が好きで手にとったけれど、この本はいつもの人生に真正面から挑む感じではなくやや物足りなかった。カメラマンから小説家に転向した俊彦とみすみの話。

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2017/01/11

人生というのは山あり谷あり。恋をして、魔が差し、病に倒れ。そうか。病める時も健やかな時も。というのはこういうことなのか。男性とは女性とは。こだわりが強すぎる俊彦。みすみのような姐さん女房にほどよく転がされているのが、彼の幸せなのかもしれないが。疑心暗鬼という鬼に取り憑かれ、どうな...

人生というのは山あり谷あり。恋をして、魔が差し、病に倒れ。そうか。病める時も健やかな時も。というのはこういうことなのか。男性とは女性とは。こだわりが強すぎる俊彦。みすみのような姐さん女房にほどよく転がされているのが、彼の幸せなのかもしれないが。疑心暗鬼という鬼に取り憑かれ、どうなるかと思いきや。意外と綺麗にオチたようにも思える。「私は小さな頃から何者かになりたかった。自分は本当はすごいんだ、絶対にすごいんだと自らに言い聞かせてきた。」そういう人の快挙というのが釈然とはしないが、未来は明るい。

Posted byブクログ

2016/06/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本文もですが、 ダンカンさんの解説が凍みたわぁ。。。 「残りの人生、もう2度と腹の底から笑うことはないだろうな・・・」 ですよ。 その後のママリンとのエピソードを含め、 解説を書いているのですが、 本文と同じくらいに凍みました。 注)染みるをあえて、 個人的に「凍みる」と書いてあります。 「山裏俊彦」が「みすみ」と出会って夫婦になって、 十数年かな? 一緒に生活してきた軌跡の小説なんですね。 阪神淡路の震災とか、 実際に起きた出来事をシンクロして読み進めて行けます。 僕は、 「ねぇ、みすみ。僕と一緒に東京に帰ろう」が快挙ですよね。 男の人はこれになりたいって強く思っていれば絶対になれるのよ。 あとは時間がかかるかどうかだけ。 って、 言えるだけならたいしたことないが、 発言して本当に支え続けてくれる「みすみ」はやるな! と、 思うけど簡単じゃないですよね、もちろん。 その、 奥にある、 根っこにあるだろう心模様をもっと知りたかったですね。 人間は卑屈になったとき他人を心底傷つけることができる。 なぜなら、 彼らはそうやって自分自身を罰してるつもりだからだ。 うん。 謙虚はポジティブで、 卑屈はネガティブですかね。 謙虚でいるつもりですが、 大丈夫かな僕は。 卑屈になってないかな? 結婚はしたことないです。 でも、 20歳から約18年間、 様々な夫婦を見てきたり聞いてきてます。 はい、 わたくし占い師を生業としておりまして、 そういった、 夫婦の話はよく相談されてます。 ぶっちゃけ、 夫婦だけの問題なら恋人問題とあまり差異はないかな? 夫婦特有になっていく、 子育てや両親の話が入ってくるともっとうねりますね。 で、 その「差異」なんですが、 その「夫婦」によって大きく違う気がします。 そう、 確かにまだ「恋人」な感じの夫婦もいらっしゃいますが、 違うんですよね。 「恋人」と「夫婦」は違います。 しかも、 多角的に違うのでめんどう。 その、 「めんどう」を抱えたくないのもあって結婚はしてませんかぐりん。 でも、 ダンカンさんの話なんかを聞いていると、 1度は「夫婦」を味わってみてもいいのかなと思いますけどね。。。 僕の最大の敵である「めんどう」と戦いたくないのでいつでもソロデビューなうです笑 今後の「山裏」夫婦がどうなるのか。。。 きっと、 支えあっていくのでしょうね。 2人を死がわかつまで。。。 きっと。 「生活の目的ではなく、生きている目的よ」 スピリチュアルに生きてるのでねぇ。。。 あるにはありますが、 もっと、 現実的にも生きたいですわぁ。 新潮社からこの本出てますが、 「山裏俊彦」が出したいと思ってる本も新潮社から出そうとしてますよね? 白石一文さんも新潮社推し?! ちなみに、 編集さんには知り合いがいませんが、 居たかな? 営業さんには何人か知り合いがいます新潮社さんには。 確かに、 良い人が多いと思うのは僕だけでしょうかね。 元気ですかね? 元気なお子さんを生んでくださってると思いますが、 元気でしょうか? ps 「快挙」って言葉が自分の中で響かなかったんですよね。。。 他に適切な言葉はないかと考えるけど、 思いつかないやぁ。。。 「クリティカルヒット」かしら笑

Posted byブクログ

2018/03/12

ストーリーとしては平凡(良い意味で)だけど、 時々ハッとしたような台詞が出てきて胸を打つ。 そして、 自分の人生について深く考えさせられるのでした。 P22 「男の人は、これになりたいって強く思っていれば絶対になれるのよ。あとは時間がかかるかどうかだけ」 P24 「女の人は男...

ストーリーとしては平凡(良い意味で)だけど、 時々ハッとしたような台詞が出てきて胸を打つ。 そして、 自分の人生について深く考えさせられるのでした。 P22 「男の人は、これになりたいって強く思っていれば絶対になれるのよ。あとは時間がかかるかどうかだけ」 P24 「女の人は男次第ってところもあるし、子供も産まなくちゃいけないから、そう簡単でもないのよ。それに男と同じように夢を追いかけてたらせっかく女に生まれた甲斐がないじゃない。惚れた男の夢に乗っかるのが女の醍醐味だと私は思ってるからね」 P180 「何者かにならなくては生きている意味がない。生きる資格がない。みすみと出会って以降も、常に追い立てられるような気分から自由になれなかった」 そして、P203の一番最後の行からのシーン。 みすみが「ねぇ、私の旧姓って何だっけ?」と俊彦に尋ねるところ。 ここからの数行は、恋愛と結婚との差みたいなものを、 同じように見えてまったく違う深い絆のようなものを感じた。

Posted byブクログ

2016/05/24

男性の視点から妻の事を描かれている夫婦の物語。 夫は写真家を目指すが腕を振るわず、 昔からなりたかった小説家に転向しても これもぱっとしない仕事ぶり。 仕事運がついていないのにも関わらず、 そんな夫の事を責めることもなく妻の方が割り切って 小料理屋の仕事をそつなくこなしていたので...

男性の視点から妻の事を描かれている夫婦の物語。 夫は写真家を目指すが腕を振るわず、 昔からなりたかった小説家に転向しても これもぱっとしない仕事ぶり。 仕事運がついていないのにも関わらず、 そんな夫の事を責めることもなく妻の方が割り切って 小料理屋の仕事をそつなくこなしていたので、 頼り甲斐があり理解のある妻だと感心してしまいました。 けれど夫が病になり長い闘病生活をすることになり、 周りの環境が徐々に変化することにより夫婦間にも微妙にずれかかり、 そんな折に夫婦で訪ねた寺院での石碑に刻まれていた 「夫婦とはなんと佳いもの 向い風」 これが後の妻の病と向き合うことのきっかけになり その後の夫の人生、夫婦としての歩みを考える上でも 重要になっていると思いました。 いつも意気揚々としていた妻が深刻な病になってしまった時には、 これでは快挙というタイトルのストーリーには ならないかもと想像してしまいましたが、 この二人の人生と自分の今までの人生ともどこか重ね合わせたりしていたので、 最終的には妻と笑顔で終えることが出来てほっと胸を 撫でおろすことができました。 夫婦は日頃の事も大切ですが、まさにこの夫婦と同じように 逆風になった時にこそ二人の強さが出て、 立ち向かっていけるという勇気のある意味だなと思いました。 究極になった時こそ真価が問われるというのはこうゆうことかと思います。 この本のタイトルにもあるように、 夫の作品にもある人生での快挙の場面にも考えさせられました。 自分にとって人生で快挙とは何だろうと。 これには自問自答している途中でこの先もずっとしていそうな気がしました。 数々の夫婦の在り方、結婚についての本を読んできましたが、 読んだ後にほっと出来て、心の中でのもやもや感が すっと取れたような感覚になった作品は初めてかもしれないです。 描写が細かくて読みやすく深く感銘した作品でした。

Posted byブクログ