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なんでもない一日 の商品レビュー

3.5

24件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2019/03/29

死後に発見された未出版作品と 単行本未収録作品を集成した作品集より 23の短編と5つのエッセイ厳選した本作。 次から次へと読みたい気持ちをぐっと堪え 大事に大事にちょっとずつ読んでました。 やっぱりシャーリイ・ジャクスン、好きだわぁ。 身近に潜む悪意と狂気。 それをドライにユー...

死後に発見された未出版作品と 単行本未収録作品を集成した作品集より 23の短編と5つのエッセイ厳選した本作。 次から次へと読みたい気持ちをぐっと堪え 大事に大事にちょっとずつ読んでました。 やっぱりシャーリイ・ジャクスン、好きだわぁ。 身近に潜む悪意と狂気。 それをドライにユーモアに描くその匙加減が絶の妙✧ しかも装丁も好み❤︎

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2018/10/14

多くの作家が距離感に悩んでいると思う。こういうことをわかって貰うためには、こういう物を用意してこういう技を使って、まず寝るには寝床を用意して。。。 作者はテレポーテーションをするのかのように、シュッとスルッと、少女になって人形遊びをするかと思えば、老婆になってみたり自由自在...

多くの作家が距離感に悩んでいると思う。こういうことをわかって貰うためには、こういう物を用意してこういう技を使って、まず寝るには寝床を用意して。。。 作者はテレポーテーションをするのかのように、シュッとスルッと、少女になって人形遊びをするかと思えば、老婆になってみたり自由自在なのだ。(違うかも) そしてお家芸の、悪意、意地悪、辛辣さなども健在で、短編集なせいか、悪意に時間が関係してる気がした。時間が経つと気付く。 人の悪意ってゴキブリみたいじゃない?自分は目に見えないなら全く気にならない。

Posted byブクログ

2017/09/29

『メルヴィル夫人の買い物』 冒頭からクレーマーだとわかって酷く嫌な気持ちになる。 シャーリイ・ジャクスンは狭い世界で生きる人の心理を描くことに長けているが、これは殊更だなと思う。

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2017/07/25

二、三編読むとぐったりしてしまってなかなか読むのに時間がかかった。。面白いのだけど、何だか色々削られた気がしなくもない。

Posted byブクログ

2017/02/12

魔女シャーリージャクソン女史の短編集。最近、彼女の作品が読みやすくなってきた。代表作の「くじ」とか「山荘奇談」など本格的なホラーだけでなくユーモアの方向でもいい趣味を持っていることが分かって新鮮である。

Posted byブクログ

2017/02/08

「処刑人」に引き続き、シャーリィ・ジャクスンの短編集+エッセイ。 お気に入りなのは「なんでもない日にピーナツを持って」と「悪の可能性」一見善良な人間が実は…という黒さがたまらん。「メルヴィル夫人の買い物」と「インディアンはテントで暮らす」は悪意の中にもユーモアがあり、笑ってしまっ...

「処刑人」に引き続き、シャーリィ・ジャクスンの短編集+エッセイ。 お気に入りなのは「なんでもない日にピーナツを持って」と「悪の可能性」一見善良な人間が実は…という黒さがたまらん。「メルヴィル夫人の買い物」と「インディアンはテントで暮らす」は悪意の中にもユーモアがあり、笑ってしまった。エッセイではやんちゃな息子に翻弄されるお母さんな面が描かれていて、微笑ましかった。

Posted byブクログ

2017/01/29

短編集と後ろにエッセイが5つ収められている。 エッセイは興味がなかったから読んでない。エッセイはいらないので他の短編をもっと入れて欲しかった。 たまにこういう短編集って読みたくなる。皮肉とユーモア。タイトルからして皮肉でしょう。 『メルヴィル夫人の買い物』はどっちもバランスよ...

短編集と後ろにエッセイが5つ収められている。 エッセイは興味がなかったから読んでない。エッセイはいらないので他の短編をもっと入れて欲しかった。 たまにこういう短編集って読みたくなる。皮肉とユーモア。タイトルからして皮肉でしょう。 『メルヴィル夫人の買い物』はどっちもバランスよく入ってて、笑えるし嫌な気分にもなる。いると思う、こういう人。 『レディとの旅』は和やかな雰囲気が大半であるのに… 『インディアンはテントで暮らす』吹き出す。以下省略のところ。 他の短編もそれぞれユーモアと皮肉のバランスが違う。人それぞれお好みのバランスが見つかるだろう。

Posted byブクログ

2016/10/09

シャーリイ ジャクスンの短編集。 何気ない人々の日常のひとこまが切り取られているが、そこはシャーリイジャクスン、悪意や皮肉で味付けされている。 印象に残っているのは、「なんでもない日にピーナッツを持って」散歩しながら、出会う人々に善行をほどこしていく夫。家に帰ると妻が…。彼女は悪...

シャーリイ ジャクスンの短編集。 何気ない人々の日常のひとこまが切り取られているが、そこはシャーリイジャクスン、悪意や皮肉で味付けされている。 印象に残っているのは、「なんでもない日にピーナッツを持って」散歩しながら、出会う人々に善行をほどこしていく夫。家に帰ると妻が…。彼女は悪意ある行動をしてきたが、明日は交代してほしいという。 「悪の可能性」 近所の人たちに悪口を書いた手紙を投函し続けていたミス ストレンジワース。最後に思いがけないことから、その悪事がバレる。 「メルヴィル夫人の買い物」 普段から行き付けデパートのクレーマーになっている巨漢のメルヴィル夫人(42号サイズ❗)その彼女が、やせて小柄な悪女に引っ掛かって買い物に失敗する話。

Posted byブクログ

2016/05/17

話が通じない、コミュニケーション不全の話が多いように思った。夭折の作家だったんだね。男の子の育て方に苦労しているエッセイを読む分にはそんなイメージはないんだけど。悪魔を法律で騙す話は好き。悪魔も法律と女の子とおばさんには敵わない。

Posted byブクログ

2016/05/16

シャーリイ・ジャクスンの描いた日常は白黒のテレビが初めて家にやって来た頃に観た「じゃじゃ馬百万長者」のエピソードのようで、何だか作り物のような手触りがして嘘臭い。でもそこから当時の当たり前や海の向こうの常識なんかを取り去ると、残るものは案外今でもそこら中で起こっている話なんだろう...

シャーリイ・ジャクスンの描いた日常は白黒のテレビが初めて家にやって来た頃に観た「じゃじゃ馬百万長者」のエピソードのようで、何だか作り物のような手触りがして嘘臭い。でもそこから当時の当たり前や海の向こうの常識なんかを取り去ると、残るものは案外今でもそこら中で起こっている話なんだろうなとは想像する。 じゃじゃ馬百万長者が、当時のアメリカのことや油田で一儲けする話なんてなんにも知らなかった子供にも面白いと思えたのはどうしてだろう。海の向こうとこちらの違いの意味するところも定かでない子供にも面白いと思えたということは、きっと何か本質的なことが笑いの対象になっているからだ。それはきっとイソップのネズミの話に出てくる本質と建前のギャップが生み出す可笑しさ哀しさのようなものなんじゃないか。それが世界中どこにでもある構図なのだと子供の自分が理解するにはクロコダイルダンディーを待つ必要はあったけれども。あるいはそんな差を感じ得たのは、自分がいわゆる右肩上がりの経済の中の新興住宅街に育ったせいで夏休みになれば級友のほとんど両親どちらかの田舎に帰省するのが当たり前という、皆が田舎と町の違いに聡かった母集団にいたせいであるかも知れない。そんなことを考えていたら、若者言葉や流行りの略語にいちいち腹が立つのは、何にも持っていないのに矢鱈と自慢したがる町のネズミに対する感情と根っ子は同じなんだなと気付いた。 シャーリイ・ジャクスンの描く日常には、余所者と地元民の対立の構図、あるいは身内とそれ以外の壁、という話が多いと思う。描かれる物の値段や商習慣、大人や子供の娯楽も随分と時代遅れのようにも見えるけれど、その対立の構図そのものは全く変わっていない。それを全て貧富の格差に押し込むつもりはないけれど、そこには自分達の側にはあって相手側にはない、という認識が生み出す隠れた問題があるのだと思う。そして持つ持たないなんてどうでもいいことの筈なのに、何時の間にかそれが譲れない信条に化けてゆく。持つにせよ持たないにせよ、こちら側は正しくてあちら側が間違っている。そんな理屈が空気を支配する。 何でも持っている筈の町のネズミの生活を色眼鏡無しに観察できる田舎のネズミにしてみたら、町のネズミが本当に幸せなのかどうかは甚だ疑問だった訳で、子供にだってそれが解ってしまう話だからイソップだって書いたのだ。大人になるとそれが段々見えなくなるね。シャーリイ・ジャクスンは大人が読むイソップ童話なのかも知れないね。

Posted byブクログ