ウォーク・イン・クローゼット の商品レビュー
これぞ綿矢りさ!的な いなか、の、すとーかーみたいな話を 期待しながら読んだら表題作も良かった。 男で失敗もするけれど、 賢くしたたかな早希がとても魅力的だった。 いなか、の、すとーかーでの透とすうすけ ウォーク・イン・クローゼットでの早希とだりあ 2つの友情の対比がおもしろい...
これぞ綿矢りさ!的な いなか、の、すとーかーみたいな話を 期待しながら読んだら表題作も良かった。 男で失敗もするけれど、 賢くしたたかな早希がとても魅力的だった。 いなか、の、すとーかーでの透とすうすけ ウォーク・イン・クローゼットでの早希とだりあ 2つの友情の対比がおもしろい。 主人公の立場もそれぞれで真逆。 女の友情は美しいけど、すうすけ恐ろしいよ、、、
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ウォーク・イン・クローゼット 文章から想像するだけでも幸せな気分になる。 物を減らそうとしている今でもやっぱり憧れ。 「変わること前提で愛してもらうなんて、 おかしくないか?」 これは、私が今読むべくして読んだ本。
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「いなか、の、すとーかー」は若手陶芸家が悩まされる一人目のストーカーの理解不能な静かな狂気がリアル。最終的に二人を受容する様子がどこか寂しくてしんと胸に迫る。服がすきでタレントのだりあと友達で、男友達とご飯を食べたり、下心だけの人に度々引っ掛かりそうになったりする表題作も明るくて...
「いなか、の、すとーかー」は若手陶芸家が悩まされる一人目のストーカーの理解不能な静かな狂気がリアル。最終的に二人を受容する様子がどこか寂しくてしんと胸に迫る。服がすきでタレントのだりあと友達で、男友達とご飯を食べたり、下心だけの人に度々引っ掛かりそうになったりする表題作も明るくてお洒落で楽しかった。
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すっと入ってきて、読みやすい。同い年だったとは知らなかった。すごいな。いつの時代も、こういう人入るのね。石田衣良より素直で屈託がない感じだ好きだわ。
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表題作は、男中心の生活から自分軸を見出だしていく女の子の自立の物語、といったところでしょうか。 彼氏候補も、タレントの友達も、個性が強烈です。 もう一作、ストーカーの話も強烈。。これは意外なことにハッピーエンド?で驚きました。 けど、エンディングで主人公の意識変わりすぎですよね?そんなに変わるかな。強烈すぎる体験をしたから?
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「いなか、の、すとーかー」が印象的。普通の人に宿る悪意はある日突然表れるのではなく、グラデーションのようにじわじわと日常を侵していくのが怖い。
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【いなか、の、すとーかー】 『おれをなめるなよ。本当に殺すぞ」 「殺してよ。お兄ちゃんに殺されたら、私うれしい。首を締めて殺して。お兄ちゃんの顔を見ながら死にたいよ」 『いい子のふりをしても、結局いい子じゃなかったから苦しかった。自業自得です。ごめんね。』 『良くも悪くも、い...
【いなか、の、すとーかー】 『おれをなめるなよ。本当に殺すぞ」 「殺してよ。お兄ちゃんに殺されたら、私うれしい。首を締めて殺して。お兄ちゃんの顔を見ながら死にたいよ」 『いい子のふりをしても、結局いい子じゃなかったから苦しかった。自業自得です。ごめんね。』 『良くも悪くも、いままで歩んできた道が、いまのおれを作っている。苦しみはたくさんの喜びの代償だ。』 【ウォーク・イン・クローゼット】 『私にはこういうことがよくある。遊びの予定が決まったときは楽しそうな面しか見えなくて、その日が来るのが待ち遠しいのに、いざ前日や当日になったら、予定が現実的に具体的に見えだして面倒になり、とたんに行く気が萎える。』 『嫌な気持ちを抱えたままヤケクソで家を出て、待ち合わせ場所で友達の顔を見たら、不思議なほどモヤモヤは霧散する。まるで別の人間に生まれ変わったみたいに、奥に引っ込んでいた社交的なワタシが表に出てきて、普通に笑い、快活な声でしゃべる。』 『あの頃はもうすっかり過去だ。無理をするのも楽しかった痛々しいくらいにはじけた青春が消え去り、代わりに私たちは一体何を得たんだろう。』 『男の人に軽くみられると、本当に自分が軽くなったみたいに感じられ、確実に何かが減る。多分、自尊心とかプライドとか、人間にとって大切な部分が。』 『夜十時半、家に着いてまずすることは、包丁を持つことではなく、電子レンジに買ってきたお弁当を入れて、「あたためる」のボタンを押すこと。おままごとセットには、もちろん電子レンジのおもちゃなんて付いてなかった。ごっこのときは、あんなに楽しかったのに。』 『ある種の罪悪感が私にネギを、じゃがいもを、豚バラ肉を買わせている。おままごとのDNAが"いままでの生活のままじゃあんまりにも悲惨だ"と涙声で訴えてくる。』 『付き合うって言葉もないままに、押し流されてゆく。後悔の念におそわれても、もう遅い。もしかして、なんて期待してのこのこやってきた私が馬鹿だった。私なんて、全然、大切にされてないんだ。おしゃれな洋服でできるかぎり可愛くラッピングしても、ほらもう、脱がされてるし。身体の熱がどんどん奪われてるのは、ワンピースを脱がされたからじゃない。』
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表題作より、「いなか、の、すとーかー」のがインパクトあったなー。 なんか怖いよね。なんとも言えない怖さ。 もっと酷い方向に話が進むかと思いきや、わたし的には思わぬところに着地したなぁって感じだけど。 出てくる人出てくる人、ほとんどがそれぞれ違った意味で気持ち悪くて嫌だったな。
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2つの中編小説のオムニバス。 『いなか、の、すとーかー』は、陶芸家にまとわりつくストーカーの話。 ストーカーの記述がリアルで面白かった。 『ウォーク・イン・クローゼット』は28歳OLとその友人のモデルの話。 こちらもウォークインクローゼットを通じた2人の友情物語が良かった。
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ああああああ綿矢りさやっぱ好きぃぃぃぃぃぃぃってなった一冊。 「いなか、の、すとーかー」 これはなんていうかもう、圧倒。読んでいて怖かった。途中出てきたチェーンソーの存在がデカすぎて最後までビビっていた。 ストーカー行為に悩み精神がやられていく主人公・石居くんの “ああ、だから犯罪なんだな。はたからみれば、少し滑稽な痴情のもつれみたいに見えるかもしれないけど、もとの生活が取り戻せなくなるほど、ストーカーは破壊力のある行為なんだ。これは、された人にしか分からないだろう” という言葉がとても印象的だった。 私も前の職場で毎日下駄箱に手紙を入れられていたことがあった。チラシの裏にでも書けよ、っていう意味のない文章。やめてくださいと言ってもやめてくれず、お菓子の差し入れまでしてくる。周りの人はピリピリする私に「そんなに気にしなくても」と笑って言っていたけど、私は気持ち悪くて下駄箱を開けるのも嫌になっていったんだ。いやだったなぁ。 ていうかこれすうすけもグルだったのがさ。グルというか、悪意、あったよね。 すうすけの黒い感情は、自分で手を下すのではなく人にやらせる、という着地に落ち着いた。ヘラヘラ生きやがって二枚舌の悪魔が。こういう人間が結局一番嫌いだわ。いつかバチ当たれ。 果穂ちゃんは普通に怖い。よっぽど好きだったんだろうね。好きだと良い部分も悪い部分もよく見えるからね。 男の人は好きな人やものを「所有」する生き物だけど、女の人は「崇拝」する生き物だ。 だから許せなくなる。好きな人の嫌いな部分を。だからって脅すのはよくない。付き合っても付き合ってなくても果穂ちゃんのああいう部分は出ていただろうから、早めに分かってよかったね、と思う。 砂原さんは悪意とか善意とかじゃないから。ああいう人だから。砂原さんはすうすけが居なければ普通に諦めて帰ってたんじゃねーかな。石居くんもキッパリ断ってたし。 しかしこの怒濤の展開からあの美しいラストに持っていったのがすごい!!清々しかった。爽やか。 「一方的じゃない。おれが器に込めた声なき声を聞き届けてくれた。この広い世界でつながっている仲間の一人だ。おれも彼らから、十分すぎるものをもらっている」 たぶんこの頃の石居くんには白髪も数本出来ているだろう。 それくらい濃かった。 あーーー、自分も気を付けよう。一方的じゃないんだ、すべて。気を付けよう。 「ウォーク・イン・クローゼット」 これはかわいい。とてもかわいい。 序盤の隆史くんがツボすぎて読みながら「かっこいいいいかっこよすぎるううう」と悶えたけれど再読してみたらなんかムカつくなこいつ!!余裕ぶってて偉そうだな!! でもほんとそれくらいね、舞い上がってるときは良い方にしか取らないからね。早希ちゃんは偉いよ。 “初めは紳士的な人だと思って好印象なのに、まるで男を見抜けてない。私への愛情を胸の中で一つも育ててなさそうな、カッコつけばっかりに、のこのことついていって” 早希ちゃんのこの言葉が痛いほど沁みる。 悲しい。ほんとそうだよなぁ。やだなぁ。趣味の洗濯のことを一ミリも分かってくれない人なんていらないんだよ。つらい。 だりあも好きだしユーヤも好きだ。 だけどこの二人は小説で出会うから好きになっただけで、現実で会うとそうでもないんだろうなとも思ってしまう。だりあは特に、幼少期の体験が強いと思う。 そしてラストがまた清々しい。希望に溢れたラスト。 この一冊はラストがとにかくよかった!! 読後感の充実っぷりったら。はー、幸せ。
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