ウォーク・イン・クローゼット の商品レビュー
これは面白い! 陶芸家の方、男性目線だからあんまりかなーと導入で思ってたけど、すごく良かった。人の弱さ、やわさ、狂気がこれでもかってくらい散りばめられてて鳥肌たったわ。 だりあの話もすっごく良かった。服が人に見えるっていう表現には驚いたけど、まさにその通りで。 これは誰に合う服、...
これは面白い! 陶芸家の方、男性目線だからあんまりかなーと導入で思ってたけど、すごく良かった。人の弱さ、やわさ、狂気がこれでもかってくらい散りばめられてて鳥肌たったわ。 だりあの話もすっごく良かった。服が人に見えるっていう表現には驚いたけど、まさにその通りで。 これは誰に合う服、どこに行く服って決めてシュミレーションした上で服を買ってるから 自分の服じゃないみたいなんだよね。その違和感とむなしさがすっごい伝わってきた。
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いなか、の、すとーかー ・綿矢りささんの書く話は、男性が主人公だとホラーというか怖いかんじになるな。 ・果穂とのあいだに淡い恋が芽生えはじめたあとのこれか!最高!いいぞいいぞ~~!! ・女の"すとーかー"の描写がいい。怖い。 ・「守りたいものなどもう何もない、ていうかおれをだれか守ってほしい。」笑った ・作家、アーティストとしての考え方や行動に共感。 「本当に大切な、自分だけができると心から思える仕事だけを選り分けていったら、残ったものはささやかで素朴な、昔からずっとやってきた作業だけだった」 ウォーク・イン・クローゼット ・"対男用"の洋服。どこに、誰に会うかで服を選ぶ。そういうのもあるのか。 ・デートする男達にへのあだ名が面白い。パネェ って 笑 ・マンションを抜け出すためにだりあと早希が頑張るとこが面白かった。よかった。 ・服手洗いするのいいな。 ・ユーヤとの関係いいな。告白してフラれたけど、そのあとも友達として仲良くしていけるのって。デートしたけど結局体目当てだった人にはよく思われなかった"おうちクリーニング"も、おもしろそうって言ってくれて。 最後のほうちょっといい感じだったよね。
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なぜ読んだ?: 以前読んだ根本昌夫『小説教室』において、綿矢りさの小説が取り上げられていた。そこで書かれていた、現代社会の性質と絡めた綿矢りさの小説の登場人物分析が面白く、また現在の自分の興味(社会学、消費社会論)とも共鳴したため、実際に綿矢りさの小説を読んでみたいと思うようになった。 そんな思いを無意識的に心に秘めたまま、ある日旅行先で訪れた本屋にてこの本に遭遇した。表題作を少し立ち読みし、衣服の観点から、「実質的価値<他者評価」テーゼを扱った小説だろうと考え、これは面白そうだと思って購入した。 『小説教室』の自分のレビューを引用しておく 「p202くらいから 綿矢りさの作品と消費社会のコードの話、とても良い。 実質的な価値よりも、周りや社会にどう見られ、どう評価されるかが、価値を決める時代。コードとしての自分を演じる若者ねえ」 感想: 全体的に現代社会の若者が抱くモヤッとした違和感を、鋭く言語化していると思った。 他者評価重視から実質的価値重視へと移行していく主人公、と読めそう。國分功一郎『暇と退屈の倫理学』でいう「浪費」、モノの実質的価値を余すことなく享受する方向へと向かっている。厳密に言えば、主人公は最初から、服に対し他者評価的な価値と実質的価値の両方を認めていた。それらの価値の割合が、前者は小さく、後者は大きくなったと言えよう。 例えば冒頭から、「純粋に"好き"を一番にして選んでいたころと違い、現在の私のワードローブは"対男用"の洋服しか並んでない」「どこに着ていくか誰に会うための服かがすでに決まっている」と、他者評価的な価値を重視する主人公が描かれる。 しかし、休日をまるまる使って洗濯をする主人公の姿からは、「服が好き」という実質的価値(≒自主的な評価による価値)を認め、モノを慈しんでいることがわかる。 そんな主人公は、物語全体を通して様々な人と関わりつつ、見た目と実質のギャップ、つまり他者評価的価値と実質的価値のギャップを考えさせられるストーリーに出会っていく。紀伊さんの見た目と実質、小学生だりあの見た目と実質(これは回想だが)、バンドボーカルの見た目と実質、隆史くんの見た目と実質、だりあの変装の見た目と実質…… そして、澄ちゃんのために実質を変えようとするユーヤや、妊娠がバレる前と後のだりあの見た目の変化も関わってくる。 このようなストーリーを経て、主人公は「自分で洗濯をする」という実質的価値重視行動を少し前向きに捉えられるようになったのではないだろうか。
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綿谷りささん4作目です。 今まで読んできたものと比べると インパクトやストーリー性には欠けてたように感じました。 今まで読んできたのがパンチ強めだったのかも? 表題作ウォークインクローゼットはファンシーな感じが漂うお話でした。 いなかの、すとーかーは重かったしカオスな印象を受け...
綿谷りささん4作目です。 今まで読んできたものと比べると インパクトやストーリー性には欠けてたように感じました。 今まで読んできたのがパンチ強めだったのかも? 表題作ウォークインクローゼットはファンシーな感じが漂うお話でした。 いなかの、すとーかーは重かったしカオスな印象を受けました。 どちらもなんだか設定や展開が突拍子なく感じました。 好きなシーンもあります。 ウォークインクローゼットの洗濯のシーンです。 手洗いお洗濯したことないけれど、今の空前の丁寧な暮らしブームにこれはマッチしそうだなって思いました。やってみたくなりました。
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綿谷りささんの作品は初めて。作風も何も知らず、まっさらな状態で読み始めた。 結論から言うと、綿谷さんの魅力である比喩表現は私には若干くどく感じてしまった。発想はものすごいが、もう少し比喩の頻度が低いか長さが短ければもう少しすんなりと読めたのかなと思った。 『いなか、の、すとーかー』はラストに違和感。なんだか腑に落ちない結末だった。 表題の作品の方が個人的に好き。この世代の女性の心理描写には脱帽。ラスト一文がまさにセンスそのもの。 綿谷さんの他のテイストの作品も読んでみたい。 2019.2.7 読了
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ストーカーの話とパパラッチ。 『いなか、の、すとーかー』は早くなんとかすれば良いのに…ともやもや。 例え上手くまとめて話が終わっても、なんとも言えない気持ちが残る。 『ウォーク・イン・クローゼット』は想像出来る話。 良くある話が盛り上がって来そうなとこで終わってしまうラストが物足りない。 「女子」が強い作品。
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デコとボコという組み合わせって周りから見ると「えっ」と思うのかもしれないけれど、本人たちにしてみれば自分にないものを相手が持っているという感じで案外安定した関係なのかもしれない。
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2中編。『いなか、の、すとーかー』故郷に戻って工房を構えた新進陶芸家、幼なじみ、まとわりつくおばさん。『ウォーク・イン・クローゼット』ガーリーで清楚なモテファッションでまじめにみんなとデート、テレビに出ているトップモデルの友達の妊娠。 ヤバいストーカーっていうのを最近聞きますが...
2中編。『いなか、の、すとーかー』故郷に戻って工房を構えた新進陶芸家、幼なじみ、まとわりつくおばさん。『ウォーク・イン・クローゼット』ガーリーで清楚なモテファッションでまじめにみんなとデート、テレビに出ているトップモデルの友達の妊娠。 ヤバいストーカーっていうのを最近聞きますが、そこまでに至らなかったようで、自分の問題に着地したならハッピーエンド。自分の問題なら自分で何とかできますから。
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表題作の『ウォーク・イン・クローゼット』と『いなか、の、すとーかー』という作品を収録。 →https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12092190113.html
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『いなか、の、すとーかー』 すうすけが裏で糸をひいて拗れさせてるんじゃないかと、最後まで疑っていました。 ごめんね。笑 インタビュー記事でファンになる、SNSはまるでわたしへのメッセージのよう(*´-`) と感じるのは脳の性質上さけられない。 とはいえ、想いの押しうりはいかがな...
『いなか、の、すとーかー』 すうすけが裏で糸をひいて拗れさせてるんじゃないかと、最後まで疑っていました。 ごめんね。笑 インタビュー記事でファンになる、SNSはまるでわたしへのメッセージのよう(*´-`) と感じるのは脳の性質上さけられない。 とはいえ、想いの押しうりはいかがなものか。 たとえば、役者さんと接する機会が設けられ、そこで話すのはOK。 名前や顔を覚えてもらっても、出待ちをしたらNG。 周囲をぐるりと見渡せば、ものすごく親しげな間柄もあるし、ムズカシイ聖域だなぁといつも感じる。 この話に出てくる、折れないハートを持ったおばちゃんストーカーの活力源は何だったのだろう。 惹かれあってたはずの幼なじみの豹変は、優柔不断が原因とされていたけど理解できず怖かったなぁ。 そもそも陶芸家の彼。なんだかよく分からないヒトだった。 ・・・はっ。これが優柔不断なニンゲンの真骨頂!? 『ウォーク・イン・クローゼット』 こちらの話は面白かった! OL早希ちゃんのファッションへの造詣の深さから興味をひかれたが 素材やデザインごとに洗剤を使いわけて手洗い、浴室乾燥のうえアイロンという休日は真似できないなぁ。。 複雑な家庭環境にあった幼なじみの芸能人だりあちゃん、 稼いだぶんを旅に費やすカリスマアパレル店員ユーヤくん。 現実では縁のない人の生きざまを読むのはワクワクする♪ みんなが幸せに暮らしていけますように!
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