1,800円以上の注文で送料無料

天国でまた会おう(下) の商品レビュー

3.5

62件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

    23

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/04/28

ここから始まる厄災の 子供たち三部作。 己を利するためならば 他人の犠牲を厭わない 将校プラデル。 彼の犠牲となる一兵卒 のアルベールとエドゥ アール。 生埋めにされて下顎を 吹き飛ばされて、 身も心も息絶えた二人 が再び息を吹き返し、 と、まあシナリオは横 に置いてお...

ここから始まる厄災の 子供たち三部作。 己を利するためならば 他人の犠牲を厭わない 将校プラデル。 彼の犠牲となる一兵卒 のアルベールとエドゥ アール。 生埋めにされて下顎を 吹き飛ばされて、 身も心も息絶えた二人 が再び息を吹き返し、 と、まあシナリオは横 に置いておくとして、 搾取する者とされる者、 いつの世にもある憐れ な人間模様が、 心に掻き傷を残します。 でも物語の畳みかたは 好きです♡ この喧騒まだまだ続き ます。 なんてったって三部作 ですから。

Posted byブクログ

2024/04/09

ミステリって感じじゃないな。どちらかといえばヒューマン系の感触。 読み終わってしばらく経っても余韻があるし、大筋も良く、その中でも新しい知識の発見が多々あり、滋養となる本でした。 いかにもフランス風といった風情がありそこが新鮮で良かった。

Posted byブクログ

2023/09/23

歴史上、戦争が有する意義を書いた・・と言えば簡単だが、種々の自傷から筆者ル・メートルが読み取った推察、洞察力に舌を巻いた。 題名の意、そして呟いた人物を初めて知った。 そのJ・ブランシャールが真の主役と言えるかもと感じた。 アルベールは無論、ブラデルは第一次世界大戦という商売市...

歴史上、戦争が有する意義を書いた・・と言えば簡単だが、種々の自傷から筆者ル・メートルが読み取った推察、洞察力に舌を巻いた。 題名の意、そして呟いた人物を初めて知った。 そのJ・ブランシャールが真の主役と言えるかもと感じた。 アルベールは無論、ブラデルは第一次世界大戦という商売市場で駆けずり回った小物。黒子 エドゥアールが天才の名を欲しいままに飛翔した詐欺のすべてが最期は血の結びつき・・で幕を閉じるとは。 しかも植民地の服を着て羽を付けたという・・何という演技。 そこから呟かれる作者の言葉は人生とは教誨語録の様。 偶然性の複雑な絡まり、結末は必然的に訪れる。。。。

Posted byブクログ

2023/03/13

戦後、称えられる戦没者、生きて行かねばならない帰還兵。 いつの戦争でも、勝者も敗者も、苦しみしか残らない。 上巻の前半は第一次大戦時の独仏前線での戦いが兵士目線で描かれていて、映画「プライベートライアン」のノルマンディ上陸場面のような迫力迫る描写で圧倒される。 特に主人公の一人...

戦後、称えられる戦没者、生きて行かねばならない帰還兵。 いつの戦争でも、勝者も敗者も、苦しみしか残らない。 上巻の前半は第一次大戦時の独仏前線での戦いが兵士目線で描かれていて、映画「プライベートライアン」のノルマンディ上陸場面のような迫力迫る描写で圧倒される。 特に主人公の一人アルベールが生き埋めとなるシーン、それに続くエドゥアールの負傷と脱出の様子は、息つく暇もないほどの迫力がある。 悪役ブラデルの戦後の描写でややスローダウンしたが、下巻、エドゥアールの仮面作りと大掛かりな詐欺計画が進み始めると、ブラデルの描写も結末へ期待をこめて大いに盛り上がっていく。 「絶望からくる狂気に翻弄されるエドゥアール」「弱虫でもその場しのぎに孤軍奮闘するアルベール」「絶対的な自信も次第に追い詰められるブラデル」。 『その女アレックス』などミステリーで有名な作者ではあるが、謎の解明がなくても魅力的な登場人物を次々と繰り出すことで、読者を飽きさせない。 第一次大戦での兵士の様子を描いた作品ではレマルク「西部戦線異状なし」が有名で、映画化もされているが、この物語もまた映画化された。 エンディングの後、エピローグで登場人物のその後が簡単に描かれていて、とても続編があるとは思えなかったのに『炎の色』『われらが痛みの鏡』へと続く。

Posted byブクログ

2023/02/15

うーん、なんだかなあ 下巻早々にプラデルへの復讐を誓うマイヤールだが特別なにをするって訳でなく流されて堕ちて行きます 一方プラデルは数々の悪事が露呈して自滅していきます うーん、なんだかなあ(2回目) 最終盤はスピード感がぐっと上がって多少はハラハラさすがのルメートルという...

うーん、なんだかなあ 下巻早々にプラデルへの復讐を誓うマイヤールだが特別なにをするって訳でなく流されて堕ちて行きます 一方プラデルは数々の悪事が露呈して自滅していきます うーん、なんだかなあ(2回目) 最終盤はスピード感がぐっと上がって多少はハラハラさすがのルメートルという感じもみせましたが うーん、なんだかなあ(3回目) それにしても結局最後まで愛すべき人物はひとりも出てきませんでした こういう救いのない物語って苦手なんでね これで三部作ってどうすんの?って興味はちょっとあるけど続編の優先度は低いかなぁ

Posted byブクログ

2022/10/12

アレックスのヴェルーヴェン警部シリーズとはまた違うテースト。訳者が違うのもあるかも。第一次世界大戦後のフランスの様子も分かる。何とも落ち着かない、異様な、物語でしたが、巻末にあったように、一種の「冒険小説」とも言えるかと思います。でも、ヴェルーヴェン警部シリーズと異なり、なかなか...

アレックスのヴェルーヴェン警部シリーズとはまた違うテースト。訳者が違うのもあるかも。第一次世界大戦後のフランスの様子も分かる。何とも落ち着かない、異様な、物語でしたが、巻末にあったように、一種の「冒険小説」とも言えるかと思います。でも、ヴェルーヴェン警部シリーズと異なり、なかなかページが進みませんでした。

Posted byブクログ

2022/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

さすがもさすが!もうやっぱり最高! ピエールルメートルほんっっっと好き!登場人物全てに愛着が湧くし結構登場人物多いのにすごいわかりやすい。しかも読む手が、まぁ止まらんくなる。 手に汗握るというか、人の焦った時とか恐れているときのやばいやばいやばいっていう焦りの表現がすごすぎる。最後は,大尉も悪行がバラされて主人公二人はなるほどな…という終わり方をして、ちゃんと全員がなるほどすぎる終わり方だった。 色々深読みすることも考えたけど、ピエールルメートルにかぎってはそのままを受け取って読むのがいっちばんおもしろい!最高の時間でした。

Posted byブクログ

2022/07/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

(上巻より) モルヒネ中毒になってしまった兵士の姉が、 上官の夫になったと判った時には、 韓国ドラマかよ、と突っ込んでしまった。 それでも、 味方を殺した上官の罪を告発する復讐を期待して読んでいたが、 そういう訳でもなく。 上官は離婚し、兵士の墓地を巡る不正が暴かれ、 貧しく亡くなったが、それは復讐とはちょっと違う。 フランス最高の文学賞ゴンクール賞を受賞したとあったが、 自分には面白くなかった。 たぶん「文学」だったからだと思う。

Posted byブクログ

2022/04/25

原題 AU REVOIR LÀ-HAUT そして、明日は存在しない 何らかの結末は必然的に訪れる 前者はエドゥアールの、後者はマルセルの、彼ら父子の邂逅そのものを端的に表してる気がします。 戦争が二人を分かたなくても既に交差する余地はなかっただろうし、それでも接点があるのであ...

原題 AU REVOIR LÀ-HAUT そして、明日は存在しない 何らかの結末は必然的に訪れる 前者はエドゥアールの、後者はマルセルの、彼ら父子の邂逅そのものを端的に表してる気がします。 戦争が二人を分かたなくても既に交差する余地はなかっただろうし、それでも接点があるのであればああいう終わりしかなかったかな…と。 〝感謝〟は、誰にも渡さないで済んだ親のエゴ…?でしょうか。 さよなら、天国で タイトルはMartyrs de Vingréの一人、Jean Blanchardが妻宛に最後に記した言葉より。 人の、底知れぬ悪意というものがどんなものか、 人の、逃れ得ぬ義務とはどんなに悲劇で喜劇か。 アンリとアルベールの対照的な結末が、せめてもの不文律かな…

Posted byブクログ

2021/11/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

戦争は他国民だけでなく自国民を傷つける。そして、戦争が終わった後も傷つけ続ける。死者に対しても。主人公のアルベール、あまりにもウジウジしているので、最後は作者から見放されてしまったような。結末はなんとなく暗示されるものの、裏切られた。少し無理やり感もあった。「その女アレックス」の時も感じたが、顔の損傷の描写がすごい。

Posted byブクログ