僕が電話をかけていた場所 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私が初めて三秋縋さんの小説に接したのは多分高校生の時だったと思います。 3日間の幸せのウェブ連載版に夢中になって夜通し読んだ記憶があります。 その後、今回読んだ「~電話をかけてきた場所」を最後に彼の出版書籍は全巻読みましたが、年を取ったせいか短所が先に目に写りました。 論理的に説明できない超常現象を素材にした以上、これに対する設定は最大限に言及を自制しなければ作品全体の蓋然性を落とします。 ところが、本作で何かの事件が起こるたびに疑問の電話がかかってきて、これは読者の興味をそそるのではなく、むしろ作品への没入を妨げる要素として作用しました。 そこにヒロインの記憶喪失のようなあまりにも突拍子もない事件が起き続け、途中で集中力を曇らせます。 記憶喪失になったキャラクターを見て「またこれか…」と思う人が私一人だけではないでしょう。 短所だけをずっと指摘しましたが、こうであれああであれ結局この種の本で最も重要なことは「面白いか」であり、その面では悪くない本です。 韓国には不幸ポルノ(英語ではmisery porn)という言葉があります。 検索してみたら日本には感動ポルノという言葉がありましたが、似たような感じの単語です。 もちろんポルノが入いるほど卑下的な意味が強い表現ではありますが、これに対する根強い需要があることを否定してはいけません。 もちろん私もその需要者の一人です。 本作以後にリリースした「君の物語」以来、三秋縋さんはほぼ5年近いかなり長い休息期を持っています。 長い間構想してきただけに、次の新作ではさらに発展した姿を期待します。
Posted by
引き続き下巻。 このレーベルを読むのも段々時間がかかるようになってきてしまった。それだけ合わなくなってきているということなのか。
Posted by
あんまり好きになれなかった理由を考えたけれど、結局痣持ちで醜いまま、それでも本人らが思う幸せを生きる話を三秋さんには求めてたんだろうなって思いました。
Posted by
三秋縋さんの小説は、毎回後半から読むのが辞められなくなるぐらい引き込まれます。 この作品もそうでした
Posted by
これが、ラノベって感じ。 少し行うことが多くて読むのに時間がかかってしまったが、途中からでもよく分かった。 いやー、本当に良い感じの終わり方って感じ。 女子はこういう展開好きそう。
Posted by
君が電話をかけていた場所 僕が電話をかけていた場所 二作合わせて完結する物語 二作目も読了 「顔にできた痣」のせいで卑屈に暮らしていた少年と、地域でも目立つ才色兼備のクラスメイトの少女 二人は孤独を抱える同士として、支え合っていた。 別々の中学校に進学し 高校に入ったところから...
君が電話をかけていた場所 僕が電話をかけていた場所 二作合わせて完結する物語 二作目も読了 「顔にできた痣」のせいで卑屈に暮らしていた少年と、地域でも目立つ才色兼備のクラスメイトの少女 二人は孤独を抱える同士として、支え合っていた。 別々の中学校に進学し 高校に入ったところから物語が始まる。 突然鳴り出した公衆電話に出ると…… 「私と賭けをしませんか?」と謎の人物が声をかける。 痣を消し、想いを寄せる人との恋の成就させられるか?賭けを申し込まれ少年は奔走する。 主人公のヒロインとの 記憶の出し方の順番が、本当にこれでよかったのかがわからない。 思いの強さがわからず、また主人公は結構決意が揺らぐことがある。 そんなものなのかもしれず、現実味があるのだけど、後から過去のつながりの強さについて読むことになるので 「何故そんな大事なことを忘れるのか(そして今その想いに沿った行動をしないのか?)」といまいち入り込めず… 読み終えてから どういう順番ならサブヒロインが幸せになれたのかを考えてばかりなのだが… 結局、後半の展開はちょっと あれれ?なんだろ?と違和感を抱えたまま 主人公とヒロインの二人に対して好感が抱けないまま終わってしまった。 あとがきの「理想の夏」についても、ちょっと共感が出来ず… おっさんには厳しかったです。 なんかすみません… 体調と気分の問題なのか 後半に入ってだんだんと 頭から物語から離れていった。 「見た目と切り離して人を見ること」 について読みながら考えることはあって それは良かったのだけど タイトルからして 2冊で対となるような 大仕掛けを期待してしまっていた。
Posted by
「夏の大三角、あるいは大四角」 彼女の為に出来ることならば。 彼なら自らのプライドを捨ててでも好きな人の為ならば、どんな相手であろうと頭を下げに行くだろうな。 四人での集まりが楽しいのかは彼女にしか分からないが、嫌であれば拒絶し見る場所を変え一人居ただろうに。 「ラストダンスは...
「夏の大三角、あるいは大四角」 彼女の為に出来ることならば。 彼なら自らのプライドを捨ててでも好きな人の為ならば、どんな相手であろうと頭を下げに行くだろうな。 四人での集まりが楽しいのかは彼女にしか分からないが、嫌であれば拒絶し見る場所を変え一人居ただろうに。 「ラストダンスは私に」 二人の関係をしる者の全てを。 彼女が亡くなってしまえば、必然的に彼の契約も未遂になってしまうだろうから共倒れになるのでは。 皆契約は一律である事は確かなんだろうが、こんな風に消えてしまった後どうなるんだろうか。 「僕ではない誰かの名前」 日記に書かれていた多くの名。 未遂の末に記憶が曖昧になる事は良くあるかもしれないが、嘘も本当の正体も教えれないのは今後かなり不利だな。 彼が調べた情報が本当だとすると、彼女達は相当重要な何かを隠したまま消えた事になるよな。 「私を見失いで」 彼女を見守る為に提案された。 彼にとっては好都合な内容ではあるが、今は彼は彼で無い状態では自らの首を締めるだけの行為では。 彼女の記憶が戻ってしまった時、彼が行ったことを全て気付いた瞬間全てを拒絶されてしまうのでは。 「これはただのおまじないみたいなもの」 不完全な記憶に知った真実は。 どう考えても彼女は何も助言せず行動に起こしたのは彼女達であるのだから、罪の意識を保つ必要はないのでは。 彼女は彼が嘘をついている事を知っていて言ってるのに、彼の命を助ける術を教えるのは何故なのだろう。 「人魚の唄」 彼女の事を意識したきっかけ。 委員長だからというのは確かにあるかもしれないが、あの場で興味本位で状態を聞かないのは凄いな。 相手が忘れていようと自らにとって幸せな思い出であれば、それは小さくとも特別に変わりはないだろうな。 「君が電話をかけていた場所」 電話相手の正体は実は何度も。 遠巻きに見ているなら兎も角、態々二人に接触し偽りの自分を演じてまでやる必要はあったのだろうか。 互いに騙されていると思い込みいるままだったら、一体どうなってしまっていたのだろうか。
Posted by
「君が電話をかけていた場所」の後編。 運命の日8月31日を前に起こる様々な出来事。前作で打ち解けていた4人に急展開。衝撃の連続で動く物語でした。 電話の女の謎、初鹿野の空白の4日間の謎。迫る期限の中の深町の行動。そして彼の運命。終わりまで一気読みでした。 最後は落ち着くところに落...
「君が電話をかけていた場所」の後編。 運命の日8月31日を前に起こる様々な出来事。前作で打ち解けていた4人に急展開。衝撃の連続で動く物語でした。 電話の女の謎、初鹿野の空白の4日間の謎。迫る期限の中の深町の行動。そして彼の運命。終わりまで一気読みでした。 最後は落ち着くところに落ち着いたのかなと。 いい結末だったかなとも思いました。 全ては夏の幻の彼女の思惑の中。彼女自身も幸せな充実感のもと、結末を迎えられたんでしょうね。
Posted by
ネタバレを避けるため、あえて本書のあとがきから引用させていただく。 あとがきより 最近、「サマー・コンプレックス」という造語に関する短い文章を書いたら、驚くほど大きな反響がありました。 世の中には「自分は一度として『正しい夏』を送ったことがない」という感覚を抱いている人たち...
ネタバレを避けるため、あえて本書のあとがきから引用させていただく。 あとがきより 最近、「サマー・コンプレックス」という造語に関する短い文章を書いたら、驚くほど大きな反響がありました。 世の中には「自分は一度として『正しい夏』を送ったことがない」という感覚を抱いている人たちがおり、彼らは夏を強く感じさせるものを見るたび、自分の夏と『正しい夏』とがかけ離れていることを痛感して憂鬱を味わっている……。 こうした傾向を僕は便宜的にサマー・コンプレックスと名付けたのですが、このとき何気なく使った『正しい夏』という一件捉えどころのない言葉が、一部の層の心を掴んだようでした。 多分、これは『正しい春』でも『正しい秋』でも『正しい冬』でもなく、『正しい夏』だったからこそ多数の参道を得られたのだと思います。 三秋縋先生はこのように語っており、この物語は、『正しい夏』を巡る先生なりの回答の一つなのだと思う。 本書を読むと、自分の『正しい夏』とは何か。そう考えずにはいられない。
Posted by
あとがきの「サマーコンプレックス」にしっくりきた。理想の夏を満喫できていない感じ。これは理想を頭に思い浮かべて追いかけて、だから追いつけないということなんだね。
Posted by