1,800円以上の注文で送料無料

ソーシャル物理学 の商品レビュー

4.2

23件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/09/05

学びの多い本だった。ソーシャルインセンティブを活用することで、個人への経済インセンティブよりも人の行動を変容できるというのは、言われてみればそうだが目からうろこ感があった。また、集団としての知性は、メンバーひとりひとりの能力よりも、集団内の交流の多さ・多様性で決まるという話も驚き...

学びの多い本だった。ソーシャルインセンティブを活用することで、個人への経済インセンティブよりも人の行動を変容できるというのは、言われてみればそうだが目からうろこ感があった。また、集団としての知性は、メンバーひとりひとりの能力よりも、集団内の交流の多さ・多様性で決まるという話も驚き。

Posted byブクログ

2019/12/06

社会物理学の紹介本であり、アカデミックなデータ分析。矢野和男氏の「データの見えざる手」と高い世界観。 最近だとバラバシ・アルバートがやっていた研究も近しい。 著者は、社会に起こる様々な現象をソーシャルネットワークと進化のダイナミクスにより紐解く。 ・ソーシャルネットワークの中を...

社会物理学の紹介本であり、アカデミックなデータ分析。矢野和男氏の「データの見えざる手」と高い世界観。 最近だとバラバシ・アルバートがやっていた研究も近しい。 著者は、社会に起こる様々な現象をソーシャルネットワークと進化のダイナミクスにより紐解く。 ・ソーシャルネットワークの中をアイデアがどのように流れていくのか ・社会規範がどのように生まれるのか ・複雑性はどのようなプロセスから生まれるのか ■多くの人が抱く誤解 「最良のアイデアを持っているのは最も賢い人だ」と思うかもしれないが、実際はそう単純ではない。最良のアイデアを持っているのは、他人のアイデアを最もよく取り入れることのできる人なのである。 ■社会物理学とは何か。 社会物理学とは、情報やアイデアの流れと人々の行動の間にある、たしかな数理的関係性を記述する定量的な社会学である。アイデアが社会的学習を通じて人々の間をどのように伝わっていくのか、またその伝播が最終的に企業・都市・社会の規範や生産性、創造的成果をどうやって決定付けるのか、を解釈できるようにする。 ■ハーディング現象 トレーダーたちのSNSを解析したところ、ある事実が発覚した。それは、ソーシャルネットワーク内において社会的影響力は非常に強いということ。メッセージに反応して互いの行動に過剰反応して、結果的に株の売買で全員が同じ戦略をとりやすくなる。 →社会物理学的な解決策は、新しい戦略の普及が遅くなるようソーシャルネットワークを変化させること ■ 重要な2つの概念 ・アイデアの流れ、いかにアイデアがソーシャルネットワークを伝わるか。アイデアの流れの過程は「探求」と「エンゲージメント」に分けられる。 ・社会的学習、新しいアイデアが習慣となる過程で生じるもので、学習が社会的圧力によって加速したり形作られたりすること ■ 社会物理学では、人間の内側にある認知の過程までは追わない。本質的に確率的であり、人間の思考がいかに形成されるかを検討外とすることで生まれる不確実性を持つ。

Posted byブクログ

2019/06/07

ジャケ買い、ならぬタイトル買いで。ただ、「ソーシャルな物理学」だと思いきや「ソーシャルを物理学」する本でした。すぐ誤解に気づきましたが、止められない止まらない状態で最後まで。10年以上前に読んだ『「みんなの意見」は意外に正しい』が、ここまで来たか、と思いました。それは「集合知」と...

ジャケ買い、ならぬタイトル買いで。ただ、「ソーシャルな物理学」だと思いきや「ソーシャルを物理学」する本でした。すぐ誤解に気づきましたが、止められない止まらない状態で最後まで。10年以上前に読んだ『「みんなの意見」は意外に正しい』が、ここまで来たか、と思いました。それは「集合知」というテーマから「集合知イノベーション」というテーマへのアップグレードです。それを支えるのがテクノロジーの進化で、非常に実務的な本であると感じました。「アイデアの流れ」「エンゲージメント」という土台の考え方から「アイデアマシン」としての組織について、それが「データ駆動型都市」を生み出し「データ駆動型社会」に至るという章立ても論文のようにシンプルです。コネクトカー、コンパクトシティ、医療データなどなど今、企業は街作りについての社会実験に多大な投資を始めていますが、そのムーブメントのベクトルの理論的支柱が本書であるような気がします。間違えて買って、よかったぁ…

Posted byブクログ

2019/03/30

ソーシャルネットワーク下での人の行動を,数学的モデルで説明したら,うまくいった. 経済的インセンティブとは異なるソーシャルネットワークインセンティブを与えることで集団へのチューニングも可能で特定の行動などを促すこともできるようになりました.という本. また,「つながりすぎた社会」...

ソーシャルネットワーク下での人の行動を,数学的モデルで説明したら,うまくいった. 経済的インセンティブとは異なるソーシャルネットワークインセンティブを与えることで集団へのチューニングも可能で特定の行動などを促すこともできるようになりました.という本. また,「つながりすぎた社会」とも言える現代の特徴や危険性も. ・人の行動は集団から受ける影響の避けられない. →情報被曝量マックスの現代では,接する情報源を積極的に取捨選択する能力が求められるだろう.SNSで誰をフォローするかとか ・ベル・スター研究.「スター」(花形)の研究者がやっていたことは「他の研究者にもビジョンや行動計画などを自覚させること」→組織で他者を動かそうと試みる時に使えそう. ・レッドバルーンコンテスト ・集団的知性の高さは,よく言われるかつ想像しやすい「団結力,モチベーション,満足度」ではなく「会話の参加者が平等に参加しているかどうか」→これもすぐに使えそう. 一般的なビジネス本と同じノリだとなかなか頭に入って来ず,理解しながら読み進めないと身につかない.じっくり読みなおさねば https://www.sense-network.co.uk/

Posted byブクログ

2019/03/25

これからのリーダーが読むべき優れた組織論。「仕事において生産性を上げ、成功するためにはどうすれば良いのかという重要な情報は、コーヒーコーナーや休憩室で見つかる可能性が高い」

Posted byブクログ

2018/12/20

vol.328 ビックデータの権威が説く。良いアイデアはいかに広がるのか?新しい科学。http://www.shirayu.com/letter/2015/000664.html

Posted byブクログ

2018/06/09

書評 『ソーシャル物理学』が語る、組織や都市をクリエイティブにする方法とは? | Biz/Zine(ビズジン) https://bizzine.jp/article/detail/1078?p=2 ---------------------------

Posted byブクログ

2017/09/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・人々の集団もコミュニティと同様に、個々の構成員が持つ知性とは別の、集団的知性を有している。さらにこの集団的知性は、IQが個人のパフォーマンスを予測する際に重要であるのと同じように、集団のパフォーマンスを予測する際に重要な要素となる。集団のパフォーマンスを上げると多くの人々が一般的に信じている要素(集団の団結力やモチベーション、満足度など)には、統計学的に優位な効果は認められなかった。集団の知性を予測するのに最も役立つ要素は、会話の参加者が平等に発言しているかどうかだった。少数の人物が会話を支配しているグループは、皆が発言しているグループよりも集団的知性が低かった。その次に重要な要素は、グループの構成員の社会的知性(相手の社会的シグナルをどの程度読み取れるかで測定される)だった。社会的シグナルについては、女性の方が高い読み取り能力を持つ傾向にあるため、女性がより多く含まれているグループの方が良い結果を残した。 ・集団的知性は、個々の構成員が持つ知性とはほとんど関係ない。個々の能力よりも優れた、集団で問題を解決するという能力は、個人の間のつながりから生まれる。特に皆から多様なアイデアを引き出し、共有を促す交流のパターンと、アイデアを精査してふるい分け、合意を形成するプロセスがその中核となる。 ・ハーバード・ビジネス・レビュー誌に掲載した論文「チームづくりの科学」で詳しく解説している・・。チームの生産性と創造的な効果に最大の影響を与える要因は、対面でもエンゲージメントのパターンと、企業内で行われる探求のパターンであることが多いと判明したのである。 2008年のバンクオブアメリカのコールセンターでの研究で、同じ時間に休憩を取るようにしたら生産性が上がった。 ・生産性を左右する最も重要な要素は、従業員同士が交流に費やした時間の合計と、エンゲージメントのレベル(職場の輪に皆が参加しているか)であることが判明した。この2つの要素を組み合わせるだけで、金額換算された生産性の変動の1/3を予測することができた。 ・あるグループにおける例。マネジメントグループは一部のグループとは高いエンゲージメントを実現しているが、まったく交流していないグループも存在する。グループ間交流を行なっていないところもある。伝統的なトップダウン型の組織では、最悪の場合こうした交流パターンが生まれてしまう。 ・昔ながらの官僚型組織は仲間同士の間で生まれるネットワーク型のインセンティブにはほとんど対応していないため、従業員がお互いに助け合おうとしたり、ベストプラクティス(何かを行うのに最も良い方法、手法、事例)を学ぼうとしたり、高いパフォーマンスを発揮しようとしたりといった傾向が生まれにくい。また従業員と経営陣の間にエンゲージメントが存在しないため、お互いに学び合うチャンスが生まれず、ビジネスプロセスが硬直化して非効率なものになってしまう。

Posted byブクログ

2017/04/09

いかに良質なアイディアや集団的知性、都市が出来るのかを、ビッグデータ等をから解き明かす。こうしたサイエンスからのアプローチは非常に新鮮で知的な刺激が多く感じられた。

Posted byブクログ

2017/02/12

タイトルは気にしないでよい。ビッグデータによる社会のデザインを謳った一冊。 学術書に近く、ありきたりな結論をえるためにデータを分析したプロセスに大半を割いているが、そのプロセスのなかにビジネスにも使える示唆が多い。

Posted byブクログ