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よだかの片想い の商品レビュー

3.9

92件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    37

  3. 3つ

    23

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2015/10/29

今まで読んだ本の主人公の女の子は、大抵パッとしなくても透き通るような白い綺麗な肌をしていた。世の中の女の子も大抵綺麗な肌をしている。 綺麗な、人並みの肌であることは、私にとって恋をする資格のある人のことだった。私は汚いから、色々駄目だと思っていた。そう思う心が、内面が、外見に反映...

今まで読んだ本の主人公の女の子は、大抵パッとしなくても透き通るような白い綺麗な肌をしていた。世の中の女の子も大抵綺麗な肌をしている。 綺麗な、人並みの肌であることは、私にとって恋をする資格のある人のことだった。私は汚いから、色々駄目だと思っていた。そう思う心が、内面が、外見に反映されることにも長く気付けなかった。それなのに自分は一人だ不幸だと嘆いて、勝手に傷付いて自分の弱さに人を巻き込んでいた。未熟で身勝手だった。 けれどアイコのように、この顔でなければ、体でなければ、気付けない人の弱さが沢山あった。私はこの体でなければもっと傲慢で品のない人間になっていたと思う。この体でよかったとまでは思えないけど、この体だから色んな事が見えた。それは紛れもない事実だった。 ここで描かれるのは、自分に自信が持てなかった女性が、 ようやく「自分をないがしろにしない」という決断ができるようになる、その過程なのだ。 この解説の言葉で私がなぜこんなにこの本に既視感を覚えるのか分かった。私もこの決断をするまで24年もかかった。自分という人間を受け入れる、という決断に、こんなに長い時間をかけた人間が、私以外にも、いた。それだけで、救われた。ありがたかった。アイコが観た十四歳の女の子のように、こんな些細な私の人生の決断を拾い上げてくれた、と思わずにはいられなかった。 島本さんのお話の女の子は弱くて儚げでか細い人ばかりだったから、アイコみたいな人も書くんだなって少し驚き。こういう人を、また主人公に据えてほしい。 独白、終わり。

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2015/10/27

帯は 「24歳、理系女子、初めての恋。」 これ、ハードカバーのときに 買おうかどうしようか悩んだ一冊です。 たまたま書店に足を運んだら目に飛び込んできて、 ぱらぱらっと読んで迷わずに手に取りました。 顔に目立つアザをもつアイコ、 映画監督の飛阪さんにはじめての恋をするーー。...

帯は 「24歳、理系女子、初めての恋。」 これ、ハードカバーのときに 買おうかどうしようか悩んだ一冊です。 たまたま書店に足を運んだら目に飛び込んできて、 ぱらぱらっと読んで迷わずに手に取りました。 顔に目立つアザをもつアイコ、 映画監督の飛阪さんにはじめての恋をするーー。 岡本太郎の、 「たとえ気どった恰好をしてみても、八頭身であろうが、  それをもし見えない鏡に映してみたら、  それぞれの絶望的な形でひんまがっている。」 という言葉を思い出しました。 本を読んでいると、 自分が見ないようにしていた感情や 忘れていた出来事や、 なにかを思い出したり、改めて感じたりすることが多くて。 きっと手に取る本は、自分がそのとき必要としているものを 無意識に取っているんだと思います。苦笑 この作品は他人事ではありませんでした。 私も一時期、映画監督に恋をしていたから。笑 あの時間は本当に自分にとって大切なものでした。 それにしても、飛阪さんに重なる部分が多くて、 やはりそうなのか、と苦笑いしてしまいましたが。笑 アイコ同様、私も必死でした。 知らないことだらけで自信もなくて、 だけど自分の気持ちだけは確固たるもので。 恋をして、世界は広がっていくのに、視界は狭まっていく。 またあの苦しくて切なくて、 だけど何にも変えられないあの気持ちを 思い起こさせてくれる作品です。 恋したくなります。 最初の一歩を踏み出したくなる一冊!

Posted byブクログ

2015/11/03

顔にアザがある大学院生のアイコ。 本の表紙のモデルになり、映画監督のインタビューを受ける。 アザは彼女のコンプレックスであり、プライドでもあり。 よだかの片思い、読んだ後は作品にぴったりのタイトルと思った。 後日、宮沢賢治のよだかの星も読んだ。確かに小学生で習ったかな~? 小説読...

顔にアザがある大学院生のアイコ。 本の表紙のモデルになり、映画監督のインタビューを受ける。 アザは彼女のコンプレックスであり、プライドでもあり。 よだかの片思い、読んだ後は作品にぴったりのタイトルと思った。 後日、宮沢賢治のよだかの星も読んだ。確かに小学生で習ったかな~? 小説読んだ後に読むといろいろ考えてしまうな。

Posted byブクログ

2015/10/23

顔にアザがある大学院生の話。 コンプレックスを含めて自分だから 上手く付き合っていくしかないとわかっていても なかなか認められないからこそコンプレックスなんだな。 相手の好意を感じられてるのに 結局片想いなときって幸せであり苦しくもあって どうしたらいいのかわからん。

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2015/10/14

自分の中で「ナラタージュ」以来の名作。筋としては至って普通の恋愛物なのに、島本さんが書くとどうしてこんなにもハッとさせられるのか。本当にオススメです。

Posted byブクログ

2015/10/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

顔にアザのある女の子と、とある若い映画監督との、恋のお話。 顔にアザのある女の子・アイコは、 「アザ」という、周囲から植え付けられたコンプレックスを抱え、自分を押し殺して生きている。 しかし、はじめて自分を、偏見を持たず受け入れてくれる映画監督・飛坂に出会い、恋をする。 自分に自信のなかったアイコは、はじめ、相手と自分の気持ちの大きさが等しくなくてもいい。そう思っていたが、次第に気持ちに変化が訪れる。 ―私がこんなに会いたくて必死になっている間に、飛坂さんはべつの用事を優先させることを決めていた。 私たちの関係性は、きっと変わらない。 この先も。 そう、アイコは気づくのだ。 こちらばかりが追いかけるのではなく、 同じくらい、相手に求めたっていい。 そう思えたのは、アイコが成長して、自分を大切にすることを知ったからだと思う。 アイコが飛坂さんを好きになって、告白するシーン。電車で飛坂さんのあどけない、無防備な寝顔を見て幸せに浸るシーン。 そんなひとつひとつにきゅんとする。 渋谷の喫茶店でのシーン。飛坂さんのはじめての素直な姿にきゅんとする。 みゅう先輩の、本当は「本音で話すのが苦手」と語るシーンに考えさせられる。 そういったそれぞれのシーンにアイコの行動や言葉があり、その行動や言葉の根拠が語られている(アイコは、こう思ったから、こうした。といった具合に語れられる)ので、私自身も、アイコを通して様々な人と触れ合い、少し成長した気がする。

Posted byブクログ

2015/10/12

2015.10.12 自分のコンプレックスであるアザ。 そのコンプレックスを常に前提として生きてきたアイコちゃん。 でも、彼女は飛坂さんに出会って恋をすることで、今まではアザを通して見てきた世界から抜け出し、 コンプレックスというフィルターを外した世界に出会いました。 恋をす...

2015.10.12 自分のコンプレックスであるアザ。 そのコンプレックスを常に前提として生きてきたアイコちゃん。 でも、彼女は飛坂さんに出会って恋をすることで、今まではアザを通して見てきた世界から抜け出し、 コンプレックスというフィルターを外した世界に出会いました。 恋をすることが、どんなに自分を変えて世界を変えてくれるのかということを気づかせてくれる一冊です。 好きな人に会うから、可愛くなりたい、綺麗になりたい、お洒落になりたい…。 そういった願望と裏表に、自分だけを見て欲しい、他の人に触れないでほしい、両想いでいたい…などなど欲望という感情も出てきます。 初めての恋で、自分が変わっていくことに葛藤しながらも懸命に飛坂さんへ気持ちをまっすぐ伝えるアイコちゃんはとても素敵でした♡

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2015/10/04

2015年31冊目。 重くなりたくないけど、重くなってしまう、のはわっかるなぁ~と思った。学生特有の感覚かなあ。 「私がこんなに会いたくて必死になっている間に、飛坂さんはべつの用事を優先させていた。私たちの関係性は、きっと変わらない。この先も。」 「出会った頃だったら、私はこの言...

2015年31冊目。 重くなりたくないけど、重くなってしまう、のはわっかるなぁ~と思った。学生特有の感覚かなあ。 「私がこんなに会いたくて必死になっている間に、飛坂さんはべつの用事を優先させていた。私たちの関係性は、きっと変わらない。この先も。」 「出会った頃だったら、私はこの言葉だけで、一生、満足できただろう。でも今は知ってしまった。求められることの幸福を。そうしたら、もっと欲張りになっていた。約束は守ってほしいし、私と会うことを1番楽しみにしてほしい。相手にも、こちらが想うのと同じくらい、好きになってほしい。付き合っているのに片想いみたいな状態じゃなくて。」 相手にとっては、これは重いなあ。温度が同じひとなら、良いけれど。 原田くんとは、もう少し軽やかに恋ができるんだろうなあ。 だけど、飛坂さんに惹かれちゃうの、わかるなあ。

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2015/10/05

顔にあざのある女性が、恋をするお話です。 アイコの性格嫌いじゃないな。 素直だし、ユーモアがある!みんながみんな自分に自信があるわけではないのに。アイコの強さは本当に素敵だと思った。 最後のミュウ先輩とのエピソードは泣けました。 自然と涙がポロポロでました。 恋愛模様はキュ...

顔にあざのある女性が、恋をするお話です。 アイコの性格嫌いじゃないな。 素直だし、ユーモアがある!みんながみんな自分に自信があるわけではないのに。アイコの強さは本当に素敵だと思った。 最後のミュウ先輩とのエピソードは泣けました。 自然と涙がポロポロでました。 恋愛模様はキュンってしちゃうシーンがあります。ネタバレになるので、詳しくは言えませんが。登坂さんならどんな女性でも心奪われそう。 図書館で借りましたが 文庫本買いたくなりました。

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2015/10/02

主人公の持っているコンプレックスは、人が誰しも持っているそれをわかりやすく表現したものなんだろう、なんてレビューが出てきそうなお話だなと思った。 とても読みやすくて読後感もさわやかで、さくっと読めるお話だった。 アイコの重力を受け止めて立っている感じと、恋に恋している浮遊感と、そ...

主人公の持っているコンプレックスは、人が誰しも持っているそれをわかりやすく表現したものなんだろう、なんてレビューが出てきそうなお話だなと思った。 とても読みやすくて読後感もさわやかで、さくっと読めるお話だった。 アイコの重力を受け止めて立っている感じと、恋に恋している浮遊感と、それを咀嚼し飲み込んで歩いていくところが、彼女のこれからの人生に幸あれと願わずにいられなくなる。願わなくともきっと素敵な未来が待っているのだろうけれど。 原田君推してたからやった~!と思いました。

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