かにみそ の商品レビュー
表題作、無邪気な蟹がどんどん怪物化してゆく不気味さがとてもよい。イノセントさが他者にとっての脅威になってゆくというのが、すごく皮肉で好き。そしてラスト、ずっと不気味だった蟹のイノセンスが涙を誘う。別に悪意があったわけではなくて、心のままに無邪気に生きたというだけだった。そしてそれ...
表題作、無邪気な蟹がどんどん怪物化してゆく不気味さがとてもよい。イノセントさが他者にとっての脅威になってゆくというのが、すごく皮肉で好き。そしてラスト、ずっと不気味だった蟹のイノセンスが涙を誘う。別に悪意があったわけではなくて、心のままに無邪気に生きたというだけだった。そしてそれが心底邪悪な行動だったんだよなー。 食べることと殺すことって美談みたいになりやすいけど、すごくグロテスクに書いていて、うまいなーと。 表題作でないほうの百合の花の話は今ひとつよくわからない。確かに百合ってグロいなーと思うことはあるけど、そこだけで話を膨らませるのはさすがに無理でないか?
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泣けるホラーと謳われているけれど、ホラーというか、むしろ怖いどころかなんだろうなぁ、どっか青春小説とかまたは恋愛小説を読んでいるみたいな雰囲気があって、個人的にはそっちの方のが印象として強かった。もちろん冷静に考えれば、人食い蟹(今思ったけど、これカニバリズムとかけてるのかな?)...
泣けるホラーと謳われているけれど、ホラーというか、むしろ怖いどころかなんだろうなぁ、どっか青春小説とかまたは恋愛小説を読んでいるみたいな雰囲気があって、個人的にはそっちの方のが印象として強かった。もちろん冷静に考えれば、人食い蟹(今思ったけど、これカニバリズムとかけてるのかな?)だなんて、めちゃくちゃ怖いけど、それよりも蟹の愛嬌にやられた 笑 百合の火葬の方が何か泣けるホラーというの合ってるんじゃないかなぁと。まぁ、かにみそと百合の火葬合わせての謳い文句だろうけど。 どちら共に「流星群」をきっかけに、日常に変異が表れてて、あとがきにも書いてあるようにこの「流星群」の日というのが、3.11らしいのが感慨深いような何か、考えさせられる 熱湯に飛び込んだ蟹、そして食べられちゃう蟹がやたらに切なくて、そして何だか妙にエロくて、う〜ん、だけどもしかして蟹は震災後の地震に対する慣れ、麻痺的な感覚を表してる存在であり、その妙でおかしい感覚と別れなきゃ…という、そういうメッセージがあると考えると、面白いなぁ… 短く、結構手軽に読めるので、何読もうかと悩んでる人なんかにはおすすめしたい小説
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「かにみそ」 なるほど、かにみそってここからね。 第20回日本ホラー小説大賞の優秀賞を受賞した「かにみそ」。読者賞「ウラミズ」と競り合っての受賞とのことで、更に選考委員に貴志祐介、宮部みゆき、高橋克彦、荒俣宏、って荒俣宏!?荒俣宏ってホラー小説書いてるの?とかて、でもってユニ...
「かにみそ」 なるほど、かにみそってここからね。 第20回日本ホラー小説大賞の優秀賞を受賞した「かにみそ」。読者賞「ウラミズ」と競り合っての受賞とのことで、更に選考委員に貴志祐介、宮部みゆき、高橋克彦、荒俣宏、って荒俣宏!?荒俣宏ってホラー小説書いてるの?とかて、でもってユニークな題名でどうやってホラーと結びつけたのか気になり手に取りました。 職を転々として今は無職の私は、朝浜辺で見つけた蟹。顔を近づけても撫でてもつついても逃げない蟹を家に持ち帰り、飼い始める。次第に興味が湧いてきた私は、新たな餌、綺麗な砂と蟹に買い与えるが、蟹はどんどん大きくなり、遂には言葉を発し始め、人を喰らうことに固執する。 蟹が話すだけでもホラーだが、あのデカイハサミと何より不気味な真っ黒な目をチラつかせながら音も立てずに綺麗に人を喰い、肉団子を放り出す。不気味この上ない。 しかし、この蟹よりもホラーなのは、20過ぎの私であるのを見逃してはならないと思います。蟹を買うために水槽にいた熱帯魚を庭土に捨て、熱帯魚が跳ねる姿を思い暗く笑う、蟹が吐き出した肉団子を家族の夜ご飯の肉団子の野菜あんかけに紛れ込ませる、蟹を連れ帰りながらも飽きたらばらばらにすればよい 等、明らかに常軌を逸しています。蟹を人喰い蟹にさせるのも私であり、蟹の最後を作るのも私。 人を殺すことを蟹で体現しているような様には、ぞくぞくさせる怖さがあり「生きることは食べること」と言い放つ蟹を見事に食べ上げ、生き生きとした衝動と感じる私には、底が見えない恐怖を抱えている様に思えます。蟹に隠れた私にあるこの怖さこそホラー。
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蟹が可愛かった。あとがきで貴志祐介評が「ホラーっていうより…」という内容だったけど、個人的にこれまで読んだ角川ホラーの中で3本の指に入るくらい怖かった。下手にホラーホラーしてる入りじゃなかったのが大きかったのかも。
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変なタイトルと、西島大介の可愛い表紙絵、そして「ホラー」という組み合わせの妙で、つい読んでしまった。 蟹が人を食べ始めると、タイトルから結末は見えるので、驚きはないし、別に「泣ける」こともないが、蟹のキャラクターが、ごく普通の人間の青年という感じで、なかなか面白かった。「喧嘩両...
変なタイトルと、西島大介の可愛い表紙絵、そして「ホラー」という組み合わせの妙で、つい読んでしまった。 蟹が人を食べ始めると、タイトルから結末は見えるので、驚きはないし、別に「泣ける」こともないが、蟹のキャラクターが、ごく普通の人間の青年という感じで、なかなか面白かった。「喧嘩両成敗」って、食欲に負けたくせに、かっこつけちゃって。 この作品だけなら、たまたま上手く書けたのかもという気がしないでもないが、「百合の火葬」を読むと、人間描写も構成力もちゃんとあることがわかる。こちらの方が好感が持てた。 特に好きでもないし、人にも薦めないけど、読みやすく、時間つぶしには良い。
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ホラーなのにこのイラスト、そしてこのタイトル!毎回見かけるたびに気になっていた。カニ可愛い。 読み進めるとどんどんカニが愛おしくなってくる。生きるために食べる。食べちゃいけないなら死ぬしかない。シンプルな発想だけど、友達のためになりたかったんだろうなと思うと切ないね。食べることもまた愛か。
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人喰い蟹と、無気力青年のハートフルストーリー♡ 人喰い蟹になったキッカケは主人公が衝動的に殺人を犯してしまった死体の処理から。。 証拠隠滅。とかではなく、、「蟹、これ食べるかな?」と、ただ思った事がキッカケ。。 それをキッカケに、蟹は人間狩りを始める。 ただ食欲を満たすために。。 主人公に全く共感は出来ない。 でも、蟹が、、めちゃ可愛い。。♡ これは表紙のイラストのせいだと思われる。 ここまで表紙のイラストに左右される作品もなかなか無いのでは?? これがもし、普通に怪物の蟹が描かれていたら? それか、抽象的に濁されていたら? 可愛い。と思えたかどうか。。 いつの間にか、めっちゃ蟹に感情移入。 ラストは号泣。( T_T ) もう、泣く絵文字で表せない程ʬʬʬ ものすごく泣きました。胸が痛くなるくらい。 本を読んで、ここまで泣いたことがあるかどうか?? それを職場で話したら、「どんな本?」と聞かれたので「人喰い蟹の話」と言ったら、 ヾ(ヽ0Д0)ェエエ工ー!!と驚かれた。 そうだよね(ノ∀`笑) 切ない系ホラーでホロリ(゜-Å)ホロリ とか、聞いてたけれど、、そんなものではない私の感情移入っぷり! だって蟹は悪くない。 生きていくため。食べるんだ。 あ、なんか寄生獣を思い出した。 寄生獣でも号泣したな私。。 もしかして、ちょっと変わってる??ʬʬʬ
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かにみそは、怖いというよりは、救いを感じる。 不思議なお話だけど、蟹と主人公の絆が偽善すぎるほど美しいところも現実離れしててかえっていいと思う。 百合の火葬は、不思議すぎて頭が追いつかない…。結局、百合は人に何をもたらしたの? ぼやけすぎたラストにもやもやした。
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文庫本を購入。切ないホラーファンタジーのジャンルになるかな。海辺で拾った蟹を育てるうちに喋り出す。しかも賢い。生物原理に基づいて生きるために肉も食うようになり人間も食べ始めるのだが…最後は切ない展開で感傷に浸る余韻が残る。百合の火葬の話も切ない。百合の花が意思を持っていて、人間の...
文庫本を購入。切ないホラーファンタジーのジャンルになるかな。海辺で拾った蟹を育てるうちに喋り出す。しかも賢い。生物原理に基づいて生きるために肉も食うようになり人間も食べ始めるのだが…最後は切ない展開で感傷に浸る余韻が残る。百合の火葬の話も切ない。百合の花が意思を持っていて、人間の記憶など吸い取り老化させてしまう不気味な話だが最後は自己解決で終わる。人間模様は切ない話である。
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タイトルと表紙絵に胡散臭さを感じながらも敢えて読んでみる。本の中身は無気力に生きる青年が喋るカニを通じ、人として『脱皮』する話。『決心のきっかけは理屈ではなくていつだってこの胸の衝動から始まる。流されてしまうこと抵抗しながら生きるとは選択肢たった一つを選ぶこと。決心は自分から思っ...
タイトルと表紙絵に胡散臭さを感じながらも敢えて読んでみる。本の中身は無気力に生きる青年が喋るカニを通じ、人として『脱皮』する話。『決心のきっかけは理屈ではなくていつだってこの胸の衝動から始まる。流されてしまうこと抵抗しながら生きるとは選択肢たった一つを選ぶこと。決心は自分から思ったそのまま…生きよう。』どっかの歌詞の様なオチではあるがどこか残酷でエロチックで不思議な友情奇譚は決して悪くはない。でもって何が一番ホラーか?というと、著者が女性だったという事を付け加えておこう。
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