岬のマヨイガ の商品レビュー
震災のとき偶然に一緒に居合わせ、そのまま一緒に暮らすことになったおばあさんと女の人と女の子。それぞれ事情を抱えた3人が、震災後の狐崎で一緒に生きていく。 震災という現実に起こった災害に、遠野の不思議な物語がうまく組み合わされ、暗くも重くもない素敵なお話になっている。前半は、ひよ...
震災のとき偶然に一緒に居合わせ、そのまま一緒に暮らすことになったおばあさんと女の人と女の子。それぞれ事情を抱えた3人が、震災後の狐崎で一緒に生きていく。 震災という現実に起こった災害に、遠野の不思議な物語がうまく組み合わされ、暗くも重くもない素敵なお話になっている。前半は、ひよりたち3人の生活に焦点があてられ、後半は遠野の昔話や不思議なひとたちが中心になって、どんどん物語の世界にひきこまれていく。おもしろかった。実際の出来事と物語の世界がとてもきれいに溶け合っていると思った。
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震災を絡めたお話です。作者の方が、頼まれて書いたって聞きましたが、どうなのでしょう。 直接体験された方は、いろいろ思うところもあるでしょうが、わたしは好きなお話でした。 辛い経験も背負っていかなくてはならないけれど、それを過去として、未来をどう生きていくか。選ぶのは自分自身以外に...
震災を絡めたお話です。作者の方が、頼まれて書いたって聞きましたが、どうなのでしょう。 直接体験された方は、いろいろ思うところもあるでしょうが、わたしは好きなお話でした。 辛い経験も背負っていかなくてはならないけれど、それを過去として、未来をどう生きていくか。選ぶのは自分自身以外にはいないんだなと。 おばあちゃんが素敵でした。
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冒頭のシーンはあの震災を思い起こさせるので、まだその話が難しい人はもう少したってから読む方が良いかも。 血縁関係もない偶然居合わせたおばあちゃんと女性と女の子が共同生活を初めて一つの家族になっていく物語。 老人介護施設に入居する為に東野から移動してきたおばあちゃん。 DV夫から...
冒頭のシーンはあの震災を思い起こさせるので、まだその話が難しい人はもう少したってから読む方が良いかも。 血縁関係もない偶然居合わせたおばあちゃんと女性と女の子が共同生活を初めて一つの家族になっていく物語。 老人介護施設に入居する為に東野から移動してきたおばあちゃん。 DV夫から逃げ出した女性。 両親を亡くし声が出なくなった状態で歓迎されていない親戚の所に預けられる為にやって来た女の子。 同じ日に着いた土地で大震災に見舞われ・・・ってかなり重い始まり方。 でも、このおばあちゃんはとても不思議なおばあちゃんで、 思いもよらない知り合いが。 成り行き上名前を偽りそんなおばあちゃんと一緒に暮らし始める女性と女の子。おばあちゃんのおかげで様々な不思議な体験をし、家族として絆を深めていきます。 地元の人達にも受け入れられ、おばちゃんの不思議な知り合い達とも仲良くなり、ある困難に立ち向かいます。 悲しい事もあるけどほっこりする体験も沢山。 こんな不思議なおうちに住めたら面白そう。
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ある日、津波にあい、避難所にやって来た萌花とゆりえ。 命は助かったが、身元を聞かれて困惑する二人。そこへ救いの手をさしのべたのは、一人のおばあさん、山名キワだった。 そこから、女三人の不思議な生活が始まる。 私はこの本を読んで、津波で起きる奇跡はあるんだ!と思った。津波は、こわ...
ある日、津波にあい、避難所にやって来た萌花とゆりえ。 命は助かったが、身元を聞かれて困惑する二人。そこへ救いの手をさしのべたのは、一人のおばあさん、山名キワだった。 そこから、女三人の不思議な生活が始まる。 私はこの本を読んで、津波で起きる奇跡はあるんだ!と思った。津波は、こわいイメージだけど、こんな共同生活が生まれるとは、思いもしなかったからだ。 ぜひ、みなさんも読んでほしい。
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大好きな柏葉幸子さんの児童書。女流児童書作家、水木しげる版というか、お話の中に、よく、昔からの不思議なものが出てきます。今回は震災後の岩手の話で、最初読み終えられるか心配だったけれど、わたしにとっては、良いリハビリになりました。 最近は、主人公がおばさんだったりすることも多くて、...
大好きな柏葉幸子さんの児童書。女流児童書作家、水木しげる版というか、お話の中に、よく、昔からの不思議なものが出てきます。今回は震災後の岩手の話で、最初読み終えられるか心配だったけれど、わたしにとっては、良いリハビリになりました。 最近は、主人公がおばさんだったりすることも多くて、やはり、読者も一緒に年齢を重ねてるのかなぁと。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
東日本大震災の日、DVの夫から逃げてきたゆりえは、知らない伯父の家に預けられに行く萌花と出会い、一緒に避難します。避難所で身元確認をされたとき、とっさに介護施設入居予定者のキワに、彼女の嫁結(ユイママ)と孫ひよりにしてもらいます。 その後彼女たちは避難所を出て、古民家で家族として暮らし始めます。 ある日、お客があるからとご馳走を準備していたところ、やってきたのは河童で、おばあちゃん(キワ)の依頼で、怖いものを閉じ込めていた封印が津波で解けたことを確認しに行ってくれていたのでした。おばあちゃんは、ふしぎなものたちとのコミュニケーション能力を持った人でした。 その怖いもの退治のために、3人の戦いが始まります。 東日本大震災後の狐崎を舞台に、モノノケ(?)たちの戦いを、人々の震災への想いを巻き込みながら描くファンタジー。 う~ん。正直これは辛いです。 まず、高学年向きとはいえ、児童書に、DVのために家のお金を持って逃げてきた女性が描かれます。これを子どもにわかれというのは難しいでしょう。 次に、東日本大震災。ここへの想いを綴りたかった気持ちはわかりますが、直接描くのではなくファンタジーの舞台にしています。そうするとこの震災への気持ちは単なる下敷き、脇役になってしまう。 それと、登場する不思議なもの達。地域の河童に地元のお地蔵さま、狛犬……。たくさん出てきて、それぞれの紹介が、まるで地元案内。せっかくの戦いの緊張感が削がれます。 あまりにたくさんの要素を詰め込み過ぎたので、ごちゃごちゃになっているのです。 傷ついた女性と少女が古民家でちょっと不思議なおばあちゃんと暮らすうち、心が溶けてきた……これならわかります。 大波で封印が説かれた化け物を、ご縁があって家族になった3世代女性がやっつける……こんなのもいいと思います。 でも、何よりもあの震災は、ファンタジーの下敷きにするには、まだ生々しすぎると思うのです。 挿絵も、最初は漫画チックで興醒めだと思っていましたが、後半はその方が深刻に読まなくてよいとも感じました。
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