呪文 の商品レビュー
ジリジリ歯抜けになっていく商店街をどう活性化させていくか、地方創生の時代に待望のビジネス書である…というのは嘘だ。タイトル見ればわかるよね。 歯抜けになっていく商店街の若きリーダーの店に降りかかったネットでの誹謗中傷攻撃に対して、この町の一部のメンバーは「未来系」などと名乗る自...
ジリジリ歯抜けになっていく商店街をどう活性化させていくか、地方創生の時代に待望のビジネス書である…というのは嘘だ。タイトル見ればわかるよね。 歯抜けになっていく商店街の若きリーダーの店に降りかかったネットでの誹謗中傷攻撃に対して、この町の一部のメンバーは「未来系」などと名乗る自警団を作る。彼らはジリジリと伸していく。そこにしたがわないものは、あるものは口説かれ、あるものは脅され、「覚醒」するか、追放されていく。 街の善意が他者にとっては悪意になる、ということを最近経験した。これからも経験する予感がしている。そこには相対的な発想や他者を許容するという発想がない。 その場で「活躍」する人だけが欲しい、ということだ。これは現政権になってからとても目立つけど、もともと日本の各地に本質的にある問題なのかもしれない。気持ち悪い。 本書のテーマもそのあたりにあるのかな、とも思ったが、どうも搦め手による罠みたいなものばかりが目についてしまった。
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始めの方は面白くどんな展開になってくんだろうと期待しながら読んでたが、どんどん自分が思ってたのと違う、訳のわからない方向へ。結局何が言いたかったの?って感じで終わり収集つかないままって感じ。図書館で借りたので損した気がしないだけ良かったか…
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現代の心の闇をクローズアップすると、こういう話ができると知って感心したが、自分にはつかみどころのない内容だった。
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人の心をあやつる言葉、それが呪文。廃れていく商店街の再生を舞台に、クレイマー心理や煽動されやすい集団心理を描いて、不気味。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「どこを切っても、自分がグズである証しか出てこない。クズの本分は、死ぬこと。死んで、この社会に蔓延する価値観がまやかしであることを、広く知らしめること。増えすぎた無駄を消していかないと人類は再生できないことを、身をもって示すこと。みんながこぞって一新に乗り出していきたくなるよう、目覚めさせること。」
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寂れた商店街、ネットによる嫌がらせ、それらに商店街組合の事務局長である図領が立ち向かうが、霧生は不穏なモノを感じていた。 前半はスリラーで宗教的に商店街を乗っ取って行く過程が面白かったのに、後半から何かスピリチャルな方向へ行ってしまい収拾が付かなくなった感がある。目新しさを目指し...
寂れた商店街、ネットによる嫌がらせ、それらに商店街組合の事務局長である図領が立ち向かうが、霧生は不穏なモノを感じていた。 前半はスリラーで宗教的に商店街を乗っ取って行く過程が面白かったのに、後半から何かスピリチャルな方向へ行ってしまい収拾が付かなくなった感がある。目新しさを目指したのかも。文学ではある。
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新規店舗が定着しない商店街、理由は昔から商売を営む旧組合員と新たに店舗を開店した新規組合員との確執、開店時の立地条件見通しの甘さ。そのような苦戦する商売人の中、リーダーとしての頭角を表す若い経営者図領。様々な仕掛けで商店街に活気を呼び戻すための行動をおこす。 最初に新聞の紹介であ...
新規店舗が定着しない商店街、理由は昔から商売を営む旧組合員と新たに店舗を開店した新規組合員との確執、開店時の立地条件見通しの甘さ。そのような苦戦する商売人の中、リーダーとしての頭角を表す若い経営者図領。様々な仕掛けで商店街に活気を呼び戻すための行動をおこす。 最初に新聞の紹介であらすじを読んで、関心を持ち借りてきました。 でも、なんちゅうか、途中から何が言いたいのか分からなくなってきた。途中からストーリーの趣旨が変わった感じ。先に同作者の「俺俺」を借りて読んでみましたが、読み切れずに途中で挫折しました。僕には合わん。。 ただ、一カ所共感出来る箇所がありました。商店街は組合員同士助け合うということは大切だけれども、まずは自分で頑張るという意識がないと助け合いは単なる傷の舐め合いになるということ。。それは厳しい現実をみんなで一緒になって見ないようにするだけの逃避行動で、問題解決ではない。。 なるほど、身につまされる。。。
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ところどころに これから先に待っているだろう悪い予感が 見て取れて それがどんどんと確信になっていく 表面では、いい感じのようだけど そうではない。 不気味な感じを十分に出してました。
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2016.1.23.商店街の活性化の話しがなんでここまで飛躍するの?とついていけなかった。どういう意図で書かれたんだろう。霧生がメキシコでトルタに出会う過程や商店街にみせを出すまではとても面白かったのだが。それはこの作品の前半部分。わけがわからない展開になってしまった。
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寂れた商店街を復活させるためにはどうしたら良いのか? 少子高齢化、都市への一極集中。 地方に限らず、個人商店の生き残りは難しい局面を迎えている。 そんな時代に、救世主が現れた。 食事も取れる居酒屋、「麦ばたけ」の店主、図領だ。 彼の手腕により、商店街は復活したように見えたが......
寂れた商店街を復活させるためにはどうしたら良いのか? 少子高齢化、都市への一極集中。 地方に限らず、個人商店の生き残りは難しい局面を迎えている。 そんな時代に、救世主が現れた。 食事も取れる居酒屋、「麦ばたけ」の店主、図領だ。 彼の手腕により、商店街は復活したように見えたが......。 この展開がどうなっていくのか、ワクワクした。 図領やその手したがどう復活させていくのか。 なぜ商店街に人がいつかなかったのか。 ネットの恐ろしさ、また逆にそれを利用するにはどうしたらいいのか。 様々な期待があった。 しかし、だ。 この物語は、「クズ」の存在が大きくなるにつれ、元となる話が脇に追いやられてしまって行ったように感じた。 侵食されていく商店街の姿が消え、彼の発する「呪文」ばかりが大きくなっていく。 前半の物語が良かっただけに、後半、また終わり方が肩透かしを食らったような気持ちになった。 この終わり方では、約束を守った「クズ」たちがかわいそう、それでその後はどうなるんだ。 霧生も、助け出され、生き残ることで街の再建に関われるかもしれないが、それを逃げたと捉えることで、罪悪感が募り、結局再び、今度は自ら「呪文」にとらわれるのではないか。 悪化が良貨を駆逐する、そういう物語が好きではないせいかもしれない。 霧生に希望を見出せるかもしれない。 だが、私としては消化不良。
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