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あのひとは蜘蛛を潰せない の商品レビュー

4

137件のお客様レビュー

  1. 5つ

    33

  2. 4つ

    57

  3. 3つ

    26

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2024/05/18

めちゃくちゃ良かった。母との関係、母に愛されたいけどうまくいかず憎む気持ちに共感されっぱなしで、同じような気持ちになる人がいるのだとどこか安心する気持ちになる。主人公の、常に社会的に「ちゃんと」しないといけない気持ちも痛いほどわかる。帰結では強くなれた主人公を見て、イヤなことはイ...

めちゃくちゃ良かった。母との関係、母に愛されたいけどうまくいかず憎む気持ちに共感されっぱなしで、同じような気持ちになる人がいるのだとどこか安心する気持ちになる。主人公の、常に社会的に「ちゃんと」しないといけない気持ちも痛いほどわかる。帰結では強くなれた主人公を見て、イヤなことはイヤと言おうという、勇気が出る

Posted byブクログ

2024/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「みっともない」と「かわいそう」の呪縛。 完全には消えはしないけど、梨枝が踏み出せて良かったです。面白くてあっという間に読んでしまいました。 わたしの母も梨枝の母みたいなところがある…というか、ここが九州とかわたしが長女というだけでなく、娘を持つ女親って大なり小なりこういうところあるかも。紀子は娘をコントロールすることで自分を保ってるんだろうな…わたしの母は違った理由もあったのだけれど。理解はできるけど納得はできないです。 「かわいそう」と思うことで、歪んだ優越感が得られる…という黒い気持ちもまざまざと見せつけられます。自分自身も誰かからかわいそうだと思われてるだろうし、誰かに言われてるのは嫌なのに、「かわいそうなあの人よりはマシ」と思いながら生きてる。 梨枝が、恋人の三葉くんに母親と同じ態度取ってしまってるところは心が痛くなりました。 三葉くんにも、抱えるものがあったから壊れはしなかったけれど。 お互いに、必要なときに出会ったのだな。出会えて良かった。サキさんともそんな気がする。 わたしも蜘蛛は殺さず逃がします。害虫取ってくれる益虫だし。

Posted byブクログ

2024/03/28

どんな時も「みっともない女になるな」という母の"正しさ"が呪縛のように付き纏う28歳実家暮らしの女性が 恋をして初めて母に抗って、だけど結局何が正しいのか分からなくて悩んだり、間違えたり、それでも日々を生きていく物語。 日常的で、生々しくて、それでいて根暗な内...

どんな時も「みっともない女になるな」という母の"正しさ"が呪縛のように付き纏う28歳実家暮らしの女性が 恋をして初めて母に抗って、だけど結局何が正しいのか分からなくて悩んだり、間違えたり、それでも日々を生きていく物語。 日常的で、生々しくて、それでいて根暗な内容だけど一応 恋愛もの。好きです。 自分の考えを上手く伝えられない、相手の事がよく分からない、当たり前な事の表現とか文章が秀逸ですんなりと頭に入ってくる作品

Posted byブクログ

2024/03/15

蜘蛛は、「なんとなく嫌な状況」の象徴と捉えて読み進めた。潰すか逃がすか、そのまま放っておくか、人それぞれで面白い。

Posted byブクログ

2024/03/03

昔帯に椎名林檎さんがコメントを寄せていて、気になってはいたが、最近ようやく手に取って読んだ。 読んで改めて考えたこと。「みっともない」とか「かわいそう」ってのは多分、力関係に基づいた感情だ。贈与は暴力になり得る。 「人の目がこわい」というのはそうした感情に絡め取られた結果であっ...

昔帯に椎名林檎さんがコメントを寄せていて、気になってはいたが、最近ようやく手に取って読んだ。 読んで改めて考えたこと。「みっともない」とか「かわいそう」ってのは多分、力関係に基づいた感情だ。贈与は暴力になり得る。 「人の目がこわい」というのはそうした感情に絡め取られた結果であって、自分は実感としてよく分かった。 身につまされる話が多くあり好きなのだが、彩瀬先生の「大人観」が出ている気がした。先生は周りの物事に依存せず自立することが大人になることであって、それを経て初めて他者とのパートナーシップを築き得るということなのかなと自分は読んだ。 子供と大人の間には時を重ねただけでは乗り越えられない段差があり、自分にとってしんどい「体験」を積んで行くしかないのかもしれない。 梨枝にとっては「自分を責める人たち」と向き合うことだったのだと思う。 蜘蛛を潰すことも外に逃がしもせず、目を逸らして生きてきたが、我が子と出会って自分も少しは成長したと感じていて、今この作品を読めたのは良かった。 若い頃に読んでいたらしばらく立ち直れなかったと思う。

Posted byブクログ

2024/02/18

あっという間に1日で読んでしまった。 書いてあることはなんとなく分かる。 分かりやすく伝えようと言葉を選ぶと、はじめの意味から遠ざかってしまうとか。ちゃんとしなきゃ、とか。 ちゃんとって何だろうって、本当にここ最近あるきっかけがあって自分も考え始めた。きっかけがなきゃ考えないく...

あっという間に1日で読んでしまった。 書いてあることはなんとなく分かる。 分かりやすく伝えようと言葉を選ぶと、はじめの意味から遠ざかってしまうとか。ちゃんとしなきゃ、とか。 ちゃんとって何だろうって、本当にここ最近あるきっかけがあって自分も考え始めた。きっかけがなきゃ考えないくらい、自分の中では当たり前だったんだよなー。 でも、表現の仕方がわたしにはあまりピンと来なくて、読み終わった後も「蜘蛛ってなんだったんだろう?」「さざんかってなんだったんだろう?」となった。 もう一度、じっくり読み返したい!

Posted byブクログ

2024/03/19

【2024年8冊目】 めちゃくちゃ好みの作品でした。 最初は毒親から逃れる話かと思ったんですよ。全然そうじゃなかった。主人公が一人の人間として、生きる話でした。 28歳で実家暮らしであることに引け目を感じていたものの、兄から子が生まれることをきっかけに、実家に戻ろうと思ってい...

【2024年8冊目】 めちゃくちゃ好みの作品でした。 最初は毒親から逃れる話かと思ったんですよ。全然そうじゃなかった。主人公が一人の人間として、生きる話でした。 28歳で実家暮らしであることに引け目を感じていたものの、兄から子が生まれることをきっかけに、実家に戻ろうと思っている連絡を受け、一人暮らしを決意する主人公。ずっと片親であった母親の呪縛みたいなものがあったのですが、そこから解き放たれたわけです。 途中までは母親のことを毒親として認識してましたが、母親も母親で子どもに「かわいそう」と認識される存在であることに気づき、互いにめちゃくちゃ辛いじゃんと思って心臓握りつぶされるかと思いました。 途中からは三葉くんとの関係性の話とか、義姉の話にも深く関わってきて、あーっ、頼むから不器用な全ての登場人物達全員幸せにな方向性になって欲しい…と思いながら、鬼瓦みたいな顔で酒を飲みながら読みました。 良かった、あるべきところに落ち着いて…。途中から酒飲んじゃったので、時間を置いて、素面の時に再読したいと思います。

Posted byブクログ

2023/12/08

タイトルのインパクトが強烈だったので手に取りました。面白そうな予感がして、読むのが楽しみな積読本でした。結果、面白すぎて数時間で読み切ってしまいました。。。 あんなに、楽しみだったのに1日で読んでしまうのは勿体無い気もしましたがとまりませんでした。 ドラッグストアでの従業員同士...

タイトルのインパクトが強烈だったので手に取りました。面白そうな予感がして、読むのが楽しみな積読本でした。結果、面白すぎて数時間で読み切ってしまいました。。。 あんなに、楽しみだったのに1日で読んでしまうのは勿体無い気もしましたがとまりませんでした。 ドラッグストアでの従業員同士のやり取りはなんかリアル味がありました。母はイカれてましたね。雪ちゃんと表面上うまくやってるのが不思議なくらい。ミツバ君との関係が、色んな意味で救いだったように思います。途中モノで繋いでしまうのは流石に怖かったです。姉の写真のくだりがよくわかりませんでしたが、、、 最後はスカッとさせてもらえて良かったです。

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2023/11/24

「あの人」は柳原さん、ですよね? だって他の人、だいたい蜘蛛さわれたので… 実際、私と主人公は境遇が違ってピンとは来なかったけど、必ず居ると思う。そんな人にこれ読んで元気になってほしいなって思う。 私も頭痛持ちで、時々頭痛薬を飲むのだけど。前に、頭痛薬の副作用のところに、「頭痛...

「あの人」は柳原さん、ですよね? だって他の人、だいたい蜘蛛さわれたので… 実際、私と主人公は境遇が違ってピンとは来なかったけど、必ず居ると思う。そんな人にこれ読んで元気になってほしいなって思う。 私も頭痛持ちで、時々頭痛薬を飲むのだけど。前に、頭痛薬の副作用のところに、「頭痛」って書いてあって、え…(・_・;って思ったことがあるのを思い出しました。

Posted byブクログ

2023/11/14

出だしと終わりが同じ蜘蛛のこと、文章の作り方が上手いから読むのが止まらない進んでいくんだ。最後は居なくなった柳原さんを疑問を持たずに心配している、これは成長なんだろうな、お母さんの呪縛から逃れて、でも膿のように蔓延っていて、恋人との楽しい日々がだんだんと無くなる様に、物語も下火に...

出だしと終わりが同じ蜘蛛のこと、文章の作り方が上手いから読むのが止まらない進んでいくんだ。最後は居なくなった柳原さんを疑問を持たずに心配している、これは成長なんだろうな、お母さんの呪縛から逃れて、でも膿のように蔓延っていて、恋人との楽しい日々がだんだんと無くなる様に、物語も下火になるのかなって思いました。けど自問自答して人に言われてるとか自分で決められないとかを悩む心を克服して、前に進むんだ。副店長にハッキリ言えたのが痛快でした。途中に自分が精神的にお母さんにされた事を恋人にしたのが心配だったけど

Posted byブクログ