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あのひとは蜘蛛を潰せない の商品レビュー

4

140件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

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  3. 3つ

    26

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2023/05/31

なんとも繊細な物語でした。語られる感情はあまりにも覚えが有りすぎて辛くなるほど。 ラストはほの明るい光を感じさせるものだったので、是非ともこのまま彼らが背を延ばして生きていければと願う。

Posted byブクログ

2023/05/30

母との関係、重苦しかったけど言葉にうまく言えない空気感をうまく書いている小説だと思った。 「ちゃんと」がたくさん出てくる。私も無意識に「ちゃんとして。」「ちゃんとしなきゃ」を言っていたなと思った。 でも読み終わったあとは、なんだかなんとも言えない気持ちだった。

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2023/04/30

相手にない自分の弱いところを人に見せれてたり、自分にない相手の弱い部分を理解して、その人と繋がっていける関係がいいと思う。 なかなか難しいことやわ。

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2023/04/06

感想 良い子シンドローム。親から与えられた呪いは視野を狭め人生をつまらなくする。だが逃れるきっかけはどこにでもある。それを拾うかは自分次第。

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2023/03/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なぜ、このようなタイトルなのか、あの人を指す人は誰なのか。 私は、タイトルにとても影響力があると思っている。 最初に出てきた‘蜘蛛をつぶせない人’が最後にどのようにして書かれるのかと気になって読み進めていたが、最後はあまり書かれていなかった。主人公の中で頭の片隅にいる存在だったようだ。 成長するからといって大人になるということはなく、性格は変わらない。生きていく中で足りないものを求めていくような作品。 私の中で印象に残ったシーンは、三葉くんが店長を初めて朝食に誘ったシーンで三葉君は、ツナマヨと銀鮭おにぎりを選んだのに対し、店長は塩昆布おにぎりを選んだので「塩昆布のおにぎり買う人初めて見た」「塩昆布と海苔って、海藻じゃないですか」「ただでさえおにぎりは海藻でくるまれてんのに、具まで海藻って、なんか損した気分になりません?」と言っていたシーンがあってなんか好きでした。 最初は主人公の店長にたいし、モヤモヤした気分でいたが、正反対の人と関わる事で、変化することができるハッピーエンドの作品でした。

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2023/03/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

-私は母と二人で暮らしている- 【どうして私は、母とうまく行かなかったのだろう。私と母のどちらが、どれだけ悪かったのだろう。】【三葉くんと話しながら、私ははじめて、自分のことをずいぶんたくさん「恥ずかしい」と思っていたことに気づいた】【人と付き合うって、こんなに憂鬱なことだったのか】28歳、ドラッグストアの店長の梨枝と、《みっともない女になるな》という、母。鎮痛剤に依存している女性客がきたり、《ひょんなことから銭湯で一緒になり鎮痛剤の彼女と主人公の梨枝が近しくなっていく場面はなんだかとても良かったな》みんな何かを心に抱え重しを感じながら生きている。でも、【明日も起きて、ゴミを出したり、自転車を漕いで出勤したりして暮らしていく力を、持っている。この人から、与えられた。】とてもとても、大きな力を母からもらっていたのだ。そう思いながら、読了。

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2023/03/08

自分が抱いてる漠然とした不安を言語化してくれた感じがした。 他人が強くて羨ましくなるのは、その人の不安が分からないから。今までそんなふうに考えたことがなかった。 自分の不安も結局他人には分からないし、自分自身でも分かることはないんだろうなと思った。少し悲しいけど、それは仕方な...

自分が抱いてる漠然とした不安を言語化してくれた感じがした。 他人が強くて羨ましくなるのは、その人の不安が分からないから。今までそんなふうに考えたことがなかった。 自分の不安も結局他人には分からないし、自分自身でも分かることはないんだろうなと思った。少し悲しいけど、それは仕方ないことだと腑に落ちた。

Posted byブクログ

2023/02/08

味とかの細かい表現が的確すぎてよく頭に馴染んだ。だからこそ主人公の心情表現に説得力が出てた。言葉にできないことを言葉で表していた。こういう文を書きたい。かわいそう、ちゃんとって何?普段から違和感を覚えていたことで題材興味もあった。

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2023/01/30

「(略)記憶の中の柳原さんはなに一つ変わらないのに、時間が経つにつれあの人に対する私の立ち位置がぐるぐると変わる。」p123 「彼の中にも私と同じく、なにかしらの、人を笑うことで上塗りしてしまいたいものがあるのだろう。」p227 腐敗と死の匂い。さざんかの禍々しい緋色。

Posted byブクログ

2023/01/26

読み手の年代によっては耳が痛い小説だと思う。私はどちらかというと三葉の立場だが、主人公の気持ちもよくわかった。というか、似たような境遇の人間を知っているので、共感することができた。 作中には何度も「ちゃんと」という言葉が出てくるが、人にとって「ちゃんと」の定義は違う。また、「か...

読み手の年代によっては耳が痛い小説だと思う。私はどちらかというと三葉の立場だが、主人公の気持ちもよくわかった。というか、似たような境遇の人間を知っているので、共感することができた。 作中には何度も「ちゃんと」という言葉が出てくるが、人にとって「ちゃんと」の定義は違う。また、「かわいそう」も人によって違う。それなのに、それを押し付けるような人たちがたくさん出てきて、若干現代社会の縮図っぽかった。別に言われたことを素直に受け止めなければいいのに、真面目な主人公はいちいち考える。人は、考えることをやめようとしてもやめられない生き物だと思う。なのに、周りの人はわかってくれない。生きるのしんどそう。 全体的に生きるのがしんどい人の話だと思う。『流浪の月』ほどはわかりやすくなく、設定に頼っていないが、みんな見えないところで大変で、でもそのことにお互い気がつこうとしない。図星を指されて恥ずかしくなって、だったら指されるようなことを言わなければいいのにと思う。 最後は上手くいきすぎてリアリティがなかったが、フィクションという枠組みの中ではとても楽しめる作品で、考えさせられた。私と同じ年代の人には割とドンピシャだと思う。すごく良かった。

Posted byブクログ