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しんがり 山一證券最後の12人 の商品レビュー

3.9

97件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    37

  3. 3つ

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2016/02/18

まだ記憶に残る山一證券破綻時の精算業務のお話。 確かに1997年は大変な年でした。準大手である三洋証券が潰れ、絶対潰れることなどないと思っていた都市銀行の一角、北海道拓殖銀行が破綻。 とどめに山一證券の自主廃業が日経の一面に載りましたよね。 自主廃業ってなんやねん!と思った記憶が...

まだ記憶に残る山一證券破綻時の精算業務のお話。 確かに1997年は大変な年でした。準大手である三洋証券が潰れ、絶対潰れることなどないと思っていた都市銀行の一角、北海道拓殖銀行が破綻。 とどめに山一證券の自主廃業が日経の一面に載りましたよね。 自主廃業ってなんやねん!と思った記憶が有ります。 その自主廃業に係る精算業務に携わったギョウカン(業務管理本部)の苦難の道を赤裸々に描いている。 預かり資産を全顧客に返還する精算業務と同時に、自主廃業に至った原因で有る簿外債務を徹底調査する事になるギョウカンの面々。 社長や副社長、経営の根幹に携わったお偉いさんを糾弾しなければならないのだから大変だ。 サラリーマンなら考えただけで胃が痛くなる。 事実を開示して欲しくない経営陣の面々。遂に出来上がった調査報告書を前に内々で済ませようとする旧経営陣。 最初kから最後まで邪魔されながら遂に報道陣に実名入りで全てを公表するギョウカンの面々。カッコいいです。肝が据わっています。 但し山一解散後は順風満帆なサラリーマン生活を送ったとは言い難い調査委員会の面々。 それでも得難い経験をした、充実していたと言い切る人たち。みんな男前です。(女性もいますけど。)一風変わった企業ドキュメンタリーですが読み応えあります。

Posted byブクログ

2016/02/14

山一證券が倒産した時に、新卒で電機メーカーに就職した私は、山一が倒産した真の原因や、その後の清算業務に尽力された方々のことなど、思いが至らなかった。自分が就職した業界が、その後、大規模なリストラや構造改革を実施することになることも。 会社は生き物でいつどんなことが起こるか分から...

山一證券が倒産した時に、新卒で電機メーカーに就職した私は、山一が倒産した真の原因や、その後の清算業務に尽力された方々のことなど、思いが至らなかった。自分が就職した業界が、その後、大規模なリストラや構造改革を実施することになることも。 会社は生き物でいつどんなことが起こるか分からない。その当時、とても大変なご苦労をされた方々が、それを不幸と思わず、前向きにとらまえて、未来へと進んでおられる姿は清々しい。そういう気持ちになるまで、一定の時間が必要だったとは思うが、会社に守ってもらう時代は終わり、変化の時代の中で生き抜く力を一人ひとりが身につける時代になったのだと、誰もが感じる世の中になったというのは、一つ成熟度合いが増した社会になったのではないか。 いつの時代も、目立たず地道に努力する人々がこの社会を支えている。そのことに改めて感謝する気持ちにもなった。

Posted byブクログ

2016/02/10

終盤は登場人物に感情移入できて、熱さを感じることができたが、そこに至るまでがスピード感やメリハリが無くいまひとつだった。 山一証券という会社をリアルタイムで見ていなかったからなのか。

Posted byブクログ

2016/01/26

「いまさら山一證券の破綻を取り上げる意味があるのか」と、出版社のベテラン編集者が言っていたそうだ(あとがきより)。いやぁ、まったくそんなことはないでしょう。若干下世話な好奇心からとか、大企業の倒産の裏側に興味があるとか、山一と無関係じゃなかった人とか、理由はさまざまでしょうが。出...

「いまさら山一證券の破綻を取り上げる意味があるのか」と、出版社のベテラン編集者が言っていたそうだ(あとがきより)。いやぁ、まったくそんなことはないでしょう。若干下世話な好奇心からとか、大企業の倒産の裏側に興味があるとか、山一と無関係じゃなかった人とか、理由はさまざまでしょうが。出版まで曲折があったとのことですが、読後は、そのベテラン編集者の言葉は単なる建前であって、違う意味があったかもと思ってしまいます。 山一の倒産時は既に社会人でしたが、まだまだ駆け出しで他人事でした。しかしそれから現在に至るまで、倒産まではいかなくとも、事業終了やM&Aが身近になり、リストラも珍しくなくなり、会社員にとってこういったことは他人事ではなくなってきたのではないかと思います。 そういう意味では、もっと人のぬくもりのある、当時の日本の人々が描写されていて、もはや懐かしさを感じると同時にあの頃はよかったなぁと思ってしまうのは年をとった証拠でしょうかね。 しかしながら、企業に求められる社会的責任というのは今も昔も本質的にはそれほど変わっていないんじゃないかと改めて思いました。 蛇足かもしれませんが著者の清武氏、どこかで聞いたような名前だなと思っていたら、かつての読売巨人軍球団代表の方なんですね。そちらの件はよくわかりませんが、元々こちらが本業ということで。

Posted byブクログ

2016/01/20

読売の清武代表がかつて担当した山一証券のヤマについて書いたとあって、期待して読んでみた。 飛ばしの手口やらが難しくてあまり理解できなかったのは仕方ないとして、内容が冗長で面白くなかった。 登場人物に華がないというか、魅力がないというか。ノンフィクションなのかフィクションなのかどっ...

読売の清武代表がかつて担当した山一証券のヤマについて書いたとあって、期待して読んでみた。 飛ばしの手口やらが難しくてあまり理解できなかったのは仕方ないとして、内容が冗長で面白くなかった。 登場人物に華がないというか、魅力がないというか。ノンフィクションなのかフィクションなのかどっちつかずの本という印象。 読む人が読めば面白いのか?

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2016/01/15

今から20年近く前になる1997年に廃業となった山一証券会社の社長の号泣記者会見は今も、鮮烈な記憶があります。 廃業と決まった会社に残り、会社が破綻に至った原因を究明した社内調査委員会のメンバー。その委員会の12名のメンバーの活動の経緯を追った記録ですが、文中に魂の‥とある通り心...

今から20年近く前になる1997年に廃業となった山一証券会社の社長の号泣記者会見は今も、鮮烈な記憶があります。 廃業と決まった会社に残り、会社が破綻に至った原因を究明した社内調査委員会のメンバー。その委員会の12名のメンバーの活動の経緯を追った記録ですが、文中に魂の‥とある通り心に響く読み物になっています。何故、倒産してしまった自分の会社の破綻原因調査などというなんの見返りもない後ろ向きの仕事を引き受けるのか、普通はそう考えることでしょう。上層部の聞き取りの過程では抵抗勢力が大勢を占めていました。‥多分会社という組織には馬鹿な人間も必要なのだ…そう考え、その報告書が自分をも不利な立場に追い込むことを知っていながら、調査委員会の長を務めあげた嘉本常務。彼に付いていったメンバーは皆同じ心意気の者たちでした。そこには会社の汚い部分とは裏腹の清廉と言う言葉が当てはまります。 これを読むと未だに絶えない会社などの組織にまつわる不正や組織ぐるみの嘘の構造がありありと浮かび上がってきます。経営者などの権力を握るほんの一部の人のモラルの欠如が如何に重大な影響を及ぼすか。そして、それを質してその企業の良い風土を造るのもそこにいる一人一人なのだということを改めて思いました。

Posted byブクログ

2016/01/11

面白かった。山一証券自主廃業は新聞やニュースで見聞きしていたが、その裏でこんなことがあったとは。 やりがいにお金や立場に求めない理想的な姿があったのは、皮肉にも自主廃業した後だった…

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2016/01/10

以前上司に、会社を愛せるサラリーマンになれと言われたことを思い出した。 どういう意味かずっとわからなかったけど、この本を読んで初めて意味が少し分かった気がする。 サラリーマンの生き方、に対する指南書のような一冊だった。 仕事に対して、会社に対して悩みが出来たらこの本を読み返そうと...

以前上司に、会社を愛せるサラリーマンになれと言われたことを思い出した。 どういう意味かずっとわからなかったけど、この本を読んで初めて意味が少し分かった気がする。 サラリーマンの生き方、に対する指南書のような一冊だった。 仕事に対して、会社に対して悩みが出来たらこの本を読み返そうと思う。

Posted byブクログ

2016/01/09

2015/1/9読了。 全体像が見えにくい大企業であっても人の集まりという点は不変であり、一人一人の判断と行動が企業の行く末に影響を及ぼすことを再認識。

Posted byブクログ

2016/01/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 小学校以前の記憶はほとんどないが、妙な記憶は残っている。  母親に連れられて行った銀行みたいな場所はATMが並んでいた。その機械に入れる通帳に描かれていたセーラー服を着たペンギンの絵がかわいいな、と思ったことをよく覚えている。  その証券会社が自主廃業したのは1997年、このときは小学校低学年で世の中のことなど分かっちゃいなかった。  北海道拓殖銀行に続き、山一證券が経営破たんというニュースをテレビで見ていて、銀行も潰れるんだなぁ。預けたお金はどうなるんだろう、と疑問が沸いたという覚えしかない。  さて、本書「しんがり」は山一證券が経営破たんした後の清算処理の話である。  社員はおろか、役員にさえも伝えられていなかった三千億円の負債は違法行為から生まれたものだった。その違法性ゆえに会社更生法を適用されず、自主廃業の道しか残されなかったのだ。  なぜ、三千億円の負債が生まれたのか。お茶を濁し口を閉ざす幹部たちへのヒアリングを繰り返し、不正の事実を見つけるために決算書を探し求めた。  すべてを知る権利が社員にはある。最後まで筋を貫き唐須ために、事実上会社が消滅した後も残って処理を続けた十二人の部署があった。  大企業にも終わりが来る。会社が潰れるときに人はどう動くのか、という点も見どころだった。

Posted byブクログ