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戦中派の死生観 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2022/12/07

戦後日本に欠落したものとは「アイデンティティー」であった、というのが吉田の結論である。吉田は戦艦大和の乗組員であったが、大正期以降の共産主義による浸透工作や、GHQの進駐の実態を知っていたのであろうか? いささか疑問が残る。「太平洋戦争」と書いているところも個人的に気に入らない点...

戦後日本に欠落したものとは「アイデンティティー」であった、というのが吉田の結論である。吉田は戦艦大和の乗組員であったが、大正期以降の共産主義による浸透工作や、GHQの進駐の実態を知っていたのであろうか? いささか疑問が残る。「太平洋戦争」と書いているところも個人的に気に入らない点である。 https://sessendo.hatenablog.jp/entry/2022/12/07/213532

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2020/04/29

烏兎の庭 第二部 書評 4.8.05 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto02/bunsho/sangey.html

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2020/01/06

本文もさりながら、若林英輔氏の解説がとてもよかった。 「戦争を否定するのはよい。だが、そこに連なることを強いられた者たちに裁きの刃が向けられるのを吉田は認めることができない」 その気になれば徴兵は拒否できたとか、怠惰に過ごせばよかったなど、事後の反戦的な言説はどこまでも本質を...

本文もさりながら、若林英輔氏の解説がとてもよかった。 「戦争を否定するのはよい。だが、そこに連なることを強いられた者たちに裁きの刃が向けられるのを吉田は認めることができない」 その気になれば徴兵は拒否できたとか、怠惰に過ごせばよかったなど、事後の反戦的な言説はどこまでも本質を逸らしているし、状況がもつ力をあまりに軽視している。吉田はこの遺書で渾身の反論を試み、そして成功したのだ。

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2018/06/28

近代の狭間にあって、自らの死を直視し過ぎたがゆえに強烈に虚無を内在化し、また言葉通り必死に外へ向かって有を生み出そうとした世代、それが戦中派ではないだろうか。その特攻体験という特異な体験をしたが故に、ロストジェネレーションよりも深く戦後に沈殿した世代である。とりわけ著者の吉田満は...

近代の狭間にあって、自らの死を直視し過ぎたがゆえに強烈に虚無を内在化し、また言葉通り必死に外へ向かって有を生み出そうとした世代、それが戦中派ではないだろうか。その特攻体験という特異な体験をしたが故に、ロストジェネレーションよりも深く戦後に沈殿した世代である。とりわけ著者の吉田満はその記録文学からもわかるように、後世へ託す気持ちが強かったのだろう。戦後社会や戦後派の戦時中を見る眼差しに耐えられない様子だ。 もし現在、戦後の革新派がその思想的価値の大きさにもかかわらず、思想上において正しく弔われていないとすれば、死者を適当に弔うことができなかった時代に原因と悲劇があるのであり、またそれは、現在に生きる私たちが正しく弔われない可能性をも意味しているのではないだろうか。

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