シフォン・リボン・シフォン の商品レビュー
ランジェリーショップに纏わるお話。 介護やセクシャルな面でのお話で、中々切ない感じになっていた。けれどやはり新しい下着を身につけると気分が上がるというのはわかる。
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レースや刺繍で飾られた美しい下着。 身に着けるとテンションが上がる。 ただ眺めているだけでも楽しい。 これほど“自分だけのため”に着飾れるものは、他に無いだろうなあ。 だから下着に触れることで傷ついた心が癒されたり、抑えていた気持ちが解き放たれる物語には共感しかない。
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「下着は自分を大切に扱うために纏う」という感覚はとてもしっくりきます。お話はシビアでしたがそのまま終わらないのでちょっと良い気持ちで読み終わりました。 前半2話はお客さんのお話、後半2話は店長さんのお話。 第一話の、所謂毒親から開放される女性のお話がとても好きでした。性的なのはい...
「下着は自分を大切に扱うために纏う」という感覚はとてもしっくりきます。お話はシビアでしたがそのまま終わらないのでちょっと良い気持ちで読み終わりました。 前半2話はお客さんのお話、後半2話は店長さんのお話。 第一話の、所謂毒親から開放される女性のお話がとても好きでした。性的なのはいやらしいこと、と娘を罪悪感で抑えつけておいて、支配して家庭を切り盛りさせているのに、「結婚も出来ないのは恥ずかしい」って臆面もなく言えるのは娘を舐めきってるよな。佐菜子さんには幸せになってほしいです。 親と子どもの確執もテーマのひとつなのかも。自分の思い通りに生きなかったからと、乳癌になった娘に「罰が当たった」って言葉を吐ける親もどうかしてる。。 私事ですがわたしの親もここに描かれるような固さを持ってるので、少し心が軽くなりました。綺麗な下着を着けると気分が上がります。
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美しいランジェリーとは対照的な、地方都市に住む人々の苦悩と強さを描いた短篇集。 共感できる部分も多く、ほろ苦いストーリーに惹き込まれた。一話の〝手を貸さなかった人間が逃げるのは簡単だ〟という言葉が刺さった、当事者としてリアルに自分も感じたことだったからだろう。 残念なのは、既読...
美しいランジェリーとは対照的な、地方都市に住む人々の苦悩と強さを描いた短篇集。 共感できる部分も多く、ほろ苦いストーリーに惹き込まれた。一話の〝手を貸さなかった人間が逃げるのは簡単だ〟という言葉が刺さった、当事者としてリアルに自分も感じたことだったからだろう。 残念なのは、既読感があるなと…。 著者もタイトルも違うけれど、ランジェリーを扱う物語にはインポートランジェリー贔屓なことや、乳がん、LGBTなどの共通点があるように思う。 ランジェリー好きとして、日本製の良さも伝えて欲しい。また、違う発想のランジェリーストーリーをもっと読めたら嬉しい。
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母親の介護や自身の身体のことなどが重なり東京のお店を任せ田舎に戻り商店街でランジェリーショップを営む女性が主人公 タイトル通りの柔らかで穏やかな話 になるわけないのが近藤史恵さんの好きなところ 1話目から毒親登場 毒親が抱える恐怖や娘の理不尽への従順さ それらにこちらのメンタルす...
母親の介護や自身の身体のことなどが重なり東京のお店を任せ田舎に戻り商店街でランジェリーショップを営む女性が主人公 タイトル通りの柔らかで穏やかな話 になるわけないのが近藤史恵さんの好きなところ 1話目から毒親登場 毒親が抱える恐怖や娘の理不尽への従順さ それらにこちらのメンタルすらやられそうになる そんな娘の心を救うのが心躍る素敵なランジェリー 下着って本当に不思議 上下セットで千円なんてものでも十分事足りる でも自分の身体に合う素敵なランジェリーは 自身を奮い立たせる鎧になったり 心を支えるお守りにもなる 身体の為のものが心に効いてくる 心と身体を守るランジェリーは偉大だ
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1章と3章の毒親の言葉が酷すぎて辛い。 4章に登場する女性の、店にとっては迷惑な、可哀想な行動も今の時代によくある悲しさか 「きれいな下着を身につけると、自分がとても大切にして扱われているような気がするの」 「だって、あなたがあなたを大事に扱ってあげているんだから」
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ランジェリーショップのオーナーが主人公。最初の1話は客、次は客の父、そして、その後の2話はオーナーの一人称で描かれている。どの話も近藤さんらしい毒がありながらも、前向きに終わっているのがいい。
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何の気なしに読み始めたのだけど とても良かった。 じんわり。じんわり。 自分を大切にするためだけの下着を買いに行きたくなる。 親子と時代の流れ。 お上手でした。
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話が心に響きすぎる程強烈で、私には合いませんでした。痛くてその先にいけない、そんな本です。 ただ、繋がりのある短編集みたいなものなので、他の話は読むことが出来ました。
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人を大切に、とは日々思うことだけど、自分を大切に、とはそんなにいつもは思わない。 この小説を読んで、自分を大切にしなきゃ、と思えた。 乳がんの手術後、東京から故郷の地方都市に戻ってランジェリーショップを開いたオーナーのかなえ。地方にはなじまない輸入ものの下着が並ぶショップは、ネ...
人を大切に、とは日々思うことだけど、自分を大切に、とはそんなにいつもは思わない。 この小説を読んで、自分を大切にしなきゃ、と思えた。 乳がんの手術後、東京から故郷の地方都市に戻ってランジェリーショップを開いたオーナーのかなえ。地方にはなじまない輸入ものの下着が並ぶショップは、ネット販売があるから成り立つと言えるほど、訪れる客は少なかった。 しかしその数少ない客は皆それぞれの屈託を抱えていて、レースやリボンで飾られた美しい下着に、優しく心をほぐされていく。 綺麗な下着をつけていると、自分を大切に扱っているような気持ちになる。 この小説の登場人物の1人が語った言葉について、しばし考えた。私も綺麗な下着は好きだけど、そんな風に考えたことがあっただろうか、と。 女性の美しい下着は、何も誰かに見せるためだけにあるわけじゃない。つけているだけで気分が上がったり、自意識を満たすためにも存在するものだ。 顔は綺麗じゃないのに胸だけが大きすぎるというちぐはぐさをコンプレックスに思う女性や、男として産まれながらその性に違和感を抱える男性などが、かなえの開いたランジェリーショップの客として登場する。 とくに濃密な接客をするわけではないけれど、彼らはその店の存在に癒されていく。抱えてきたものを、解き放ってもいいのだ、という安心感に。 当のかなえは30代の頃に乳がんで片方の乳房を失っている。再建手術はしたものの完全ではなく、この先恋愛をすることも半ば諦めている。 そんなかなえだからこそ、乳房を失ってしまった人用の下着に着目していち早くそれを取り入れたり、経験者だから分かることを人々に分け与えるような働きをする。 個人的なことで言えば私の母も乳がんで片方を部分摘出している。母は既に60代だったから「別に今さら胸なんて無くてもいい」くらいの潔さだったけれど、若ければ若いほどこだわりや執着はあるだろうし、そこまですぱっと割り切れるものではない。 他人はそこまで気にしていないと分かっていても、自分は気になるという事実は変えられない。 そんな時にかなえのような人に出逢えたら、きっと心強くなれる。 女のこだわり、女の幸せ、女だから分かる執着。複雑さと温かさが詰まった物語。 自分をもっと大切にしよう。前向きにそんなことを思った。
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