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パノラマ島奇談 他四篇 の商品レビュー

3.7

18件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2025/09/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

かなりトチ狂った作品だったけど、乱歩作品の中では人気の方なのかな? ひたすら自己の欲望の為手段を選ばす突き進む主人公はとてもヒロイックで、自作の桃源郷を作り上げた主人公が最期、血飛沫飛ばす特大花火となって終わるラストが圧巻。 彼が犯罪の果てに成し遂げた夢は、小五郎に追い詰められた時には既に完結していて大団円の為自らを打ち上げる、これ以上の芸術はないし、人知れず消えゆく刹那的な物である事が更に芸術性を高めている。他が為でなく我が為の芸術、そしてその世界を共有しているのはこの作品を見ている僕たち。 絵画を醜悪なパノラマ島により4次元に再現した狂気の男はジョーカーばりに魅せられる。ただ僕の想像力が完全に負けてるというか、絵が浮かばないシーンもちらほらなのがまた憎い。笑 その他の推理短編は正直今ひとつだけど、このリード作は必見。

Posted byブクログ

2024/05/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表題作「パノラマ島奇談」他、「白昼夢」「鬼」「火縄銃」「接吻」収録。 「パノラマ島奇談」は乱歩の世界を極限まで振ったような薄気味悪さだが、あまりにも天元突破しすぎててもはや想像の埒外である。人見広介の芝居に妻以外が気づかなかったのはあまり現実的でないようにも思うが、まぁそこは小説なので。しかしここに出て来た北見小五郎とは明智小五郎の前身なのだろうか? と思ったり思わなかったり。 「白昼夢」は綺麗にまとまっているものの、なんだかどこかで見たことがあるような、ないような、という印象。 「鬼」は短いながらも見事なトリック崩しをやってのけ、乱歩の作品の中ではサスペンスというよりミステリー色が強い。 「火縄銃」も「鬼」と同様、ミステリー色の強い作品であるが、前置きに「シャーロック・ホームズとワトソン」とある通り、コナン・ドイルのホームズシリーズにあるトリックを組み合わせたような作品。 「接吻」は乱歩の作品の中では比較的、軽妙でふふっと読者を笑わせるようなものである。しかし真実は、果たして? いずれにせよ、山名は妻のお花に良いように扱われそうである。

Posted byブクログ

2024/03/22

大乱歩の傑作、という『パノラマ島奇談』。 春陽堂さんのこのシリーズは、多賀新さんの銅版画のカバーが魅力的で、多賀さんの作品集まで買うてしもうたがな。 さて。 この作品をベースにした丸尾末廣画伯のコミック、天知茂が渋いドラマの江戸川乱歩の美女シリーズ、そして幻のカルト映画『恐怖奇形...

大乱歩の傑作、という『パノラマ島奇談』。 春陽堂さんのこのシリーズは、多賀新さんの銅版画のカバーが魅力的で、多賀さんの作品集まで買うてしもうたがな。 さて。 この作品をベースにした丸尾末廣画伯のコミック、天知茂が渋いドラマの江戸川乱歩の美女シリーズ、そして幻のカルト映画『恐怖奇形人間』まで見ておるというのに、原作は初めて読む。 なるほど。漫画も映像も、それぞれ上手に再構築していることがよくわかった。 原作の情景描写がくどいのですっ飛ばして読む、という失礼な読者(私)にとっては、それぞれの映像のほうがインパクトが強い。 映像の話はさておき、小説だが、「ですます調」というのがなんだか薄気味悪くてよろしい。これ、たとえば渥美清の朗読だとなかなか不気味かもしれない。 そのほか短編4編では、「白昼夢」は夢野久作の作品と言われてもわからないかも。 「鬼」はトリックとしてはなかなか頑張っている。 「火縄銃」と「接吻」は、まあご愛敬だろう。

Posted byブクログ

2024/02/14

⚫︎感想 三重県鳥羽市の乱歩記念館へ行く前に、M県、I湾、T市が三重県、伊勢湾、鳥羽市がモデルか?ということで読んでみた。 子供の頃は少年探偵団シリーズを母と夢中に読んでいたが、最近になってまた少し読み始めてみて、「奇怪さ」の魅力にまた引き込まれた。 ⚫︎あらすじ(本概要より転...

⚫︎感想 三重県鳥羽市の乱歩記念館へ行く前に、M県、I湾、T市が三重県、伊勢湾、鳥羽市がモデルか?ということで読んでみた。 子供の頃は少年探偵団シリーズを母と夢中に読んでいたが、最近になってまた少し読み始めてみて、「奇怪さ」の魅力にまた引き込まれた。 ⚫︎あらすじ(本概要より転載) 小説家人見広介は、自分と瓜二つの旧友、菰田源三郎の急死を知らされる。広介は大富豪の源三郎になりすまし、菰田家の莫大な財産を手に入れるという、荒唐無稽な計画を実行する。そして広介は、無人の孤島に自分が空想した終生の夢のパノラマ島を創り上げた!パノラマ島で展開される妖美な幻覚ともいえるあやしの怪奇譚は、読者を夢幻の世界へと誘い込んでゆく・・・・・・。 表題作のほか、「白昼夢」「鬼」「火縄銃」「接吻」4編を収録。

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2022/11/18

私は接吻が1番好きだった笑 パノラマ島は乱歩の性癖を見れて楽しかった パノラマ島綺譚 白昼夢 鬼 火縄銃 接吻

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2022/01/14

成り代わりものだったんだ!とはいえ成り済ました側の心理描写には心もとない罪悪感と戸惑いが常につきまとってるように読める。遺体に触れるときの描写が丁寧だったなぁ。

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2021/07/29

パノラマ島の各エリアの情景描写がグロテスクなのに美しい。私にとっての耽美はこれだと思う。 現実では絶対に作り出せない光景を文字だけで表せて想像させてくれる江戸川乱歩はやっぱり素敵。 人見廣介の夢想家兼国王としてパノラマ島の美しい情景の一部として消える終わりに鬱屈さと美しさを感じて...

パノラマ島の各エリアの情景描写がグロテスクなのに美しい。私にとっての耽美はこれだと思う。 現実では絶対に作り出せない光景を文字だけで表せて想像させてくれる江戸川乱歩はやっぱり素敵。 人見廣介の夢想家兼国王としてパノラマ島の美しい情景の一部として消える終わりに鬱屈さと美しさを感じてしまった。 乱歩のパノラマ島奇談を読んだ上で丸尾末広のコミック版を見るのもいい。

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2021/03/13

謎解きとか、瓜二つの入れ代わり設定等はどちらかというと付け足しで、パノラマ島のあくどい風景演出が、著者の書きたかったものなのだろう。

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2020/03/11

死亡した瓜二つの富豪になりすまし、悲願の人口島で異様な光景を作り出すが、水中廊下含む、美しい富豪の妻と同衾したことで、別人と発覚してしまい、人口島で殺害して、柱に埋め込んだが、髪の毛が柱の外に出て見つけられてしまい、花火打ち上げ機に身を入れて、花火共々バラバラに打ち上げられて、死...

死亡した瓜二つの富豪になりすまし、悲願の人口島で異様な光景を作り出すが、水中廊下含む、美しい富豪の妻と同衾したことで、別人と発覚してしまい、人口島で殺害して、柱に埋め込んだが、髪の毛が柱の外に出て見つけられてしまい、花火打ち上げ機に身を入れて、花火共々バラバラに打ち上げられて、死亡。人口島がパノラマワールド。読後感悪い。

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2019/11/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あらすじです。 売れない小説家である人見廣介は自分とそっくりな(瓜二つな)大富豪の菰田源三郎が死んだと聞いた。菰田は癲癇で死んだがそのような人がよみがえるという話を聞いたことがあった廣介は、生き返った菰田を装って大富豪ゆえの財産を使い、廣介の夢通りの理想郷にする壮大な計画を立てた。 偽装自殺などを繰り広げ、生き返った菰田源三郎として菰田家に入り込むことができた廣介は騒動が収まってきたころに資金を使い理想郷である「パノラマ島」の建設に取り掛かった。(この島はとある「沖の島」を購入して創ろうとしている) 着々と計画が進む中、廣介は菰田源三郎が遺した22歳の美しい妻の千代子に菰田源三郎でないことがばれているのではと不安になった。ある日、千代子に菰田源三郎出ないことが見抜かれ廣介は千代子に惹かれていたが、殺害することを決意した。 「島(沖の島)で一緒に暮らしたい」と廣介は千代子を誘い、千代子もまた廣介に愛着をもっていたこともあり誘いに応じた。 二人はどこか現実離れしたような場所をいくつも見て回った。だがどれも目の錯覚を使った「パノラマ」だと説明した。このような説明を受けた千代子は疑いを持ち、廣介に話しかけた。ことがバレた廣介は「パノラマ島が完成するまでは死ねない」と言い、千代子を殺害した。 パノラマ島に勤めているという元編集の北見小五郎は人見廣介の書いた『RAの話』に出てきた情景にこのパノラマ島が酷似していると気づき、この源三郎は廣介本人だといった。そのあと『RAの話』のとおりに柱の中に千代子の遺体があった。この北見という男は菰田家の親族から派遣されたという。証拠も固められていたため、観念した廣介は「30分だけ時間をくれ」と言い、花火として打ち上げられ自殺した。

Posted byブクログ