抱く女 の商品レビュー
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吉祥寺の大学に通う女子大生、三浦直子。 実家は荻窪の酒屋。 長男は工業大学を出て、大阪で会社員。 次男は早稲田大学、中核派の幹部。リンチ事件で警察に追われている。革マルに見つかり、角棒で殴り殺される。 女子大生は面子仲間数人で肉体関係がある。面子の彼女から 公衆便所と呼ばれていた。 Jazz喫茶でバイト。バイト仲間の泉はJazzVocalを目指す 実はマスターと不倫中。ナンパしてきたJazz雑誌の記者と飲みに行く。初マリファナで泥酔。女性JazzVocalistが介抱される。Drummerを目指す男と知り合い、3週刊の同棲生活。ボーヤの仕事で東北に行く間、実家に戻る 次男は入院、危篤。植物人間になるかも。 直子は彼氏のところに行く前に次男に見舞いに行く。 その間に息を引き取った。 葬式にも出ないで男のところに向かった。 父には配達の車の中で、大学をやめ、家を出ること告げた。連合赤軍事件が発覚。 泉の元彼が自殺。テルアビブで死んだ連合の仲間と自分を比較していた 死んだ男の今カノが遺書を持って泉に会いに来る。 女に誘われ、リブ運動の会に出席。 チャラい格好に女達から非難される。「私はブスだから、SMクラブで働いている。ハムみたいに縛られている」生きていいくために仕方がない。
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桐野さんらしくないというか、今までと毛色が違う作品。 私より前の世代の話で、モチーフに興味が持てなかった。
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自分より年上世代のお話。 前半は、風の「何かいいことありそうな明日」の雰囲気を感じて読んでいたが、後半は、寂しい悲しい気持ちになった。 雀荘、ジャズ、学生運動、内ゲバ、そんな時代のお話。
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吉祥寺を舞台にした1972年の直子の物語。僕より年上の人達の学生生活が垣間見れて興味深かった。主人公が自己を見つめもがく姿や女性としての生き難さが生々しく伝わる。偏差値世代の何も考えてなかった自分の学生生活が情けない笑。著者だから描ける物語なんだろうな。
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「あの頃は…」というバブルよりももっと前の学生運動が華やかなお話。 ファッションや遊びは変わったけれど、あの頃から何も変わっていないのかもしれないのではないかと思う。 主人公は題名のようになってる?
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当時の時代背景を知ってる知らないでは、楽しみ方が全然違うんだろうな。 読了。さすが、明るくはありませんが重くはなかった。ちょっと桐野小説っぽくなかったかなぁ。
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1972年の吉祥寺、女子大生、JAZZ、JAZZ喫茶、麻雀、雀荘、酒、酒場、学生運動、内ゲバ、タバコ、ハイライト、女と男、家族、生と死・・・・ 直子は漂流して、最後に何かを見つけることができるのか? 懐かしい❗ 沢山の価値観が混沌としていた時代。 何故か文体から、70年代の臭いが...
1972年の吉祥寺、女子大生、JAZZ、JAZZ喫茶、麻雀、雀荘、酒、酒場、学生運動、内ゲバ、タバコ、ハイライト、女と男、家族、生と死・・・・ 直子は漂流して、最後に何かを見つけることができるのか? 懐かしい❗ 沢山の価値観が混沌としていた時代。 何故か文体から、70年代の臭いがする。 読んでいると、あの時代に帰っていた。 もう一度JBLの前で、コルトレーン・マイルスを聞きたい。
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あらすじと帯に書いてある『この主人公は、私自身だ──。』という文章が印象的な作品である。1970年代をテーマに繰り広げられるのだが、生まれる前の話のため、日本赤軍や浅間山荘事件などを詳しく知らないため、上手く話に入り込めないまま、読了をしてしまった。個人的に桐野夏生作品は当たり、ハズレが激しい気がする。今回の作品は好き嫌いがきっぱりと分かれるだろう。
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1970年代学生運動・連合赤軍も「あさま山荘事件」後終結に向かい時代が変わろうとしている狭間で生きもがく20歳の直子の女性としての生き方在り方を描いたものですが、あれから40年以上経った今の時代と全く違うような、でもどこか根本は全く変わっていないような…。 姿を見せずに自分の言葉...
1970年代学生運動・連合赤軍も「あさま山荘事件」後終結に向かい時代が変わろうとしている狭間で生きもがく20歳の直子の女性としての生き方在り方を描いたものですが、あれから40年以上経った今の時代と全く違うような、でもどこか根本は全く変わっていないような…。 姿を見せずに自分の言葉に責任を持たず自分勝手に気持ちを発信できるネット社会の今と、自分の言葉に責任を持つなんて考えていないけど、相手を傷つけると分かっていても姿そのままに自分の言葉で相手に言葉を投げかける直子の時代の違いに、時代は流れても今生きる人間の方が人として劣っていると感じた。 桐野夏生氏の情景描写や心情描写は相変わらず面白く、文字を追いながらも目の前にまるで自分がそこに居るような映像が繰り広げられるが、エンディングが少し物足りなかった。
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