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抱く女 の商品レビュー

3.2

49件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    17

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

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2018/09/14

1972年の女子大学生が主人公。学生運動やウーマンリブの動きがあるなか、彼女は自分の居場所を見つけられずに大学で勉強もせずに男たちと雀荘に行ったりジャズ喫茶でバイトしたり恋愛したり、悩み迷いながらふらふらしている、って感じの話。 わたしは1964年生まれで、少し上の世代にあこがれ...

1972年の女子大学生が主人公。学生運動やウーマンリブの動きがあるなか、彼女は自分の居場所を見つけられずに大学で勉強もせずに男たちと雀荘に行ったりジャズ喫茶でバイトしたり恋愛したり、悩み迷いながらふらふらしている、って感じの話。 わたしは1964年生まれで、少し上の世代にあこがれとかあるのかもしれないし、あさま山荘の事件をテレビで見た記憶が強烈だからかもしれないけど、わりに70年代の話が好き。 なんだけど、読みはじめて、この時代のいかにも男尊女卑という感じが本当に嫌だった。ただの大学生のくせに偉そうに威張っていて、女を軽く扱うな男たちに腹が立つ。でも根本的には今もあまり変わってないのかもしれない、と思って悲観的になったり。(もちろん、そうじゃない、新しい時代の男たちも出てきているとは思うんだけども)。あと、ウーマンリブの人たちも出てくるんだけど、主人公が感じるのと同じように違和感を感じて、こういう女のなかでの「分断」みたいなものがあるのも今も同じかもしれない、とか。 後半になると、学生運動にのめりこんでいる兄が別のセクトの連中に襲われるという事件が起きて、なんだか主人公が家族と自分の恋愛のどちらを選ぶのかみたいな話になってきて、結局実家を出ていくところで終わるんだけど、ちょっともの足りなかったような。そうやって大学をやめて同棲をはじめて、どうなるのか。実社会に出ていくのか、結婚して子どもを産むのか、どういう考え方になっていくのか、とか、もっとこの先が読みたかった。 なんか、桐野夏生ならもっともっと学生運動の話とかジャズ界の話とか書き込んでもっと厚みのある長い話にできる気がするのに、と。(ただわたしが長い話が好きなだけかも。。。)

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2018/09/07

抱かれる女から抱く女へ。男を抱いたつもりだったが、私は単に「抱かれる女」でしかなかったのだ。 自分は、何でこんなどうしようもない時代に生きているんだろう、 死は最強。 恋愛も闘いだよ。毎日が戦争。

Posted byブクログ

2018/07/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

*「抱かれる女から抱く女へ」とスローガンが叫ばれ、連合赤軍事件が起き、不穏な風が吹き荒れる七〇年代。二十歳の女子大生・直子は、社会に傷つき反発しながらも、ウーマンリブや学生運動には違和感を覚えていた。必死に自分の居場所を求める彼女は、やがて初めての恋愛に狂おしくのめり込んでいく―。著者渾身の傑作小説* なんと言うか…主人公がとにかく安っぽくて薄っぺらくて辟易するお話。 大志も目的もないのに周りを見下し、自分を尊重して!と勝手に足掻き、安直に恋に溺れる。あの時代の真実が実はこの女の姿なのですよ、という皮肉なのか?

Posted byブクログ

2017/10/01

昭和の雰囲気が満載。主人公もその中でそれなりに青春しているのが分かる。この小説40年前に読んだら、かなり影響大だったろう。でも今はあれから半世紀近くたち、その分時代が変わったのを思い知った。

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2017/09/04

表紙の絵(草間彌生の)に惹かれて手に取った。舞台は1972年。当時の時代背景、ジャズ全盛、学生運動、連合赤軍、マリファナ、ウーマンリブ等々、話に絡んでいく。主人公は酒屋の娘の女子大生・直子。シラケ世代的な雰囲気をもち、不全感をくすぶらせている。 この物語で印象的に語られるのは、...

表紙の絵(草間彌生の)に惹かれて手に取った。舞台は1972年。当時の時代背景、ジャズ全盛、学生運動、連合赤軍、マリファナ、ウーマンリブ等々、話に絡んでいく。主人公は酒屋の娘の女子大生・直子。シラケ世代的な雰囲気をもち、不全感をくすぶらせている。 この物語で印象的に語られるのは、臭いだ。タバコの臭い、ヘアスプレーの臭い、ジャズ喫茶の臭い、嘔吐物の臭い、血の臭い、男の臭い。直子ほか登場人物たちには、それぞれの臭いがまとわりついている。それはひとつの所属を示すものであり、言い換えれば束縛される原因を示すものでもある。 物語の後半、直子はジャズ雑誌の編集者にナンパされ、酔い潰れマリファナを吸ってぶっ倒れる。嘔吐し汚れた彼女は、ジャズシンガーの女性に助けられ、そのなかで出会いがあり、象徴的にも「裸」になり、自由を見つける。しかし物語は直子を幸せのままで置いてはおかず、直子には無関係な(と思いたい)世界から、決断を迫られる。 自分に桐野夏生を勧めてくれた女の子が、「桐野夏生作品には共感を求めてはいない」と言っていたのを覚えているけど、直子に共感をするかというのは、よくわからない。でも運命の出会いを信じて、これまでのものを捨てて飛び込むというのは、なかなかの決断なのだ。それを「抱く女」と定義するのかは疑問だけど、どうか幸せになってほしい、と送り出してあげたい。 あと物語とは関係ないけど、高橋和巳やドストエフスキーやレヴィ=ストロースや、いいかげんな大学生でも真っ当な本を読んでてすげえなあと思った(小並感)

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2017/07/02

 70年安保闘争に惨敗し、学生運動が下火になり、ノンポリ学生が幅を効かし始めた'72年、浅間山荘事件、連合赤軍等、学生運動の燃えカス共が内ゲバをしていた時代の吉祥寺、荻窪あたりを舞台とした成蹊大学生の群像劇でしょうか。  ’72年当時を生きた学生達の時代感覚をお勉強する...

 70年安保闘争に惨敗し、学生運動が下火になり、ノンポリ学生が幅を効かし始めた'72年、浅間山荘事件、連合赤軍等、学生運動の燃えカス共が内ゲバをしていた時代の吉祥寺、荻窪あたりを舞台とした成蹊大学生の群像劇でしょうか。  ’72年当時を生きた学生達の時代感覚をお勉強するつもりで読むなら、参考になる作品。ただそれだけの陳腐な青春小説です。 (内容紹介) この主人公は、私自身だ――。1972年、吉祥寺、ジャズ喫茶、学生運動、恋愛。「抱かれる女から抱く女へ」と叫ばれ、あさま山荘事件が起き、不穏な風が吹く七〇年代。二十歳の女子大生・直子は、社会に傷つき反発しながらも、ウーマンリブや学生運動には違和感を覚えていた。必死に自分の居場所を求める彼女は、やがて初めての恋愛に狂おしくのめり込んでいく――。揺れ動く時代に切実に生きる女性の姿を描く、永遠の青春小説。

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2017/05/07

1972年を生きる女子大生 舞台となる街は良く知ってる場所だし 大学も同じ。さらに自分自身ジャズ喫茶でのバイトの経験もある(笑) ・・・と、年代は違うけれどなんとなく「あ、これはあそこかな?」という感じで読み始めた。 けれど 酒、たばこ、麻雀、セックス そして学生運動、ウーマ...

1972年を生きる女子大生 舞台となる街は良く知ってる場所だし 大学も同じ。さらに自分自身ジャズ喫茶でのバイトの経験もある(笑) ・・・と、年代は違うけれどなんとなく「あ、これはあそこかな?」という感じで読み始めた。 けれど 酒、たばこ、麻雀、セックス そして学生運動、ウーマンリブ、セクト同士のリンチ等々 歴史としてしか知らないその時代が リアルに迫ってきて息苦しくなってくる。 ひたすらもがく主人公に「もうちょっとしっかりしろよ!」と言いたくなる

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2017/03/04

女の人が今のように強く前に出てきたのはこの話の時代を経て直子のように憤りや不安で揺れ動いた人がいっぱいいたからなのかも。 いろんなことを諦めて流されながらも前を向くしかない、過去は振り返らない面はきっと直子を自立した大人にしていくのではないかな。 どんな生き方でも自分で決めたんな...

女の人が今のように強く前に出てきたのはこの話の時代を経て直子のように憤りや不安で揺れ動いた人がいっぱいいたからなのかも。 いろんなことを諦めて流されながらも前を向くしかない、過去は振り返らない面はきっと直子を自立した大人にしていくのではないかな。 どんな生き方でも自分で決めたんなら突き進むしかない。

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2016/08/29

昭和、連合赤軍が世間を騒がしいた頃。の、学生の女の子のむずむずする感じがむずむずするまま描かれている。むずむずに出口はない。さっぱりなんかしない。誰にも感情移入はしない。でもこの時代の本はなんとなく読みたくて読んでしまう。桐野夏生さんの本のカテゴリって、最近のものはほとんどミステ...

昭和、連合赤軍が世間を騒がしいた頃。の、学生の女の子のむずむずする感じがむずむずするまま描かれている。むずむずに出口はない。さっぱりなんかしない。誰にも感情移入はしない。でもこの時代の本はなんとなく読みたくて読んでしまう。桐野夏生さんの本のカテゴリって、最近のものはほとんどミステリではないのだな。もともと違うか。

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2016/06/18

(2016.05.29読了) 1972年9月〜12月、吉祥寺にあるS大学に通う女子大生のお話。実際、作者自身がこの時期成蹊大学の学生です。 桐野夏生はけっこう好きでよく読みますが、これはいまひとつでしたね(-。-; 学生運動、ジャズ喫茶、麻雀…、私とは世代が違うせいもありますが...

(2016.05.29読了) 1972年9月〜12月、吉祥寺にあるS大学に通う女子大生のお話。実際、作者自身がこの時期成蹊大学の学生です。 桐野夏生はけっこう好きでよく読みますが、これはいまひとつでしたね(-。-; 学生運動、ジャズ喫茶、麻雀…、私とは世代が違うせいもありますが、それにしても主人公の考え方、生き方に共感できないというか、むしろ嫌いです。 自分が歳をとったのでしょう「ちゃんとしろよ!」と説教したくなります(^_^;)

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