抱く女 の商品レビュー
ウーマンリブ、学生運動の背景があるけど、この時代設定は必要なのかどうか。ハタチの直子はどんな時代に生きてもこんな感じで生きてる気がする。 バカ女、イライラする、言い訳ばっかりだな…と何度思ったことか(笑)多分それを狙ってるのかな。 もっと女の人が戦う話なのかと思ってたので期待は...
ウーマンリブ、学生運動の背景があるけど、この時代設定は必要なのかどうか。ハタチの直子はどんな時代に生きてもこんな感じで生きてる気がする。 バカ女、イライラする、言い訳ばっかりだな…と何度思ったことか(笑)多分それを狙ってるのかな。 もっと女の人が戦う話なのかと思ってたので期待はずれだった。
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1972年。学生運動。麻雀、酒、タバコ、そしてジャズ。女性が生きづらかった時代の、女性の話。家族、男、社会の話。それでも愛に満ちた日常。愛する男を見つけた彼女は、果たして幸せに過ごせるのだろうか?
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1972年学生運動真っ只中であり 「抱かれる女から抱く女へ」ウーマンリブはしりの時代 大学にも行かずジャズ喫茶と雀荘と男の間をフラフラと渡り歩く女。 煮えきらずどっちつかずでも 現代の女性よりしっかり世相は把握してるようにも思える。 彼女の行く道に希望は見えないが、 それでも心許...
1972年学生運動真っ只中であり 「抱かれる女から抱く女へ」ウーマンリブはしりの時代 大学にも行かずジャズ喫茶と雀荘と男の間をフラフラと渡り歩く女。 煮えきらずどっちつかずでも 現代の女性よりしっかり世相は把握してるようにも思える。 彼女の行く道に希望は見えないが、 それでも心許せる相手を見付けられただけでも良かったとも思う。 【図書館・初読・3/17読了】
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1972年、吉祥寺、ジャズ喫茶、学生運動…。女性が生きづらかった時代に、切実に自分の居場所を探し求め続ける20歳の直子の姿を描く、永遠の青春小説。 1951年生まれ全共闘世代の桐野夏生が描く「当時の」話。桐野は成蹊大卒だから当時の吉祥寺の雰囲気は実体験に基づくものだろう。ただ私...
1972年、吉祥寺、ジャズ喫茶、学生運動…。女性が生きづらかった時代に、切実に自分の居場所を探し求め続ける20歳の直子の姿を描く、永遠の青春小説。 1951年生まれ全共闘世代の桐野夏生が描く「当時の」話。桐野は成蹊大卒だから当時の吉祥寺の雰囲気は実体験に基づくものだろう。ただ私にとって全共闘世代ははるか遠い存在で、実際に早大文学部生が革マル派に惨殺された事件があったことなど、本作を読んでネットで調べるまで全く知らなかった。そこにこの本を読んだ意義があったと思いたいが、本作自体は主人公にイラつくだけで何の魅力もなかった。 (C)
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桐野夏生はいつもキリノナツキとよんでしまって、あとからキリノナツオだった!と少し恥ずかしい思いをします。 以前読んだことがあるのが「グロテスク」と「東京島」。人間関係のドロドロを書くのが上手ですよね。それぞれ、はたから見てて(客観的に見て)「痛い女」が出てくる。うわ~こういう人って痛い、痛々しいな~と思ってみてるけど、ふと気づく。「自分も意外とそうなんじゃないか」と。もしくは「そうなっちゃうんじゃないか」と。 「抱く女」に登場する主人公は、読み始め、感情移入して共感する感じで読んでいたけれど、ふと気づいて客観的に見たときにいわゆる「痛い女」だった。 私が学生のころ、彼氏がころころ変わる女の子が何人かいて、どの子も付き合って、別れて、すぐ次の彼氏と付き合ってってことは同じだけど、まわりからの”評価”が違った。かたや「あの子はモテるよね」、もう一方は「あの子は軽いよね」。その評価ってどこで分かれてるんだろうと疑問に思ってた。 そんな学生のころ、そして今もある”何か”を含めた”女性”ネタが描かれている作品だな~と思った。 舞台になっているのは1972年で、まだまだ「男女不平等」が当たり前だった時代。その中で、主人公の直子は憤っている。女の価値が、男の値踏みによって決まることに。 でもこの作品を読んでいて私が思ったのは、男女不平等が当たり前だった1972年と、男女平等が当たり前だけど全然平等じゃない2016年、どちらが女性は幸せなのかなってこと。 結局今も昔も、女の生きやすい生き方って変わってないんじゃないか。性別関係なく、ひとりの人間として女性が自立するためには、戦わなくちゃいけない。戦い続けるのは疲れる。結局現状に合わせて、男主体の社会で従うほうが効率よく生きれる。 この作品の結末は、結局直子が「ひとりの女性として生きていく」というところに落ち着く。 男優位の社会に憤って、男と平等であろうとして生きづらい生き方をこれからも生きていくわけではない。戦い続けるわけではない。 まわりが理解してくれて、自分の生きやすい社会が実現するわけでもない。 人との出会いによって、直子が自然に、女性として生きていくことを選んだ。と私は感じました(結末のとらえ方は、読者によって全然違う作品だと思います)。 この作品が理想を語る夢物語だったとしたら、戦い続ける女性カッコイイ!だったり、理解してれる人がいたよハッピーで終わるけど、そうならないところが、桐野夏生ならではの、皮肉であり、説法であるようなそんな感想を抱きました。 ひとりの女性として戦わなくちゃいけない環境から、人と出会い、誰かとカップルになることで戦わなくてよくなっちゃうって、まさに今の女性の生き方、生きやすさじゃないの。 悲しいかな、「ただの夢物語」のほうが、読後感はスッキリする。 「夢も希望もない」作品なのです、これは。とりあえず苦しんだあと救われてなんだか達成感さえ得るような作品ではないです。だから、私以外の評価も総じて低いのではないかなー……
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1972年、二十歳の直子の生き方。 世の中は学生運動真っ只中。 抱かれる女ではなく抱く女になりたいと思いながら実際には大学も辞めてしまうただの流される小さな女の子。 たぶんお話のその後も甘いままで何も選べない人生なんだと思った。でも、だいたいの人はそう。
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2015年6月初版発行。新聞の書評が良かったのだろう、図書館に予約していた本が半年待って配本された。 桐野夏生らしい作品だ。女が痛々しいほどリアルに描かれている。 舞台は1972年9月から12月まで。世間ではジャズ喫茶がはやし、薀蓄を言ってジャズを聴いていた時代。また、ウーマンズリブや性の開放が唱えられていた(らしい)時代。 女子大生の直子は雀荘に集まるメンバーの紅一点。雀荘に集う男友達から誘われて、仲間内の何人かの男と寝てしまう。特に好きではないが、特に嫌いでもないので寝たという感じ。ところが、直子不在の場所で、公衆便所と言われていたことを知る。 直子と友達の泉の会話が端的に示している。 『「何かさ、女って男に欲せられていること自体に酔うんだよね」「わかる。男が欲しているのって、好きというのとは違うのに、どうして勘違いするんだろうか」』 それにしても痛い。70年代って何でこんなに痛いのだろう。そしてちょっと暗い。桃井かおりのイメージ。 泉の元カレは自殺する、直子の兄は内ゲバで死にかかる。 直子は大学を辞め、家族も放ってバンドマンの男の元へ向かう。 すべてが70年代らしい。 なぜ、今の時代に自分の青春時代をテーマに作品を書くことにしたのだろう。
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「抱かれる女から抱く女に」とウーマンリブ運動が起こり、連合赤軍事件が起き、不穏な時代70年代。 20歳の女子大生直子は、社会に傷つき反発しながらも、ウーマンリブにも学生運動にも違和感を抱き、自分の居場所を求めて常に焦燥感を募らせている。 そのうち兄が学生運動の犠牲になり、直子は新...
「抱かれる女から抱く女に」とウーマンリブ運動が起こり、連合赤軍事件が起き、不穏な時代70年代。 20歳の女子大生直子は、社会に傷つき反発しながらも、ウーマンリブにも学生運動にも違和感を抱き、自分の居場所を求めて常に焦燥感を募らせている。 そのうち兄が学生運動の犠牲になり、直子は新しい恋を見つけて新しい一歩を踏み出し始めた。 なんだ、新しい恋を見つけたと言っても結局、男に振り回されているじゃない。とこの終わり方にはちょっと不満ではあるが、久しぶりに現実味のある目新しいジャンルの話が新鮮だった。 桐野さんの青春時代が多少なりとも反映されているのだろうか。
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1972年頃の大学生の生活、雰囲気がわかっておもしろかった。 思ってた以上に、女性が下に見られていたようだ。今もまだまだと思ってはいるが、40年前よりは、随分ましになっているんだ。 40年前? 1972年はそんなにも、昔だったのだ。 桐野夏生さんの小説は、ほとんど、ものすごくい...
1972年頃の大学生の生活、雰囲気がわかっておもしろかった。 思ってた以上に、女性が下に見られていたようだ。今もまだまだと思ってはいるが、40年前よりは、随分ましになっているんだ。 40年前? 1972年はそんなにも、昔だったのだ。 桐野夏生さんの小説は、ほとんど、ものすごくいいなと思うのだが、たまに、・・・と思うのがあり、これは・・・の方だった。 この時代のことを、ストレートに書き残しておこうと思われたのだろう。
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その時代に学生生活を送っていた人には「あぁ、そんな時代もあった」と妙に納得できる箇所もあるのだろうけれど、年代が違うのでピンとこず。 「そんなこともあったんかぁ」 とちょっと遠い話になってしまう。
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