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神の棘(Ⅱ) の商品レビュー

4.6

46件のお客様レビュー

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2025/10/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

直前にトルストイの『光あるうち光の中を歩め』を読んでいたので、キリスト教の教えとは、信仰するとは、赦しとは、正しさとは… キリスト教について学びながらも疑いながら触れる時間が続いた。 なによりまず、須賀しのぶさん、ほんとにすごい。 物語の組み立てにしても、知識量にしても。なのに読みやすい。 この本を読んだおかげで、わたしはナチス、キリスト教、ユダヤ、第二次世界大戦について何も知らなかったんだなと気づけたことは大きい。もっと知りたい、知っておかなければと思った。 でももう残り150ページを切ったあたりからそれどころでもなくて……なにをどう言えばいいのか分からない。 せめて最後にアルベルトとイルゼが会えたら良かったのになとか思うけど、それはわたしのエゴでしかないしアルベルトは望んでいないこと。 マティアスとひとときを過ごせただけでも良かったのだろうなあ。 あまりに強くて美しく、冷静で隙のない、器用だけど一周まわって不器用にも思えるアルベルト。 許されない罪は罪としてのしかかり、本人も理解している。自分を救うのは自分というアルベルトの言葉にも納得できる。 でもやっぱり、世間一般のいう幸せをもっと味わってほしかった。罪を重ねる必要のない生活を送ってほしかった。外野からそんな風に思われることは望んでないだろうけど。 マティアスになりたかった、の言葉についてもアルベルトからもっと聞いてみたかった。 マティアスのどんなところに憧れて、羨んで、嫌だったのか。アルベルトの言葉で聞きたかった。 マティアスはこの後どのように生きていくのだろう。 きっと、変わらず信仰と疑心の間で揺れながら、でもその視点があるからこそ立派な司祭でいられるのだろう。マティアスが生きている間はまだ、そうできるのではないだろうか。 時代が過ぎるごとにアルベルトのように自分の責任は自分に還るというような考え方をする人も増え、キリスト教との関わり方も変わっていく人も増えるのだろう。今はイベントのときにだけ教会に行くという人も多いと聞くし…… まだまだキリスト教については理解が及ばない部分が多いなあ。 きっとまた読み返すことになる本。 次読むときにはどう思うのだろう。

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2024/09/01

2巻を通して、読み進めることがしんどいシーンも沢山あったけど読んで本当に良かった。 あの時代に本当に彼らのように生きた人がどこかにいたのだと思わされた。 最後の2人が対話するシーンはずっと忘れられないと思う。

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2024/01/08

読むのにとても集中力の必要な心にずっしりと重い本でした。戦争に翻弄された若者たちの受難の物語り。受難としか言いようのない、その時代に生まれたことだけが不幸な彼ら。バチカン以降は涙が止まらなくてページを捲れませんでした。当たり前ですが奇跡は起こらず。最も神に愛されたのが彼だと信じた...

読むのにとても集中力の必要な心にずっしりと重い本でした。戦争に翻弄された若者たちの受難の物語り。受難としか言いようのない、その時代に生まれたことだけが不幸な彼ら。バチカン以降は涙が止まらなくてページを捲れませんでした。当たり前ですが奇跡は起こらず。最も神に愛されたのが彼だと信じたいです。

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2023/05/30

歴史的背景やキリスト教の考え方含め学ぶことができた。 スケールの大きなストーリーで非常に面白かった。

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2023/05/03

人を赦すとは 最後のアルベルトの言葉で マティアスはこれまでのアルベルトへの対峙が間違っていなかったとわかるのでは そんなふうに思われたい そんな生き方をしたい 生き方、考え方 心に響く本でした

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2023/04/02

ラストは圧巻。ラストまでの物語も重くて、苦しくなりもしたけれど、深く深く心を打つ一冊だった。 マティアスとアルベルト、二人の主人公。正反対に見える思想、生き方をしていたけれど、お互いがお互いにどこかで助けられていた。 後半、イルゼが再登場するところからが特に見せ場で、それまで抱...

ラストは圧巻。ラストまでの物語も重くて、苦しくなりもしたけれど、深く深く心を打つ一冊だった。 マティアスとアルベルト、二人の主人公。正反対に見える思想、生き方をしていたけれど、お互いがお互いにどこかで助けられていた。 後半、イルゼが再登場するところからが特に見せ場で、それまで抱いていたアルベルトの人物像が180℃変わっていく。 マティアスを見て、アルベルトは微笑んだ。 そのアルベルトは、マティアスが今まで見てきた無数の顔の中で一番美しい笑顔をしていた、とあった。 この時、マティアスが求めていたアルベルトの救いの願いは聞かれたんだと思う。 タイトルにある「棘」。何を意味しているのか、それがラストで明らかになる。そして思うのは、神様の愛からもれる人はいない、ということ。 素晴らしい作品でした。図書館で借りて読んだのですが、これは手元に置いておきたい一冊。

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2022/12/20

敵対する立場で、幾度も運命を交差させてきたアルベルトとマティアス。 この物語の果ては、本当に慟哭という言葉が相応しい。 神は、乗り越えられぬ試練を与えることはない。 …などと言うのも愚かしく感じるほどの、悲惨な殺戮。意味を見出せない戦闘。 今この瞬間も、女性や子供を含めた民...

敵対する立場で、幾度も運命を交差させてきたアルベルトとマティアス。 この物語の果ては、本当に慟哭という言葉が相応しい。 神は、乗り越えられぬ試練を与えることはない。 …などと言うのも愚かしく感じるほどの、悲惨な殺戮。意味を見出せない戦闘。 今この瞬間も、女性や子供を含めた民間人に銃を向けている兵士たちは、皆こんな心境でいるのだろうか。 そうだとしても、到底受け入れられないのだけれど… 現実になおも続いている侵攻や、防衛のためと称して軍備を増強しようとしている政府。 感想を書くことも出来ず日にちが経ってしまったが… とにかくとてつもなく力のある作品だった。

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2022/06/25

第二次世界大戦時ナチス支配下のドイツでかつての同級生2人、ナチス側のアルベルト=ラーセンと迫害される側である修道士のマティアス=シェルノの2人の戦いを描いたお話。2人は互いに対立することもありながら不思議な巡り合わせの中で協力もしつつそれぞれの戦いに挑んでいく。 マティアスは初め...

第二次世界大戦時ナチス支配下のドイツでかつての同級生2人、ナチス側のアルベルト=ラーセンと迫害される側である修道士のマティアス=シェルノの2人の戦いを描いたお話。2人は互いに対立することもありながら不思議な巡り合わせの中で協力もしつつそれぞれの戦いに挑んでいく。 マティアスは初めから分かりやすく真っ直ぐで、人道的な戦いを行う。 対するアルベルトはナチス側であり悪役かと思いきや彼は純粋に守ると約束していた奥さんを守り切り、同時に助けられるところではマティアスやユダヤ人に手を貸すところもあった人。ロシア遠征ではユダヤ人を大量に虐殺していた訳で、決して善人とは言えないけれど、自分も彼と同じ立場ならどういう行動が取れたかと問われると分からないし、戦時下における善人の定義はわからない。ただ、最後にアルベルトが処刑されることにはマティアスやアルベルトの奥さん含め反発や悲しみを覚える人が一定数いたことは事実。アルベルト本人は気にしてなさそうだけれど、私も読者としてアルベルトの最期は納得いかない気持ちもあり、辛かった。でも今のウクライナ情勢含め、本当に色んなことを考えさせてくれる本だった。

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2022/06/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

出会えてよかったと思えた本。「革命前夜」の方だと思い手に取ったところ、一気に1、2巻と読み終えてしまいました。多くの人を殺したことは、時勢という状況を差し引いても許されないことなのに、それでも彼に救われて欲しいと願いました。けれどそれこそ読者である自分のエゴだとも感じます。 彼がとても人間らしくて、本心が別のところにあったのだと知れたからこそだと思います。 もう一度気持ちが落ち着いたら読み直したい本です。

Posted byブクログ

2022/05/06

戦争の話だと思って読み進めると、信仰の話だった。言い方はアレかもしれないけど、いろんな登場人物の言葉や生き方を通して神・教会・信仰を解釈してみましょうというエクササイズのような読書体験でおもしろかったです。 全体をもっと短く、ドッカンドッカン派手にスピード展開するような小説にしな...

戦争の話だと思って読み進めると、信仰の話だった。言い方はアレかもしれないけど、いろんな登場人物の言葉や生き方を通して神・教会・信仰を解釈してみましょうというエクササイズのような読書体験でおもしろかったです。 全体をもっと短く、ドッカンドッカン派手にスピード展開するような小説にしなかったのは、戦争の話としてじゃなく信仰の話として紡いだからなんじゃないかな。 私は映像を脳裏に立ち上げて小説を読むタイプではないけど、このラストの美しく静かなシーンはめっちゃ映画!って感じで浮かんできました。

Posted byブクログ