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「子供を殺してください」という親たち の商品レビュー

3.5

78件のお客様レビュー

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2015/10/29

民間の精神障害者移送サービス業を営む著者による本 扱った事例の描写は詳細で生々しい。薬物中毒や人格障害を嫌がる精神医療の現場や長期入院を前提とした入院加療が受けられなくなっている現状などについても概ね正確。 内容的には養育を含めた親の態度に対する批判が多く、やや公平を欠くように...

民間の精神障害者移送サービス業を営む著者による本 扱った事例の描写は詳細で生々しい。薬物中毒や人格障害を嫌がる精神医療の現場や長期入院を前提とした入院加療が受けられなくなっている現状などについても概ね正確。 内容的には養育を含めた親の態度に対する批判が多く、やや公平を欠くように思う この手のサービスと言えば患者を病院に搬送するだけで数十万円と単位の高額を要求されるとイメージがあったが著者の会社は500万円なんだそうだ。他に方法はないかを考えたり、人権を守りながら後後のフォローまでするとなるとそれぐらいの金額を要するのだろうか

Posted byブクログ

2015/10/28

もともと警備会社を経営していたという著者。 従業員の精神疾患から、精神障害者を医療に繋げるという移送サービスを始めたのだそうだ。 前半が著者が実際に対応した実例が紹介され、後半を5章ほどに分けてケーススタディを交えながら、精神障害者とその家庭における実態、苦難、また社会が抱える問...

もともと警備会社を経営していたという著者。 従業員の精神疾患から、精神障害者を医療に繋げるという移送サービスを始めたのだそうだ。 前半が著者が実際に対応した実例が紹介され、後半を5章ほどに分けてケーススタディを交えながら、精神障害者とその家庭における実態、苦難、また社会が抱える問題点などを考察していく。 著者も言うように、ご家族がこの問題に真摯に向き合う覚悟ができていているならば、なんとか事態を前にすすめることはできる。ただ、本人の抱える問題を、家族の在り方がより悪いほうへと増幅させているケースも少なからずあるようで、このあたりが精神障害というものの置かれている状況の困難さであるとも言えるだろう。社会の制度しかり。世の中の意識しかり。 単なる無責任な一読者の立場から言わせてもらえば、著者がかかわったケースのその後がどのように変化したか、現在はどうしているのか、などが知りたかったとは思うが、大人の事情もあって難しいのでしょうね。

Posted byブクログ

2015/10/28

精神障害者移送サービスの会社を運営している著者のノンフィクション。 著者が作中「精神障害を抱える子供の親は、意外と高学歴、高所得者が多い」といった事を書いているが、このサービスを利用しようという人は高所得でないと利用できないからではないのか。(もちろんそれなりの費用がかかるのは...

精神障害者移送サービスの会社を運営している著者のノンフィクション。 著者が作中「精神障害を抱える子供の親は、意外と高学歴、高所得者が多い」といった事を書いているが、このサービスを利用しようという人は高所得でないと利用できないからではないのか。(もちろんそれなりの費用がかかるのは百も承知だが) こういう仕事があるよー、こんなひどい状況の人が世の中にはたくさんいますよー、と。それ以上でもそれ以下でもない。無駄に不安を煽るだけのような内容でした。まさに救いを求めている人が読むべきではない。高所得者は例外なのかな。……わからん。

Posted byブクログ

2015/10/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 タイトルを見ると、あれ?児童虐待の本かな?と思いますが、逆です。各種パーソナリティー障害や育つ環境によって、自己愛が肥大しすぎて、家族に暴力暴言を吐き、支配下に置いてしまうような「大人になった」幼児たちのドキュメンタリーとその解決策について言及しています。  自分の社会性のなさ、実力のなさ、人間関係での躓きを親のせいにして、親に金銭的な意味で際限なくたかり、殺すか・殺されるかという状態になっている家族があるそうです。そういった家族から、精神科への移送を請け負っているのが、この著者。当然ながら、毎回修羅場。詳細書きませんが、凄まじいです。精神科に入院させても、長くて3か月程度で退院してくるので、その間に人格がまともになり、経済的にも社会的にも自立が可能になる…わけもなく、再度家族には重い負担、というか命の危険が差し迫ります。  このような大人の家庭内暴力はいまだスポットライトが当たってない現実。児童虐待やDVは社会的認知も進んできており、シェルターなども出来ているようなので、今後はこのような家庭内暴力についても、医療・司法・そして社会的なセーフガードが必要になると思います。

Posted byブクログ

2015/10/13

 タイトルの通り。  ほぼ救いが無く、これでもか、と現在の制度と周りの目線を淡々と説明してくる。読んでいると若干気落ちしてくる位。  「救いは無いのかよ!」と言いたくなるが、救いが無いような状況だから「子供を殺してください」と親が言う訳で……。  自分が事実に直面した時に「もし...

 タイトルの通り。  ほぼ救いが無く、これでもか、と現在の制度と周りの目線を淡々と説明してくる。読んでいると若干気落ちしてくる位。  「救いは無いのかよ!」と言いたくなるが、救いが無いような状況だから「子供を殺してください」と親が言う訳で……。  自分が事実に直面した時に「もしかしたら明日はもっといい日かも」と解決を先延ばしにするより、直視したほうがいいと考えさせられる一冊。  心にゆとりがあるときにぜひ。

Posted byブクログ

2015/09/12

タイトルも衝撃的だが、救われない内容で辛い。両親が子供への関心が薄いとか、注いでいる愛情が少ないとか、いずれにしても親に原因があるケースが大半のよう。パーフェクトな親にはなれないけど、矛盾とかないようにはしたい。

Posted byブクログ

2015/08/20

事件を起こし続ける子どものケアに疲弊した親への取材ドキュメンタリかと思っていたのだけどちょっと違ってた。 精神障害者移送サービス、という会社と、本気塾という自立更生支援施設を立ち上げた著者による、ノンフィクション。 病識のない患者を説得して病院に連れて行き、その後のケアも行っ...

事件を起こし続ける子どものケアに疲弊した親への取材ドキュメンタリかと思っていたのだけどちょっと違ってた。 精神障害者移送サービス、という会社と、本気塾という自立更生支援施設を立ち上げた著者による、ノンフィクション。 病識のない患者を説得して病院に連れて行き、その後のケアも行っているという。 追い詰められた親の必死のSOSを、今の日本の医療では救いきれない現実。 なにが、どこに、一番の問題があるのだろうか。

Posted byブクログ

2015/08/13

世の中にはこんなにも不労所得で暮らす家があるのか。 エリート一家に生まれた、絶対働きたくない長男は面白かった。病気のほうが生きやすいこともあるのだ。箒木さんの閉鎖病棟という小説を思い出した。外で生きるのが善、という思想と全く相容れない者。

Posted byブクログ