「子供を殺してください」という親たち の商品レビュー
「司法と医療の境目」という言葉にハッとした。人間ってこんなにも脆いものなのかなと。親の見栄や不仲、そんなどこにでもありそうな家庭環境が、こんなモンスターの病原菌を植え付けてしまうものなのだろうか。生まれもった何かがあるのか、生育過程が関係あるのか、わからないけれど、こんなにもロジ...
「司法と医療の境目」という言葉にハッとした。人間ってこんなにも脆いものなのかなと。親の見栄や不仲、そんなどこにでもありそうな家庭環境が、こんなモンスターの病原菌を植え付けてしまうものなのだろうか。生まれもった何かがあるのか、生育過程が関係あるのか、わからないけれど、こんなにもロジックを飛び越えたやりとりが存在しているのかと思うと、やりようがなくてつらい。家族は切っても切れないから。 社会で支えるなんて非現実的だと思う。異質者は何事もないように社会から切り離されてしまうから。悪意なく。 ただ、遠い世界の出来事ではなく、自分の世界にも起こりうるものだと捉えよう、と思った。
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精神障害者移送。聞いたことのない言葉だった。 精神障害の背景にある歪んだ親子関係。 子は親の鏡。 長年にわたるプレッシャーが形を変えて噴き出す。 体を強く押すと痣ができるように、心に強い圧迫が長期に加わると心が病むのだ。
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精神の福祉って難しい。 修羅場の地獄のような家庭があり、前向きな未来を感じられない。それでも最善を尽くす方法を模索しないといけない。 私には想像もできない世界。
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精神医学に分類されていましたが私はこちらもやはり社会問題の分類に入るように思います。 タイトルと表紙の写真から何となく虐待であるとか、未成年の子供を扱いかねる親の話なのかという印象がありますが、全く違いました。 人格障害と思われる子供を持った家族の苦悩がこれでもかこれでもかと出てくる一冊です。そして根本的解決は見当たらない。救いが無いと皆さんおっしゃっていますがその通りです。でもこういう現実の家族がいるということを知る必要もあるということでしょう。 こういう人に対処する場合、医療機関も公的機関も結局たらいまわし的扱いになるでしょう。今の制度のままではそうならざるを得ません。根本的対策がないのですから。 新しい制度が必要なのだと思いますが、それを誰がどのように決めて施行してくれるのか。一歩間違えば個人情報侵害や人権侵害と言われかねない状況もでてくるでしょうから大変対策は難しいと思われます。 でも、こういうどうにもならない人間て現実にいます。「殺してください」とまで言わしめる苦悩は当事者でなければおそらく本当にはわかり得ないのではないかと思います。 どう対処しても無理な人間がいるのは事実なので、親の責任ばかりを問うことは出来ない場合もあると私は思います。 逆に親が率先して子どもを精神疾患ということにして犯罪の隠れ蓑にしようとしているというケースもあると本文中に指摘があります。それもまた本当のことだと思います。 そのまた別のケースで、子供が犯罪を犯した後、精神鑑定で精神疾患と認定されて犯罪者として裁かれたほうがまだ良かった、と言った親も私は知っています。 こういう人間を家族に持ってしまったら、家族は暮らしも認識も、常識とかけ離れた状況になっていってしまうのかもしれませんね。 アメリカでは人口の15%がパーソナリティ障害だというデータがあると本文中にでてきますが、ショッキングな数字と言ってもいいと思います。(もちろんパーソナリティ障害だからといって犯罪を必ず犯すわけではないのですけれど人には言いにくいことではあります) 「何かあったら110番を」って何かあってからでは遅いけれども、現実にはそれしかないのでしょうか。 著者の方が本書中で述べられている警察OB組織による「グレーゾーン」対策、出来たらすごいなと思いますが現実的には無理な気がします。
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平成28年6月16日読了。手段は180度異なるが、押川氏が目指しているベクトルの先は、戸塚ヨットスクールの戸塚宏校長とほぼ同じではないかと思った。親にもどうすることもできなくなったモンスターを『処分』するためには、戸塚先生は必要悪であり、誰も触れたがらない問題を使命感を持って請け...
平成28年6月16日読了。手段は180度異なるが、押川氏が目指しているベクトルの先は、戸塚ヨットスクールの戸塚宏校長とほぼ同じではないかと思った。親にもどうすることもできなくなったモンスターを『処分』するためには、戸塚先生は必要悪であり、誰も触れたがらない問題を使命感を持って請け負う様は、押川氏と同じスタンスを感じざるを得ない。 親子問題や家族間の紛争を外野から批判するのは容易いが、いざ当事者の立場になったら絶望してしまうだろうと感じながら読み進めた。後味の悪い読後感である。
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精神的に追い詰められた家族を救う筆者。 当人、その家族の実際にあった彼らの話。 第1章、リアルなケースを綴ってある 結構細かく書かれています。全7ケース。 第2章、親からの願い 手に負えない状況に陥ってしまった患者の親からの願い。 第3章、最悪なケースほどシャットアウト グレーゾーンだったり、110番しろだったり。 第4章、精神保健福祉法が改正されて何が変わったか ある意味、何も変わらないように感じるのは私だけ? 第5章、日本の精神保健のこれから 犯罪精神医学が行ってきた事を鑑み、日本へのスペシャリストの必要性。 第6章、家族のできること、すべきこと 果たして家族はどうやって向き合っていけばいいのか。 読んだ感想としては どうしろというのか? と。 今までの事例を挙げて。 でも。 自分の感想としては、どうしたらいいのか? しか出てこない。 自分の周りも、自身も当人なので。
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ここまでの親子関係になってしまう前に、なんとかならなかったのか。幼児教育に関わる身として、乳幼児の親子関係の重要性を痛感する
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精神を病んだ人たちを説得して病院に搬送する、民間会社。患者とその家族が抱える問題と病院側の事情なと、ノンフィクションで綴られる。
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これはもう、なんちゅうか、重すぎて・・・いったいどうしたものやら?という感じ。 家庭環境で病が発症したり、重症化したり、ということもあって悲惨極まる。 また、家族の努力によって、普通の暮らしに戻れる人もいる。かと思うと、親が放棄して、兄弟姉妹に負担がのしかかる場合もある。 病院も...
これはもう、なんちゅうか、重すぎて・・・いったいどうしたものやら?という感じ。 家庭環境で病が発症したり、重症化したり、ということもあって悲惨極まる。 また、家族の努力によって、普通の暮らしに戻れる人もいる。かと思うと、親が放棄して、兄弟姉妹に負担がのしかかる場合もある。 病院も人道的な対応をしてくれなかったり、関わっていないと知ることなく過ごしてしまうだろうことが、これでもかというように書かれていて、いっそう暗い気分になる。 著者のやっていることは、ホントにすごいことなのだなぁと思いを馳せる。
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いかにも重さうな内容を示唆する表題であります。手に取るのを躊躇するところですが、何となく目を背けてはいけない事が書かれてゐるのではと思ひ、一読した次第なのです。 心の病気と一口に言つても、その内容は実に多岐に亘ります。例へば認知症。誰でも発症する恐れがあり、実際多くの人が罹患して...
いかにも重さうな内容を示唆する表題であります。手に取るのを躊躇するところですが、何となく目を背けてはいけない事が書かれてゐるのではと思ひ、一読した次第なのです。 心の病気と一口に言つても、その内容は実に多岐に亘ります。例へば認知症。誰でも発症する恐れがあり、実際多くの人が罹患してをります。わたくしも血圧を下げる薬を飲んでゐる為、将来に影響がないか不安に思ふところです。発病して夜間徘徊し、踏切に立ち入り電車を止めることが無いと、誰が言へるでせうか。 そんな様々な精神疾患ですが、以前は「精神病」などと差別的に言はれて、「隔離」の対象でした。昔の映画なんかで、精神病と認定された人が、無理矢理精神病院に連れられて行き、本人は「俺はキ○ガイぢやない、正常だ!」などと叫んでも強引に鉄格子(!)の中に幽閉されてしまふ場面がありました。映画『マタンゴ』(本多猪四郎監督)でも、久保明が無人島での体験を話すが、余りに荒唐無稽すぎると思はれたのか、精神病院の檻の中に入れられてゐました。 著者は、精神を病んだ人たちを、患者本人を説得した上で(強引な拘束などは排除し)医療の現場へとつなぐ仕事をしてゐる人。精神疾患の中でも、内に籠る場合と、外に爆発するケースがあります。本書では主に、後者に属する実例を紹介してゐます。 もう成人してゐるのに、社会への適応能力が著しく低く、仕事も長続きせず、悪いのは皆他人の所為だと被害妄想に陥り、親や兄弟姉妹に当り散らし、暴力を振るい家中を破壊しまくり、近隣住民ともイザコザが絶えず、「このままでは殺される」と生命の危機さへ覚え、警察に相談しても「事件がなければ動けない、何かあつたら連絡して」といふことで、万策尽きた親が著者に相談に来るさうです。その究極の依頼が、本書のタイトルになつてゐます。 著者は既に1000人以上を医療機関へ移送した実績を持つさうですが、その中で感じた問題や課題は、国レヴェルで解決しなければならぬ事が多いと。まづは、さういふ他人を殺傷する可能性がある患者は、どこの医療機関でも受け入れたくありません。運良く受け入れてくれても、やはりスタッフや他の患者とトラブルになつたり傷つけたり、病院の備品を損傷したりして、追ひ出されてしまふ。そしてかういふ、じつくりと長期で治療しなくてはいけない患者も、一律で最大三か月間しか受け入れてくれないのださうです。わづか三か月では、家に戻しても結局元通りで、何の解決にもならぬのであります。 何でも三か月以上入院させても、病院としてはカネにならぬのださうで。その辺の事情は本書を覗いてみて下さい。ここでも「最後は金目でしよ」といふ訳か。 著者は、かういふ患者たちの為に、専門の公益財団法人(スペシャリスト集団)の設立を提言してゐます。事実上、医療の現場から見離されてゐる患者たちは行き場がありません。放置は、即ち家庭の崩壊・殺傷事件の誘発を招きます。そのスペシャリスト集団は、経験豊かな警察官OBを中心に組織すれば良いと述べてゐます。せつかくの能力・経験を活かさないのはもつたいないと。 同時に著者は、患者の家族(多くの場合はその親)に対しても注文を付けてゐます。専門家に押しつけて、後はお任せします、ぢやあよろしくと、まるで他人事の親が多すぎるさうです。著者としては、むろん依頼を受ければ全力で解決に当るのですが、何よりも家族の理解と協力が必要であると。 子供の問題行動は、その親に原因がある場合が多いのではないかと、注意を促してゐるのです。憎まれるのを覚悟で(実際、この指摘には批判が多いさうです)問題解決のために敢へて苦言を呈す、といふところでせうか。 出口の見えない問題だけに、読後は重苦しさが残ります。しかし、知らないままだつたら、自分は偏見を持つたまま過ごすのだらうな、と思ひますので、やはり多くの人が目を通すべき一冊ではないかと存じます。 では今夜はこんなところで。御機嫌よう。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-619.html
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