ジャイロスコープ の商品レビュー
「伊坂幸太郎」の短篇作品集『ジャイロスコープ(英題:a present)』を読みました。 『アイネクライネナハトムジーク』に続き、「伊坂幸太郎」作品です… 先月に読んだ『火星に住むつもりかい?』以来、8作連続で「伊坂幸太郎」作品ですね。 -----story---------...
「伊坂幸太郎」の短篇作品集『ジャイロスコープ(英題:a present)』を読みました。 『アイネクライネナハトムジーク』に続き、「伊坂幸太郎」作品です… 先月に読んだ『火星に住むつもりかい?』以来、8作連続で「伊坂幸太郎」作品ですね。 -----story------------- 書き下ろし短編収録! 初の文庫オリジナル小説集は、驚きに満ちた七つの「伊坂」ワールド!! 助言あり?(ます)――。 スーパーの駐車場にて“相談屋”を営む「稲垣さん」の下で働くことになった「浜田青年」。 人々のささいな相談事が、驚愕の結末に繋がる『浜田青年ホントスカ』。 バスジャック事件の“もし、あの時……”を描く『if』。 謎の生物が暴れる野心作『ギア』。 洒脱な会話、軽快な文体、そして独特のユーモアが詰まった七つの「伊坂」ワールド。 書下ろし短編『後ろの声がうるさい』収録。 ----------------------- デビュー15周年の節目を記念して2015年(平成27年)に、初めての文庫オリジナル短編集として発売された作品で、以下の7作品とインタビューで構成されています。 ■浜田青年ホントスカ ■ギア ■二月下旬から三月上旬 ■if ■一人では無理がある ■彗星さんたち ■後ろの声がうるさい ■十五年を振り返って 伊坂幸太郎インタビュー 「伊坂幸太郎」作品の特徴である、散りばめられた伏線がすべて回収されてい… という展開は踏襲されているので、それぞれ愉しめましたが、特に印象に残ったのは、『浜田青年ホントスカ』、『一人では無理がある』、『彗星さんたち』の3作品でしたね。 蝦蟇倉市へやってきた「本当っすか」が口癖の「浜田」が、相談屋の「稲垣」と出会いアシスタントとして働くことになるが… 終盤、「稲垣」が「浜田」を雇った理由や、「浜田」の正体が判明することにより、意外な展開を見せるミステリ色たっぷりの『浜田青年ホントスカ』、 ある会社の、ある仕事… 一般には秘密裏に行われている事業活動、その仕事の奥は深い… そんな仕事の謎が解けることにより、怪しげな仕事が、子どもに夢を与える仕事であることが判明するが、それだけでなく、いつもミスをする「松田」の仕事ぶりが、実はとても世の中の役に立っていたという、ファンタジー色が強く温か味のある結末が心地良い『一人では無理がある』、 新幹線の車内清掃の仕事に就いた「二村」は、主任の「鶴田」から様々なことを学ぶ… そして、仕事にも慣れ、他の清掃スタッフとも馴染んだ頃、「鶴田」が脳溢血で入院する… 「鶴田」不在のその日、仕事が終わってから、清掃スタッフの間で交わされた人間模様の中から、「鶴田」の人間ドラマが浮かび上がり静かな感動を覚える『彗星さんたち』、 この3作品は、ホントに良かったですねー 最後に収録されている書下ろし短編『後ろの声がうるさい』が、これまでの6作品を巧く紡いだ受け皿となっていて、感動のエンディング… という展開も巧いもんですね、、、 愉しめる一冊でした。
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7編の短編 最後書き下ろしの「後ろの声がうるさい」でエンドロールのようにそれまでの登場人物らしき人がちょっとずつ顔を出すけど、基本的には独立した短編の物語 浜田青年ホントスカがぎゃふん!という意味では一番好みだった 語り手に騙されるのが読者としてはたまらなく気持ち良い ギアは、架空の生き物セミンゴが出てきたあたりで、ちょっと待って分からん分からんとなってしまった SF?は設定の理解に時間がかかるので、頭の中で映像化するのが難しく、これは慣れが必要だと思った 伊坂さんの作品の場合、短編であってもそれぞれの話の関連を探ってしまうから時間をおかずに一気に読む(前の話の記憶があるうちに次々読みたい)ので、結局長編を読むような気持ちで読んでいる感がある 個人的にはもう少し一話一話ボリュームがある方が好きかも、と思った (時間が経って再読したときには、また感想が変わってるかもしれないけど)
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・浜田青年ホントスカ ★★★★ 物語の雰囲気がTHE 伊坂さんって感じやった。 浜田青年と稲垣さんの会話が淡々としててなんか良い。 浜田青年は実は浜田青年でなく殺し屋ってのはびっくりでその後の稲垣さんとの会話も変わらずな所が良かった。 ・ギア ★★ セミンゴはナウシカの王蟲を想像させられた。 特に最後のシーンは王蟲や。 ・二月下旬から三月上旬 ★★ 読んでて意味が分からなかったがそれぞれ年代が違う2月下旬〜3月上旬にかけての出来事の話し。 ・if ★★★★★ 良かったー!ここまでこの本読んで前2つが微妙やったので心配だったー 20年前の出来事とほぼ全く同じことが起きる。 同じバスに乗る男たちと関わりがない中、地味にみんな同じ思いで屈辱を晴らすのが良かったー! ・一人では無理がある ★★★★★ 伊坂さんって感じの結末でむっちゃよかったー! 前半はストーカーが家に襲いにくる話。 後半はなんだかよく分からない特殊な会社で働く人たちの話。 その会社はサンタクロースにプレゼントが貰えない子たちにプレゼントを贈る会社。トナカイもいてちゃんと空を飛んで届けにもいく。 よくミスをする松田くんが誤ってドライバーやら鉄板を送るが結果的にそれが子どもたちを守るアイテムになる。 ラストは前作と後半の内容が交差し、誤って送った鉄板により助かるという読んでて清々しく楽しかった〜〜〜 これだから伊坂さんの本は読むのがやめれない!笑 ・彗星さんたち ★★★ 新幹線を掃除するスタッフの話。 それぞれのスタッフ達が会ったお客さんが鶴田さんの歴史なんじゃないかってのが良かった。 もうちょっと深掘りしてもっと読みたかった! あとパウエル国務長官の本、むっちゃ読みたくなった笑 ・後ろの声が出てうるさい ★★★★ 今回登場したそれぞれの人物とか出来事が、微妙に絡んでて面白かった! 最後の途中やめの手紙がよかった!
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短編集 前半の作品はよく分からないが、後半の作品は面白かった 最後の後ろの声がうるさいは 短編をまとめる為の無理矢理な感じが好きではなかった また読みたいとは思わない
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助言あり〼(ます)の看板を掲げる謎の相談屋。バスジャック事件の”もし”あの時…を描く作品。あっと驚くものから、どこか心が温まる作品など、色鮮やかな作品が揃うデビュー15周年を記念した短編集。 七編の短編からなる本作「ジャイロスコープ」は、起承転結の”結”の部分のない、読者にその...
助言あり〼(ます)の看板を掲げる謎の相談屋。バスジャック事件の”もし”あの時…を描く作品。あっと驚くものから、どこか心が温まる作品など、色鮮やかな作品が揃うデビュー15周年を記念した短編集。 七編の短編からなる本作「ジャイロスコープ」は、起承転結の”結”の部分のない、読者にその後を想像させる。といった内容が多かったような気もします。 なので、心躍るどんでん返しや、伏線とその回収といった伊坂さんらしいと呼ばれる作品が好きなんです、という方はあまりしっくりこないかもしれませんが、それでも伊坂ワールド満載の短編集です。(僕はこういう書き方の作品も結構好きなんですけどね) バスジャックに遭ってしまった主人公の、あのとき、こうしていれば…を描く、”if" 暴漢と化したストーカーと、結果オーライの申し子とサンタクロースを巡る、”一人では無理がある" 新幹線をきれいにして、お客様を出迎えてくれる清掃員さんたちのお話、“彗星さんたち" などなど、どの作品もどこか心温まる作品の数々。 「今度こそは自分をがっかりさせてはならない」 僕としては20ページにも満たない “if” がお気に入りです。みなさんも、興味があれば手に取ってみてくださいね。
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子供叱るな来た道だもの年寄り笑うな行く道だもの 妙に心に染みたが、暴力者から出た言葉だったのはなんだか皮肉だ。 伊坂さんの文章は相変わらずおもしろい。 特に「if」と「1人では無理がある」が好きだった。 予想の斜め上をいく伊坂さんの結末。 だから、やめられない。
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いやー、これはこれで面白かったですねー。 まず蝦蟇市が出てきてびっくりして、 正直途中は??と思う場面もあったけど、 「ひとりでは〜」と「彗星さんたち」は 著者らしさが出てて好きでした。
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伊坂さんの短編集、とても好き。 これ、本当に書きたい事だったんじゃないかな。。。 伊坂さんの織りなす時空に唸る。。 最終章への持っていき方、本当に好きな一冊です!
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久々の伊坂幸太郎作品。 あー、こういう感じだったっていう懐かしさに浸りながら。でもなかなか消化不良なお話が個人的には多かった印象。 一人では無理がある、は伊坂さんぽさが強くて結末もなんとなく想像できたけど好きでした。
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七つの話からなる短編集。全体的に、ミステリーのようなSFのような不思議な話が多かった。特に好きだと思ったのが、『一人では無理がある』と『彗星さんたち』の二作品。どちらもある職場で働いている人たちの姿を描いていて、人の温かさが伝わってきてほっこりした。最後の作品も、前の六作品を上手...
七つの話からなる短編集。全体的に、ミステリーのようなSFのような不思議な話が多かった。特に好きだと思ったのが、『一人では無理がある』と『彗星さんたち』の二作品。どちらもある職場で働いている人たちの姿を描いていて、人の温かさが伝わってきてほっこりした。最後の作品も、前の六作品を上手くまとめていて、いい終わり方だった。
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