「学力」の経済学 の商品レビュー
少なくとも今の日本にあって、強制的にせよ、自主的にせよ、教育を受けたことのない人はほぼいないだろう。それだけに、多くの人は教育について一家言もっている。こうした方がいい、ああした方がいい。でもその多くは経験則。n=1。教育関連制度を決める行政ですらデータに基づく政策決定をしている...
少なくとも今の日本にあって、強制的にせよ、自主的にせよ、教育を受けたことのない人はほぼいないだろう。それだけに、多くの人は教育について一家言もっている。こうした方がいい、ああした方がいい。でもその多くは経験則。n=1。教育関連制度を決める行政ですらデータに基づく政策決定をしているかすこぶる怪しい。 著者の中室さんはそれでいいのかと疑問を呈する。より効果的な教育はあるのではないか。経済学ならその手助けができる。 軽い言い方をするなら、本書はエビデンスに裏付けされたトリビア集ある。目からウロコのトリビアが、全編にわたって展開される。それだけでも十分におもしろい。特に、就学期のお子さんのいらっしゃる親御さんは必読。お子さんが成人している親御さんは歯噛みして残念がるかも。
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・自尊心が高いから勉強を頑張る(学力が高い)のではなく、勉強ができるからこそ自尊心が高くなるという結果である。 ・学力の高い学校やクラスに子を入れると、一定の学力があれば優秀なクラスメイトからプラスの影響を受けるが、学力が低い子どもは劣等感や自信喪失からマイナスの影響を受ける。 ...
・自尊心が高いから勉強を頑張る(学力が高い)のではなく、勉強ができるからこそ自尊心が高くなるという結果である。 ・学力の高い学校やクラスに子を入れると、一定の学力があれば優秀なクラスメイトからプラスの影響を受けるが、学力が低い子どもは劣等感や自信喪失からマイナスの影響を受ける。 ・ルームメイトの学力が高いからといって、学力が高くなるとは限らないが、行動の影響は受ける。例えば飲酒。 ・世界的に少人数クラスといえば20人程度。日本の35人は中途半端。児童の学力向上に対してはコスパが悪い(お金がかかる割に成果が出ない)。 前半は、データに基づいた、参考になる結果が多く紹介されている。 後半は、ランダム化比較試験の有用性をひたすらに説いている。
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久しぶりに新しい知見を得た! エビデンスっていうと ひろゆき みたいで言うのが恥ずかしいが やはり エビデンスって大事だと実感した 筆者の 教育に検診データを元に 効率良く 資材を追加し 政策を行うというのは非常に納得がいくものだった 何故か教育成果をデータ化することに 違...
久しぶりに新しい知見を得た! エビデンスっていうと ひろゆき みたいで言うのが恥ずかしいが やはり エビデンスって大事だと実感した 筆者の 教育に検診データを元に 効率良く 資材を追加し 政策を行うというのは非常に納得がいくものだった 何故か教育成果をデータ化することに 違和感を感じる自分の感覚にも驚いた 知らないうちに教育を神格化してたのだろうか? DAIGOのようにデーター一辺倒でなく ご自身の考察が織り込まれている事も 含め好感が良く 読みやすかった 沢山の教育関係のかたに読んで頂きたい
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テストで良い点取ったらご褒美・本を読んだらご褒美はどちらがよいか。本を読む、勉強をするなどのインプットに対しインセンティブを与えることで、結果的に学力の伸ばし方を学ぶことに繋がり良いアウトプットに繋がる。ご褒美設計が重要。自尊心を伸ばしても学力アップにつながるとは限らない。ここで...
テストで良い点取ったらご褒美・本を読んだらご褒美はどちらがよいか。本を読む、勉強をするなどのインプットに対しインセンティブを与えることで、結果的に学力の伸ばし方を学ぶことに繋がり良いアウトプットに繋がる。ご褒美設計が重要。自尊心を伸ばしても学力アップにつながるとは限らない。ここでもベッカー教授の人的資本論出てきた。教育投資するなら小学校入学前。GRITやり抜く力。内容は理路整然と、しかし時にアツく思いも語られていて、良かった。
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大学時代に先生の授業を取っておくべきだったな〜と後悔… 日本の教育政策がしっかりと科学的根拠に基づいていくために中室先生を応援したい。 非認知能力を向上させるための幼児教育への投資対効果の話は最近モンテッソーリの本を読んだので通ずるところが多かった気がする。
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エビデンスのある効果的な教育方法のまとめ。 ・インプットの都度ご褒美を与えると学力向上する。 ご褒美は小学校までは必ずしもお金でなくてよい(トロフィーなど◎)、中高生はお金が効果的。 ・褒めるときは元々の能力を褒めるのではなく、努力を褒める。 ・TV、ゲームは1時間までは悪影響...
エビデンスのある効果的な教育方法のまとめ。 ・インプットの都度ご褒美を与えると学力向上する。 ご褒美は小学校までは必ずしもお金でなくてよい(トロフィーなど◎)、中高生はお金が効果的。 ・褒めるときは元々の能力を褒めるのではなく、努力を褒める。 ・TV、ゲームは1時間までは悪影響特に無し。 ・「勉強するように言う」だけは逆効果。 ・親(特に同性の親、祖父母や兄姉親戚でも)が横で勉強を見たり時間を決めて守らせるのが◎ ・就学前までの幼児教育は費用対効果が高い。 ・IQなどテストで測れる能力ではなく非認知能力が育つ、それが人生の成功において重要になる。 ・「自制心」と「やり抜く力」という非認知能力を鍛える。 ・それらは努力によって伸ばせると定期的に伝えることで鍛えられるようになる。 ・少人数教育は費用対効果が低い。 ・習熟度別クラスは効果あり。
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一回読めば良いかな。 経済学者からの視点で、根拠を示しながら、話が進んでいた。 根拠を示してきたことは、面白いけど、学術的に読みたいわけではなかったので、結局、言いたいことを一言で知りたかった。
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大学で教育制度の授業を受講しているため、興味深かった。授業でも学んでいるけれど、この本を読んで改めて日本の教育制度はずれているというか無駄なことをしているように感じた。 日本の教育政策には科学的根拠が必要だという考え方はほとんど浸透していない。 因果関係と相関関係の話はデ...
大学で教育制度の授業を受講しているため、興味深かった。授業でも学んでいるけれど、この本を読んで改めて日本の教育制度はずれているというか無駄なことをしているように感じた。 日本の教育政策には科学的根拠が必要だという考え方はほとんど浸透していない。 因果関係と相関関係の話はデータを見るときに役立ちそう。因果関係と相関関係は違う。因果関係は「Aという原因によってBという結果が生じた」こと。相関関係は「AとBが同時に起こっていること」を意味しているだけであって、どちらかが原因でもう一方が結果を示しているわけではない。読書をしているから学力が高いのか、学力が高い子が読書をしているのか。あと、第三の要因があるかもしれないことを考慮する。 子どもの頃にちゃんと勉強しておくことは、将来の収入を高めることにつながる。教育投資への収益率は金融資産への投資と比べて高い。でも、人は目先の利益を追求してしまうため、わかっていても勉強しない。 本を読むなどインプットにご褒美を与える。テストの点数などアウトプットにご褒美を与えるとしても、子どもたちはどうやったら学力を上げられるかがわからない。 子供を信じるべき。
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エビデンス 統計的に有意な差 双極割引 インプット・アウトプットアプローチ 外的インセンティブ内的インセンティブ 自尊心の高さ 努力を褒める テレビは一日一時間 習熟度別学級 非認知能力 自制心とやり抜く力 教員免許 エビデンスの階層 セレクションバイアス
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教育分野の計量経済学的な分析。計量経済の基本知識があれば、すらすら読める。 幼児教育の重要性、少人数学級は効果はあるが費用対効果が低いといった点が興味深かった。
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