火口のふたり の商品レビュー
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p166「生きてるだけで楽しいって思える人と、成功しなきゃ楽しくない人がいたら、生きてるだけで楽しいって思える人の方が何倍も得だ」 p170「いまやりたいことをやっていると、人間は未来を失い、過去に何も残せない。明日のために必死の思いで今日を犠牲にしたとき、初めて立派な昨日が生まれる」
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浮気→離婚→起業→震災で廃業 というなかなか波乱の人生を経て故郷に戻ってきた主人公。 15年ぶりに従妹と過ごしつつ、自分の来し方を振り返る。 白石一文作品を読んだらだいたい思うことだけど、生き方と性とは密接に結びついておきながら、愛と結婚生活と性は結びついていなかったりする。 だからいけないと分かっていながら愛欲に溺れて家庭崩壊させたり…(まぁ普通はしないけど)、ほかならぬ人と出会っておきながら結婚には至らなかったりする。 …で、どうなっていくのか?と思ったら、物語は意外な方向へ。 この平穏な日本の社会が永遠ではないと思えば、誰もが本能に忠実に生きるかも。
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映画を見てから原作を読んだ。 映画ではセックス描写が多く何が言いたいのかよく意味が分からなかったが、原作では二人がひとときの男女関係にどっぷり漬かる様子がよく分かった。人生はいつも一生懸命でその懸命さの積み重ねが立派な過去を作り未来に繋ぐことができる。だが、いつも懸命では息が切れ...
映画を見てから原作を読んだ。 映画ではセックス描写が多く何が言いたいのかよく意味が分からなかったが、原作では二人がひとときの男女関係にどっぷり漬かる様子がよく分かった。人生はいつも一生懸命でその懸命さの積み重ねが立派な過去を作り未来に繋ぐことができる。だが、いつも懸命では息が切れてしまう。疲れてしまう。だから二人は息抜きをした、ということかな。
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従姉妹でありながら男女の仲だった時期がある直子の結婚式に参列するため、東京から地元の九州に帰ってきた賢治。一週間後に迫った挙式の日までとタイムリミットを設定した上で、二人はまた関係を持つ。倒産寸前の会社を東京に残してきた「俺」と、上京を諦めて地元で結婚を決めた直子。ヤケクソ中年...
従姉妹でありながら男女の仲だった時期がある直子の結婚式に参列するため、東京から地元の九州に帰ってきた賢治。一週間後に迫った挙式の日までとタイムリミットを設定した上で、二人はまた関係を持つ。倒産寸前の会社を東京に残してきた「俺」と、上京を諦めて地元で結婚を決めた直子。ヤケクソ中年男女の一週間の恋物語。 一つの物語の中で、複数の主題がを扱っている小説は多いけれど、一つ一つの主題が独立的に存在感があり過ぎるために、私の情報処理能力の圧倒的な低さも後押しして、読み終わったときに、結局一番書きたかったことは何?という感想を抱いてしまう小説を、勝手に「渋滞小説」と呼ぶことにしている。先日、途中までで頓挫した原田マハ「暗幕のゲルニカ」が第一位。そしてこれが、第二位。 東日本大震災、富士山の噴火、ほとんど何も頭に入らなかったけれど会社経営の内部事情あれこれ、近親相姦、子宮筋腫、不倫とそれに伴うかなり大胆な性的な描写。頑張って読んだけれどアップアップしてしまった。そして官能小説として読むには物足りないし、官能小説でないのならちょっと状況があまりにエロすぎる(嫌いではない)。 「火口の二人」というタイトルだから、もっと二人の内面や関係性にフォーカスして、育ってきた環境とか、従兄弟でありながら肉体関係を持つに至った経緯とか、そこから現在までの互いの心情の推移とか、そういう内向的な要素を期待していた。主語が「俺」である時点で「俺」以外の登場人物の正確な内面を描くことは難しいから、冒頭からうっすら「ちょっと違いそうだな」とは思っていたのだけれど、これはもう勝手に想像して勝手に読み始めて勝手に文句言ってすみませんとしか言いようがない。
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いまやりたいことをやっていると、人間は未来を失い、過去に何も残せない。明日のために必死の思いで今日を犠牲にしたとき、初めて立派な昨日が生まれる。 それでも今やりたいことだけやりたいって思うのが人間だ。
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落ちぶれた男と結婚を控えた女。かつて濃密な関係を結んだ二人がまた出会い、カタストロフィの直前にまた求め合う。しかし分かったのはお互いのすれ違い。物語の背景と二人の関係性がなんともチグハグに見えてしまうがこれは意図した手法なのか、その辺りが読み解けず、楽しめたとは言い難い。
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家庭の事情である時期(学生時代)きょうだいのように育ったいとこ同士の賢治(41歳)と直子(36歳)。ある時から一線を越えた関係となる。 月日は流れた。順風満帆の出だしだった賢治だったが、仕事に結婚に挫折し生きる意味を見出せなくなっていた。 従妹である直子の結婚式に参加するため東...
家庭の事情である時期(学生時代)きょうだいのように育ったいとこ同士の賢治(41歳)と直子(36歳)。ある時から一線を越えた関係となる。 月日は流れた。順風満帆の出だしだった賢治だったが、仕事に結婚に挫折し生きる意味を見出せなくなっていた。 従妹である直子の結婚式に参加するため東京から故郷の福岡に帰ってくる。 再び二人は結ばれ(それは直子が図ったことだった)、結婚までの5日間、本能のままに美味しい食事をする、睡眠をとる、体を重ねる。 これでもかという、過激な描写。だけど、それほどいやらしさをかんじない(嫌になるほど露骨なのだが)。なぜなら二人に恋愛感情は感じない動物的な関りにみえる。やけくそなのだ。 血の濃い二人、結婚相手との新居で事をいとなむふたり。社会のモラルから大きく外れ「体の言い分」に沿っている、二人が哀れ。 アダムとイブは宿命として血が繋がっている。子孫を残せるという本能の指令という。人は破壊の危機に陥るとこういう心理にいたるのか。 東日本大震災、福島原発の数年後という設定の話。そこからくる無力感から刹那的な快楽をあらわしていると思った。 もし明日この世が終わるならどう生きるか。時々ふと私もそう考えることがある。「やりたい放題」「やけくそ」それもいいな。でもやはり思うのは身近な人に感謝を述べたいなあ。 心に残ったところ 「生きているだけで楽しい人と、成功しなきゃ楽しくない人がいたら、生きてるだけで楽しいと思える人の方が数倍も得だ。」
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意味が分からない。世界が終わる感もないし。現実の時間軸とワイドショーなんかにある事象の説明文みたいなのが混在するのも別に効果的でない。
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ぐずぐずな人生 過去に濃密な関係があったから、 やけになってもまだ続けられるのかな 美味しそうな料理 こんなセックスできる相手は、いたら大変なんだろうな…
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内容は至極薄いけど、文学的に書くと評価されるんだなと。 主人公の人間性も嫌いだし、相手の女も性格悪いでしょこんなの。 極限状態っていう文庫のコピーに惹かれて買ってみましたが、極限状態なんかじゃないし、結局のところ倫理観のかけらもない男女が交わり合う日々の記録でした。
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