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新月譚 の商品レビュー

3.6

35件のお客様レビュー

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2015/08/22

9年前に絶筆した美貌の女流作家、咲良怜花の物語。いや、後藤和子の物語といったほうがいいか。 どんでん返しのミステリが多い貫井作品をこれまで読んできた身からすると、ほぼミステリ色を排したこの恋愛小説は異色作中の異色作に見える。実は恋愛の展開自体は割とオーソドックスで先が読めるし、...

9年前に絶筆した美貌の女流作家、咲良怜花の物語。いや、後藤和子の物語といったほうがいいか。 どんでん返しのミステリが多い貫井作品をこれまで読んできた身からすると、ほぼミステリ色を排したこの恋愛小説は異色作中の異色作に見える。実は恋愛の展開自体は割とオーソドックスで先が読めるし、咲良怜花の心情や行動に同意できない読者も結構多いんじゃないかとも思う。それでも個人的には読んでいて楽しかった。咲良怜花の放つエネルギーがどんどんページを捲らせていたような感覚がある。 貫井さんには、是非またこういう作品を書いていただきたいと思う。

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2015/08/06

2012年に刊行された単行本の文庫化。 ミステリではないが、小説から漂う緊迫感はミステリ以上だった。

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2015/07/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

女性の一生を貫井徳郎が描くなんて。意外だけど、ハマって読んでしまった。☆4.5! この本はもしかしたら好みが分かれるかもしれない。正直、和子(怜花)の生き方は読んでて辛いところが多い。ただ一人の男性から認めてもらいたいがための整形、執筆。ここで木ノ下を取り巻く女性を憎んで行動に移すのなら、これは面白味のない本になったかもしれない。憎しみも哀しみもすべて内に秘め、誰にも話さず生きていく和子の姿は読んでて辛いものもあるが、ある意味、本望なのかもしれないと思った。 彼女に好意を寄せる男性が時として現れ、頼っちゃえば楽なのに、と何度思ったことか。 最期はあっけない。隠し通してきた彼女の人生を初めて明かして、少しは楽になれたかな。 「薄明の彼方」、読んでみたかったな。

Posted byブクログ

2015/07/13

物語に入り込みすぎて少し疲れてしまった。こんなに夢中になって読んだのは久しぶり。 最後、和子はどういう想いでいたのだろう。亡くなるその日まで、どういう気持ちで生きていたのだろう。それを考えると少し切なくなる。自分の人生を幸せなものだったと思えていたらいいな。

Posted byブクログ

2015/06/29

読めどもなかなか終わりが見えてこず途中、ちょっと中だるみ感はあったが最後まで読み切るといつもより大きな感動があった。 ミステリーではなく恋愛小説。 美人女流作家、咲良怜花。ベストセラー作家である彼女が突然、筆を折る。作家になったきっかけから筆を折るまでの経緯を、新人編集者に咲良怜...

読めどもなかなか終わりが見えてこず途中、ちょっと中だるみ感はあったが最後まで読み切るといつもより大きな感動があった。 ミステリーではなく恋愛小説。 美人女流作家、咲良怜花。ベストセラー作家である彼女が突然、筆を折る。作家になったきっかけから筆を折るまでの経緯を、新人編集者に咲良怜花は語って聞かせる。 成功の影には男の姿があった。この男にどんな魅力があるのか、恋愛感情など当事者でなければわからいだろうがこの複雑な関係を維持し続けるというのは、女性から見ればスゴイ執念だと思うし、男性からすれば都合のいい女性だったのではないか? エピローグでは、ある程度予測はしていたが、そうくるかと感心しつつ、物悲しさが余韻として残る作品。 40代の男性作家が20代の女性の心理を描く恋愛小説。女性が読めばどう感じるのだろう?

Posted byブクログ