ウツボカズラの甘い息 の商品レビュー

柚月裕子(著者)

2015/10/17

主人公の高村文絵は、平凡な主婦。
小学校時代は惨めな思いをし、中学高校は輝かしい時代を過ごした彼女の現在は、昔の面影もなく太ったおばさんになって、日々を過ごしている。

彼女が中学時代の同級生に偶然、再開したことから人生は大きく変わっていく。

一人の女性が美しく変わっていく様もおもしろかったし、ある事件を担当する刑事と新人女性刑事のコンビが活躍するのもおもしろく読めました。

その二つが並行して書かれていたので、少し読みにくくはありましたが、最後までミステリーを楽しめました。

2015/10/15

どろっとした展開は面白かったけど、無駄要素と後出しが多くてミステリとしてはイマイチ。どう絡んでいくのか楽しみだった要素が本筋と関係ないと出した意味を考えてしまうのはミステリ脳になってしまっているせいだから仕方ないにしても、ラストが唐突だったのは残念。

2015/10/04

偶然に出会った、中学の同級生。持ちかけられる甘い話。
騙されてるって❗️って、ミエミエなんだけど、
実際には、人は騙されるんだよね。
甘い言葉には、注意。。。

2015/10/04

不満とストレスを抱えた主婦がコロリと騙しされる話と思っていたら、そんな簡単な話じゃなかった。

人の弱った心に入り込んで騙したり、他人になりすましたり、許せない！

甘い言葉に騙されないようにしないと、とは思うけど、文絵の場合はどうしたらよかったんだろう。精神障害で正しい判断ができなかったのかもしれないし、人の忠告にも耳を貸さないし。入院も嫌がり、妄想入っちゃったりしたみたいだし、夫がずっと監視なんてできないから。文絵、また病気が悪化しそうだけど、立ち直れるのかなぁ。

2015/10/02

面白かった。
ラストの書き方にもうすこし余韻を持たせてほしかったけれど・・・
あとは、一気に読んじゃった。

2015/09/27

　夫と2人の子供と暮らす高村文絵は、数年前から解離性障害を患っており、日々の発作に悩まされていた。家計の気苦労と育 児のストレスもたまり、食べることだけが楽しみになってしまった文江はぶくぶく太り、昔は美人だともてはやされていた美貌 は今や見る影もない。そんな時、懸賞で当たったディナーショーで、中学の同級生だった杉浦加奈子と偶然の再会を果たす。そ して中学の時に、文絵が憧れで、あの頃の生きる希望だったと話す加奈子はあの時のお礼がしたいと話し、破格の給料がもらえ る自分が関わっているという化粧品販売の仕事を文絵にやらないかともちかけてくる。最初は訝しんだ文絵だったが、実際に使ってみた効能と、本当に支払われた給料によって、夫に内緒にしながらも次第に仕事にのめりこんでいく。

　途中で明かされる事実には驚かされた。そして仕掛けだけでなく、主題として扱われている詐欺も、こうして人は騙されるのかというのがよく描かれている。でも、最後がちょっとあっさりしすぎかなぁ。

2015/09/20

家事や育児に追われ、かつての美貌を失ってしまった文絵。久々の外出先で出会ったのは中学時代の同級生・加奈子。夜でも室内でも顔の痣を隠すためにサングラスを手放さない彼女から、ビジネスに誘われた文絵はダイエットに励んで美しさを取り戻し、仕事を始める。

一方、鎌倉の別荘で一人の男性が殺された。周辺ではサングラスの女の目撃情報が。わずかな手がかりを頼りに捜査を進める秦と菜月。やがて辿り着いたのは文絵だったが－。

真犯人が判明するまでもどかしくて、あっという間に読んでしまった。
確かに不幸すぎる境遇の女だけど、だからって何の罪もない人間を次々と食い物にしていい道理が成り立つわけがない。
秦さん、よく捕まえてくれた！！

どうでもいいことで最近柚月さんの作品を読んでいて思うんだけど、刑事が色々な場所に出向いて話を聞いた最後に
「時間をとらせた詫びを言い」
っていう一文が毎回書かれている…いちいちそれ必要かなぁと気になってしまった。。。
それ以外は読みやすい文体で好きなんだけどどうもその点がね；

2015/09/08

そんなに簡単に他人に成り済ますことってできるんだな、と。こういう成り済ましの話は以前にも読んだけど、「存在を証明」するって難しいんだな、と思う。

2015/09/02

初読みの作家さん。
単純に面白かったー！特に後半は一気読みで。
大御所が書くどっしりとしたミステリーとは違い深刻なテーマがあるわけでもないので、純粋になぞ解きを楽しむ事が出来た。
軽快なテンポで進む文章も良かったし、登場人物それぞれのキャラクターも個性があって良かったと思う。
久々に何も考えずに読書が出来て満足（笑）

以前の美貌を失ったひきこもり気味の主婦文絵が、かつての同級生、加奈子と出会った事によってマルチ商法にかかわることになり、いつの間にか詐欺事件、はたまた殺人事件に巻き込まれてしまうという内容。

文絵を軸にして展開する物語と、殺人事件を追う刑事の目線からみた物語が並行して語られ最後には一つになる。
この辺りの構成もありがちだけど面白かった。
このまま2時間ドラマに出来ると思う。
キャストは誰になるだろうって真剣に考えてしまった（笑）

オチもすっきり収まって読後感も良し。
たまには正統派のミステリーも良いもんですね。

2015/08/29

人の心の隙間にうまく入り込んで犯罪を重ねていく。怖いし、騙されたとわかった時のダメージも大きい。
文絵が徐々に怪しいビジネスに夢中になっていく過程にはぐいぐい引き込まれた。その分、最後ちょっと駆け足な印象。犯人の背景をもっと読んでみたかった。
今作だけなのはもったいないぐらい、秦と菜月のコンビが良かった。