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ウツボカズラの甘い息 の商品レビュー

3.5

104件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    42

  3. 3つ

    40

  4. 2つ

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2016/05/03

2016.1.25.読了美咲、美樹二人の娘の母である高村文絵はぶよぶよに太りすっかり弛緩した30代の主婦。趣味である懸賞応募で当たったディナーショーで、中学校の同級生であると称する杉浦加奈子という華やかな雰囲気の女性からこえをかけられる。中学校時代は目立たなかった加奈子だったが、...

2016.1.25.読了美咲、美樹二人の娘の母である高村文絵はぶよぶよに太りすっかり弛緩した30代の主婦。趣味である懸賞応募で当たったディナーショーで、中学校の同級生であると称する杉浦加奈子という華やかな雰囲気の女性からこえをかけられる。中学校時代は目立たなかった加奈子だったが、その時は目立つ存在だった文絵に助けられたことがあるという。今と違い、中学生の頃の文絵はスマートで美しい美少女だった。その時の恩返しをしたいという加奈子は、鎌倉の別荘に文絵を招く。 場面は変わり、鎌倉で起こった殺人事件の捜査に赴く神奈川県警本部の捜査一課秦圭介。所轄の女性巡査、中川菜月と組むことになる。 加奈子を訝りながらも鎌倉に加奈子を訪ねた文絵だったがあまりにも違う生活水準におののき、早々辞去しようとするが、加奈子に頼みがあると引き止められる。加奈子はフランスの化粧品の販売を仕事にしておりそれを文絵に手伝って欲しいと言うのだ。 文絵の状況と秦・中川コンビの捜査と同時並行に描かれ早々に文絵が事件に巻き込まれているのは分かるが加奈子の正体がわかるにつれ事件は思わぬ展開を見せていく。次々、秦の捜査によって明らかになっていく真実に驚きながらも若干強引に感じた。文絵にも驚いたがただ書いて説明してあるだけでもう少し深く描いて欲しかった。最後が雑に思えた。すごく楽しみしていたので残念。

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2016/01/28

図書館で借りた。表紙はタイトルにピッタリの絵で、食虫植物のウツボカズラに女の組み合わせ。男性が後頭部をワインボトルで殴られ死亡する事件が起きる。男性は怪しい会社の役員で警察は関係者を洗っていくうちに、ある詐欺事件にぶつかるのだが…マルチ商法やエセ宗教などで他人から金を奪い取るやり...

図書館で借りた。表紙はタイトルにピッタリの絵で、食虫植物のウツボカズラに女の組み合わせ。男性が後頭部をワインボトルで殴られ死亡する事件が起きる。男性は怪しい会社の役員で警察は関係者を洗っていくうちに、ある詐欺事件にぶつかるのだが…マルチ商法やエセ宗教などで他人から金を奪い取るやり方に利用された人達の話であり、金銭欲の塊に目を付けられた悲劇でもある。

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2016/01/26

終盤がちょっと早足で残念です。それまでは結構読み応えがあって、結末に期待していたのですが。でも一気読みでした。

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2016/03/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

家事と育児に追われ、かつての美貌を失った主婦、文枝。彼女は解離性障害を患っていた。 ある日行ったデイナーショーの会場で、文枝は同じ中学で同級生だったという美女に声をかけられる。その女に誘われて高級化粧品の販売に手を貸すことになった文枝。 一方、鎌倉に建つ豪邸で殺人事件が起き、その容疑者として文枝が浮かぶ。 マルチまがいの商法。株式の上場を餌にした詐欺。あやしい宗教。 随分と盛りだくさんだ。盛り込みすぎて最後は息切れか。

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2017/09/20

主婦の文絵は痩せて輝いていた頃を知る 学生時代の友人、加奈子と偶然再会する。 加奈子は昔、文絵に助けてもらったお礼が したいと鎌倉の別荘に文絵を招きそこで 自分が手がけている化粧品の販路拡大のために 文絵に講師役を務めて欲しいとお願いする 加奈子には人前でサングラスを外せない事...

主婦の文絵は痩せて輝いていた頃を知る 学生時代の友人、加奈子と偶然再会する。 加奈子は昔、文絵に助けてもらったお礼が したいと鎌倉の別荘に文絵を招きそこで 自分が手がけている化粧品の販路拡大のために 文絵に講師役を務めて欲しいとお願いする 加奈子には人前でサングラスを外せない事情があった。 文絵は胡散臭いと思いながらも月50万の報酬と 美しくなって欲しいという加奈子の言葉に後押しされ 昔の美貌を取り戻していく。 講演会を開く頃には疲れ切った主婦の文絵は 何処にもいなかった。 加奈子のビジネスパートナーの飯田章吾は 文絵の講演会のマネージメントも手伝い 順調に会員を増やしていく 一方、神奈川県警の強行犯捜査係の秦は鎌倉の 貸別荘で殺害された、田崎実の捜査に当たっていた 目撃情報はサングラスをかけた女が別荘に出入り していたということだけ 田崎は輸入品販売美容一般に関する物品販売を する会社の代表取締役だった しかしその事務所は解約されものけのから 自宅にも女の気配はない、怪しい金の流れ。 講演会のお陰で家計は潤い服はブランド品に スーパーの安売り肉はデパートの高級肉に 子供にも滅多に買ってやれなかった服が 買えるようになった。家庭の雰囲気が 変わり、文絵は幸せをかみしめていた。 田崎実の会社で働いていた派遣社員から 仕事に関わっていた人物の名前が判明する 高村文絵だ。警察の事情聴取で分かってくる 文絵が抱えていた問題、加奈子という女の 存在。だが加奈子はこの世に存在しない人物だった また文絵が患っている情動混乱と幻覚妄想 が捜査を混乱させる 現実を受け止めきれない者、何かにすがることで 生きてきた者、食われる者から食う者に変わった者 ウツボカズラ・・葉っぱでツボの形を作りその中に落ちた 虫たちを消化液で溶かしてしまう食虫植物、加奈子はまさに ウツボカズラだった。世の中、なにが起こるか わからない。甘い吐息にからめとられた 女達のはかない人生が詰まった一冊でした。

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2016/06/02

精神疾患を抱えた主婦が、かつての同級生を名乗る女性の誘いで高収入を得るようになるが、やがて詐欺や殺人事件に巻き込まれていく。 デビュー作を読んだだけで遠ざかっていた作家だったが、直木賞候補に挙がったようなので、ほかの作品だが図書館で借りてみた。読みながら、トリック優先の作家だっ...

精神疾患を抱えた主婦が、かつての同級生を名乗る女性の誘いで高収入を得るようになるが、やがて詐欺や殺人事件に巻き込まれていく。 デビュー作を読んだだけで遠ざかっていた作家だったが、直木賞候補に挙がったようなので、ほかの作品だが図書館で借りてみた。読みながら、トリック優先の作家だったと思い出す。 主婦の真実には驚いたが、そこが中心だったのか、肝心の犯人は強引に当てはめただけで、取って付けたような種明かしだった。もっとがっつりと、人間の本質を描いた作品が読みたかったというのが率直なところ。 ウツボカズラをタイトルにしたミステリーは、乃南アサでも読んだような。食虫植物の不気味さは、罠を仕掛ける女性の象徴として使いやすいのかしら。

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2015/12/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後までどうなるのかハラハラしながら読了 重い精神疾患に悩まされ、家庭や自身の人生に不満を抱えるヒロインが、犯罪に巻き込まれている展開と、殺人事件を追う警察の二つの話が交互に織り込まれていて、ヒロインはどうなるのか最後までドキドキしたかったけれど 最後がちょっと説明だけの駆け足で終わってしまって残念 柚月さん独特の女性心理の描写が生々しく、この物語に出てくる女性たちが人生に苦しみ足掻いているのを感じた 救いはヒロインの夫が彼女の病状に対して理解があるところか 救われて欲しい

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2015/12/05

長かったわりにエピローグ前あたりから急ぎすぎではないのか。「忸怩たる」の使い方あってますか。2回くらい出てきたと思うけど、意味がよくわからなくなって、あとで辞書で調べた。

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2015/12/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

二転三転するストーリー展開に魅了された。読後感としては、良いタイトルだなと改めて思い、感心した。容疑者その者が、なかなか特定できない人物という展開に、正直驚きを感じた。ピカレスク小説として、非常に面白かった。

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2015/11/28

殺人と巨額詐欺。交錯する2つの事件はやがて、人の狂気を炙り出す…。日常生活の危うさ、人間の心の脆さを、圧倒的なリアリティーで描くミステリー長篇。 序盤からミステリアスな展開でグイグイ惹きこまれる。柚月作品の持つ魔力かもしれない。中心人物が心の病を抱えているところから展開は予断を...

殺人と巨額詐欺。交錯する2つの事件はやがて、人の狂気を炙り出す…。日常生活の危うさ、人間の心の脆さを、圧倒的なリアリティーで描くミステリー長篇。 序盤からミステリアスな展開でグイグイ惹きこまれる。柚月作品の持つ魔力かもしれない。中心人物が心の病を抱えているところから展開は予断を許さないと思っていたが、結末は想像以上だった。ただ終盤が急展開過ぎるのでは? (B)

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