ウツボカズラの甘い息 の商品レビュー

柚月裕子(著者)

2018/11/21

つまらない日常でもその日常がさらに悪い方へ知らぬ間に変えられていく、悪意の存在。マルチ商法や、信仰宗教など、注意すべき存在と認識していても、自分だけはという心理も働くのだろう。人と密な繋がりのない社会だから余計に容易になる犯罪もあるのだろう。考えさせられた。

2018/11/04

最後に、グワンｯと方向転換された感じ。先が気になる手は止められず、徹夜して読んだが、読後感が自分の嗜好とちょっと異なり残念。

2018/11/03

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容疑者は、ごく平凡な主婦――のはずだった。
殺人と巨額詐欺。交錯する二つの事件は人の狂気を炙り出す。戦慄の犯罪小説。

大藪春彦賞作家が描く、戦慄の犯罪小説!!
家事と育児に追われ、かつての美貌を失った高村文絵。彼女はある日、趣味の懸賞でデイナーショーのチケットを手にした。参加した会場で、サングラスをかけた見覚えのない美女に声をかけられる。女は『加奈子』と名乗り、文絵と同じ中学で同級生だというのだ。そして、文絵に恩返しがしたいとある話を持ちかけるが――。一方、鎌倉に建つ豪邸で、殺人事件が発生。被害者男性は、頭部を強打され凄惨な姿で発見された。神奈川県警捜査一課の刑事・秦圭介は鎌倉署の美人刑事・中川菜月と捜査にあたっていた。聞き込みで、サングラスをかけた女が現場を頻繁に出入りしていたという情報が入る……。日常生活の危うさ、人間の心の脆さを圧倒的なリアリティーで描く、ミステリー長篇。
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中学時代は美少女で、友人たちの憧れの的だった文絵だが、ストレスがあるたびに激太りし、ハリのない日々を送っていた。そんなある日、懸賞で当たったディナーショーで偶然出会ったかつての同級生、加奈子の頼みで、高級化粧品の販売に手を染めることになる。やりがいを見つけ、美しさを取り戻し、収入も得て、充実した日々を送っていたはずだったのだが……。ある日をきっかけに、それまで積み重ねてきた事々がガラガラと崩れ始め、殺人事件の容疑者になってしまう。警察が捜査すればするほど、思ってもいなかった事実が次々にあぶりだされ、驚かされる。事件は解決するが、文絵がどうなってしまうのか、いささか気になるところである。一気に読まされる一冊だった。

2018/10/23

初読みの作家さん（積んだままの本はあり）。
3分の2までは大変面白く読めたのだけれど、ラストの種明かしが少しあっけなく何とも残念。

宮部氏の有名な作品を彷彿とさせるような事件。
（作品名を載せるとネタバレになりそうなので）。

2018/07/30

面白かった！警察官コンビの執着心とミステリーのスピード感が増していくところが特筆。この作家の作品をすべて読んでみたいと思った。

2018/07/28

解離性障害を患う主婦が突然の元同級生との再会からセレブ御用達の化粧品販売の広告塔になり、いきいきと美しさは取り戻したが、その化粧品販売会社を舞台にした詐欺事件と、ビジネスパートナーの男性殺人の容疑者にされてしまう。
本当に元同級生は実在するのか、それとも妄想か。
柚月さんの十八番、刑事達がそれを徹底的に調査し、最終的に犯人をつかまえるという、読み応えのある方一冊。
柚月さんは本当にハズレ無しだなぁ。
面白かった！

2018/06/24

同級生との偶然の再開から、思わぬ方向に運命が展開していきます。
ストーリーと同時に捜査の様子が描かれ、途中で物語がつながります。
サングラスの女は実在するのか？
謎の女を追い詰めることはできるのか。
捜査が進行するにつれ、謎が解明していきますが、また新たな謎が生まれてきます。
ストーリー展開が巧みです。

2018/05/08

読むうちに予想を超えた展開に一気読みした。高村文絵が解離性障害と悲しい過去を抱えているということもあり、多重人格のような展開になるかと思ったが、ある女の次々と他人になりすまして騙していく犯罪が浮かび上がってくる…最後はこれまでの犯罪の経緯が全て明らかになる。やはりこの人の作品はおもしろい！

2017/12/07

柚月さんの本は7冊目。

ウツボカズラと言えば、食虫植物。
カップのような袋を持つその姿はどこか妖艶で…
そんなタイトルがついたミステリー。
からんでからんで、抜け出せない…

柚月さんのミステリーは面白い。
この作品も一気読みでした。

2017/12/06

化粧品販売講師から詐欺の片棒担ぎや殺人犯に仕立てられた女性の事件の背景を丁寧に洗っていくうちに、次から次へとウツボカズラのように甘い蜜で巧みに獲物を惹きつけ毒牙にかけるかのごとく詐欺で金をだまし取る犯罪に手をそめていく真犯人に刑事達が迫っていく展開でしたが、展開はとても面白かったのですが、真犯人にたどり着くきっかけがそんなにうまい偶然ってある？というところがやや腑に落ちないところがありましたが、まあそうでもないと事件解決には至らないよなと納得でもありました。