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ウツボカズラの甘い息 の商品レビュー

3.5

104件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    42

  3. 3つ

    40

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

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2021/02/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

臨床真理、パレートの誤算、蟻の菜園と柚月作品を読んできて、他の3作に比べるとあまり入り込めない部分があった。 今まで読んだものがレベル高いのもあって星は少なめで。 なんで入り込めなかったのか自分なりに他の3作との違いを考えてみた。 他の3作は真実を追うのが刑事ではなく素人で、女性。 感情的なところもあったけど、その分主人公に感情移入することができた。 3人は事件に導かれるように、自分の本来の職務を超えて、個人的な思い入れも持ちながら真実を追い求めていた。 もちろん刑事が主人公の王道のストーリーでもそういった部分は出せると思うけど、いい意味でも悪い意味でも秦刑事がプロフェッショナルで3人のような強い動機づけを感じなかった。 文絵が1番感情移入しやすいキャラクターなのかもしれないけど、妄想癖があるのでファンタジーのように感じてしまった。 犯人の動機も弱く感じる。 もちろんお金の苦労や人に騙された経験はあるにしても、結局はプラスマイナスでプラスの贅沢な暮らしをしているし、他の3作に比べるとただただお金目的のように感じる。 女性の中川巡査が主人公だったらもう少し違ったかも?それか一章でも中川目線の場面を入れるか。 秦からあまり感情を読みとれなかったので。 →ただ、秦は大事な人が元気でいてさえくれれば多くは望まない、という考えだから、それが犯人とうまく対照的になっている部分はある。 よかったこと 痣のストーリーは普通の人が聞いたら疑ってしまうと思うけど、精神疾患のある文絵の心を掴むのにはぴったりだと思った。 故人を名乗ることで今まで上手くやってきたつもりだったけど、同じ手法を繰り返し使ったことが警察の目に留まり、結局自分に辿り着くきっかけになってしまった。 真相を知った上で文絵の章を読み返してみると、夫婦仲が悪いように見せかけてさりげなく娘がいないことを示唆する場面があった。 柚月さんの女性が主人公の作品ばかりを読んできて、男性が主人公のものを初めて読んで物足りなさを感じてしまいましたが 孤狼の血シリーズや佐方貞人シリーズなどは評価が高いので楽しみです。

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2020/08/20

いつもの柚木作品だった。 第一章を読み終わったときにあれ?違うと思ったが、刑事が登場した時点でやはりその方向かと思った。ウツボカズラという植物ネットで調べてみた。読み終わって題名の根拠、なんとなくそうなんだと思った。最後に一挙に解決になだれ込む。作者は当初どういう筋書きを考えたの...

いつもの柚木作品だった。 第一章を読み終わったときにあれ?違うと思ったが、刑事が登場した時点でやはりその方向かと思った。ウツボカズラという植物ネットで調べてみた。読み終わって題名の根拠、なんとなくそうなんだと思った。最後に一挙に解決になだれ込む。作者は当初どういう筋書きを考えたのだろうか。読み進める中で予想範囲?わかっているようなわかっていないような感覚が読後の印象だ。

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2020/06/30

「ウツボカズラの甘い息」に誘惑された虫たちが、自ら中に飛び込み、養分となって死んでいく。 それって宗教やマルチ商法に騙された人間の姿と、どこか似ていないだろうか? 犯人は精神的に弱ったところにつけ込んで、金を絞れるところまで搾り取る。 利用された側も騙されたことを知る頃には、多...

「ウツボカズラの甘い息」に誘惑された虫たちが、自ら中に飛び込み、養分となって死んでいく。 それって宗教やマルチ商法に騙された人間の姿と、どこか似ていないだろうか? 犯人は精神的に弱ったところにつけ込んで、金を絞れるところまで搾り取る。 利用された側も騙されたことを知る頃には、多額の借金を抱えて、死を選ぶまでに追いつめられる。 犯人は直接手を下さずとも、自らの罪を知るものを消すことができるという完全犯罪に近いものを感じた。 ————- この物語の主人公は、主婦の高村文枝。 解離性同一性障害という精神疾患をもち、美人でもてはやされていた過去の面影もなく、太ってしまった自分を隠すように生きていた。 そんな文枝が変わったのは、趣味の懸賞で当てたディナーショーで、文枝の高校の同級生だという加奈子と会ったことだった。 彼女に勧められた化粧品販売の仕事は、主婦にしては多く月50万円という報酬が得られる。 文枝はどんどん昔のように綺麗になり、生活も豊かになった。 全てが順風満帆に行っている矢先、突然 加奈子と連絡が取れなくなってしまう。 どうしたことか、顧客からも詐欺師扱いされる電話がかかってくる。 わけもわからずパニックになっていると、ついに警察が家に来た。 取調室で、ことの全てが明るみになると、文枝は知らない間に詐欺の片棒を担がされていたことを知った。 後悔しても、もう遅い。 ————- マルチ商法の怖いところは、自分が騙されていることを知らず、他人を騙してしまうことにあるだろう。 善意のつもりで勧めても、他人から疎まれたり、知らない間に逃れられない事態になってしまう。 世の中うまい話には裏がある。 苦労せず稼げる金はないと、自分に喝を入れながら誘惑に身を委ねてはいけないと思った。

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2020/06/10

柚月さんの本は、臨床真理に続き2作目 前半は、2時間ドラマのサスペンスみたいで、なかなか読み進まず、外したかなと思っていた所、中盤以降色々驚く事実が次々に出てきて一気に読み終わりました。 総じて面白かったんだけど、最後の最後、真犯人や犯行動機が薄っぺらく感じた。 途中かなり面...

柚月さんの本は、臨床真理に続き2作目 前半は、2時間ドラマのサスペンスみたいで、なかなか読み進まず、外したかなと思っていた所、中盤以降色々驚く事実が次々に出てきて一気に読み終わりました。 総じて面白かったんだけど、最後の最後、真犯人や犯行動機が薄っぺらく感じた。 途中かなり面白くて期待が大きすぎた?!

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2020/06/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公の女性の経験したことが妄想だった、かなこという女性はすでに死んでいる。刑事が追跡したことで第三者の女性がいたことが判明。成り済ましとか詐欺の話。

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2020/02/09

人はおかれている環境から逃れたいとおもうと、どんなに不自然な状況も疑わず信じてしまうのだ。 騙す方も騙される方も何かを信じて、なりきって…そういうなかに残酷な物語が生まれてしまうのだな。

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2020/01/17

犯人が明らかになるまでが面白い! 女性の言動が変わるサマも、なかなかのリアリティがあると感じた。 それだけに、物語が終息に向かうシーンが少し残念。

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2019/10/27

醜く太り、解離性障害を抱え、家族との関係もうまく行っていない女性が昔の同級生の加奈子と再会。加奈子から紹介された仕事を糧に、美貌も生活のハリも取り戻し、お金を得てどんどん羽ばたいてき... 本当に女は怖い。うまい話には裏があるとわかっていても、幸せにはなりたいし、人のことも自分...

醜く太り、解離性障害を抱え、家族との関係もうまく行っていない女性が昔の同級生の加奈子と再会。加奈子から紹介された仕事を糧に、美貌も生活のハリも取り戻し、お金を得てどんどん羽ばたいてき... 本当に女は怖い。うまい話には裏があるとわかっていても、幸せにはなりたいし、人のことも自分のことも信じたい。人を疑いすぎず、でも自分の身は自分で責任持って守ることが大事。

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2019/08/31

2015/2/6  3日ほどであっと言う間に読んだ。最後の方は急ぎ足で、よくある話だったか、途中は面白かった。★4

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2019/07/25

評価の☆は低いですが、これは同じ柚月裕子作品のあまりのレベルの高さ、安定度によって相対的に低めになってしまいました。 相変わらずの登場人物の魅力も有り、スーパーオヤジメーカーとしても面目は保っています。 主婦の繰り返される日常からの転落から始まる、典型的なクライムサスペンスです。...

評価の☆は低いですが、これは同じ柚月裕子作品のあまりのレベルの高さ、安定度によって相対的に低めになってしまいました。 相変わらずの登場人物の魅力も有り、スーパーオヤジメーカーとしても面目は保っています。 主婦の繰り返される日常からの転落から始まる、典型的なクライムサスペンスです。文章の整理が抜群に上手く、柚月さんの看板である魅力のあるオヤジも登場しますので一気に読ませる魅力には事欠きません。 矛盾するようではありますが、本作のオヤジである秦が割と品行方正なのがちょっぴり物足りないのと、一緒に操作をする女性刑事菜月との関係も良好過ぎて引っ掛かりが無いのもあっさりしている。そして僕の苦手な無辜の人物が陥れられるところも割とあっさり目です。 濃い味のラーメン屋で新メニュー頼んだら予想外にあっさり味で、店出た後にちょっとだけ拍子抜けみたいな感覚でしょうか。 普通に考えたらこれだって充分面白いのに、それでも少し不満に思わせるくらいレベル高いものばかり書いているという事です。ファンならこれも読むべし、初見なら「孤狼の血」「慈雨」「盤上の向日葵」からどうぞ。

Posted byブクログ