街角の書店 18の奇妙な物語 の商品レビュー
シャーリィ・ジャクスン目当てで買ったアンソロジー。 思ってた以上に(このラインナップの中では)かわいらしかったシャーリィ・ジャクスン作品。 ぞわわっとしたのが『赤い心臓と青い薔薇』、そ、そういうことかー!だったのが『ボルジアの手』、『試金石』とタイトルの『街角の書店』もわりと好き...
シャーリィ・ジャクスン目当てで買ったアンソロジー。 思ってた以上に(このラインナップの中では)かわいらしかったシャーリィ・ジャクスン作品。 ぞわわっとしたのが『赤い心臓と青い薔薇』、そ、そういうことかー!だったのが『ボルジアの手』、『試金石』とタイトルの『街角の書店』もわりと好き。
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ジョン・アンソニー・ウェスト「肥満翼賛クラブ」 イーヴリン・ウォー「ディケンズを愛した男」 シャーリイ・ジャクスン「お告げ」 ジャック・ヴァンス「アルフレッドの方舟」 ハーヴィー・ジェイコブズ「おもちゃ」 ミルドレッド・クリンガーマン「赤い心臓と青い薔薇」 ロナルド・ダンカン「姉...
ジョン・アンソニー・ウェスト「肥満翼賛クラブ」 イーヴリン・ウォー「ディケンズを愛した男」 シャーリイ・ジャクスン「お告げ」 ジャック・ヴァンス「アルフレッドの方舟」 ハーヴィー・ジェイコブズ「おもちゃ」 ミルドレッド・クリンガーマン「赤い心臓と青い薔薇」 ロナルド・ダンカン「姉の夫」 ケイト・ウィルヘルム「遭遇」 カート・クラーク「ナックルズ」 テリー・カー「試金石」 チャド・オリヴァー「お隣の男の子」 フレドリック・ブラウン「古屋敷」 ジョン・スタインベック「M街七番地の出来事」 ロジャー・ゼラズニイ「ボルジアの手」 フリッツ・ライバー「アダムズ氏の邪悪の園」 ハリー・ハリスン「大瀑布」 ブリット・シュヴァイツァー「旅の途中で」 ネルスン・ボンド「街角の書店」
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☆4.0 とても素敵なアンソロジー。しっかり考えて掴みたい作品も、"考えるな、感じろ!"な作品もあって大変満足な18編。それぞれに軽く一言を。 ジョン・アンソニー・ウェスト「肥満翼賛クラブ」 すごい品評会だ。グラディスのグレゴリーが如何にコンテストで優勝を...
☆4.0 とても素敵なアンソロジー。しっかり考えて掴みたい作品も、"考えるな、感じろ!"な作品もあって大変満足な18編。それぞれに軽く一言を。 ジョン・アンソニー・ウェスト「肥満翼賛クラブ」 すごい品評会だ。グラディスのグレゴリーが如何にコンテストで優勝を掻っ攫うに至ったかがあまりにストイック!そしてラストにざわざわ。 イーヴリン・ウォー「ディケンズを愛した男」 怖い。怖すぎる。一番現実的怖さかも。愛し過ぎるが故なのか。 シャーリイ・ジャクスン「お告げ」 私の中のシャーリイ・ジャクスンのイメージになかった感じのキュートなコメディ。特におばあちゃんが可愛い。 ジャック・ヴァンス「アルフレッドの方舟」 落語みたいな話だった気がする。滑稽さが卓出。神様が"人間ってほんと馬鹿ね"って言ってそう。 ハーヴィー・ジェイコブズ「おもちゃ」 穏やかノスタルジックになると思いきや。最後の一言を告げたときのハリーの気持ちを思うとちょっと張り裂けそう。 ミルドレット・クリンガーマン「赤い心臓と青い薔薇」 ゾッとした。とりあえず意味不明な執着って本当に怖い。恐怖と嫌悪のミックスしんどそう。 ロナルド・ダンカン「姉の夫」 やっぱりそうなの?そういうことなの?人は自分の望むもの(自覚するしないに関わらず)しか見ないのかもしれない。 ケイト・ウィルヘルム「遭遇」これは解釈どうしたらいいの。教えて、識者!何度も読み返してる。是が非でも解き明かしたいと思わせる引力を持つ一編。 カート・クラーク「ナックルズ」 サンタクロースの対になる存在って今まで見たことない発想だった。新たなクリスマスホラーとして巷で活躍してほしい。 テリー・カー「試金石」 一体何を見極められていたんでしょうね。作品に呑み込まれてしまいそうでなんだか少しゾッとした。 チャド・オリヴァー「お隣の男の子」 最後、ジミーくんが一体何に青い瞳を期待で輝かせていたのか考えるとえらい怖いですね。 フレドリック・ブラウン「古屋敷」 どんなことを考えていたらこんな話を書けるようになるのかしらと思う。自分の核を守るものすべてが剥がれ落ちた瞬間ってこうなるのね。 ジョン・スタインベック「M街七番地の出来事」 末っ子ジョン、めちゃくちゃ怖かったろうな。これ近所にどんな噂として話が漏れ出してたのかすごく気になる。 ロジャー・ゼラズニイ「ボルジアの手」 あれですね?これはアイツですね?本作はとても短いながら、イメージが記憶に鮮烈に残る強めの一編。 フリッツ・ライバー「アダムズ氏の邪悪の園」 徹頭徹尾明らかに気持ち悪い感じでとても良いですね。才能のあるお金持ちの変態なんだろうなぁ。 ハリー・ハリスン「大瀑布」 なんか少し神話っぽさを感じる。外側の世界。滝の上の世界。でも彼らにとっても実は未知の世界。 ブリット・シュヴァイツァー「旅の途中で」 これはすごい。無条件で好き!って気持ちになった。手に汗握る大冒険ですよ、間違いなくこれは。 ネルスン・ボンド「街角の書店」 この作品が最後置かれているのがすごく琴線に触れる。そうなの。きっとこんな叫びが数多世界には漂っているの。真理を見た。
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「ミステリともSFとも幻想怪奇小説ともつかない」奇妙な味の物語を18編収めたアンソロジー。バランス良く様々なテイストの作が並んでいます。「肥満翼賛クラブ」は夫を肥満に仕立てる物語。この作品の描写とても奇妙で良いです。
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表紙のイメージとは裏腹に、ブラックだったり、ほの怖かったり、不条理だったりのまさに奇妙な味のアンソロジー。 何より編集が素晴らしい!中村融氏には一生ついていこうと思います。
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「奇妙な味」と評される作品を集めたもの。 「肥満翼賛クラブ」の不気味さったら! 12頁の、「七十四キロしかなかったミルトンを、三年もかからずに百四十二キロにした」 なんて、肥育場に押し込められた家畜じゃないか。 直感はこれまでの経験から導き出されたもの、それだけに頼るのは危ない...
「奇妙な味」と評される作品を集めたもの。 「肥満翼賛クラブ」の不気味さったら! 12頁の、「七十四キロしかなかったミルトンを、三年もかからずに百四十二キロにした」 なんて、肥育場に押し込められた家畜じゃないか。 直感はこれまでの経験から導き出されたもの、それだけに頼るのは危ないが、当たることも少なからずある。 さて、ことの顛末をご覧あれ。 ビールを飲ませろ!と観衆が騒いだのは一体何のためか。 著者が意図したかどうかはわからないが、確かにビールは、「効く」。 「遭遇」 全く内容が違うのに、「世にも奇妙な物語」の「雪山」という短編を思い出した。 本作も一回では意味がわからない。 結局女は何と遭遇したのかははっきりと描かれてはいない。 逢魔が時という言葉もあるし、極限状況にあれば幻影や幻聴もあるだろう。 しかしそれだけではないかもしれない。 個人的に好きなのは、「ボルジアの手」。 「猿の手」という作品を意識したのか。 たった6ページの作品だが、298頁の解説は後で読むことを強く勧めたい。 <さまよえるユダヤ人>、そしてhigh。 芸術を志す子どもが目指した高みとは。 星新一のショートショートを思わせる、素晴らしい作品だ。
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米澤穂信推しとのことで手にとった一冊だったが、なんと面白いアンソロジーだったろうか。 「奇妙な味」のアンソロジーで、18つの短編がグラデーションのように連続している短編集。ジャンルはそう、全部が「奇妙な味」。本邦初訳のものも、再訳のものもあって、どれも何か余韻を、ぞわっとする感覚...
米澤穂信推しとのことで手にとった一冊だったが、なんと面白いアンソロジーだったろうか。 「奇妙な味」のアンソロジーで、18つの短編がグラデーションのように連続している短編集。ジャンルはそう、全部が「奇妙な味」。本邦初訳のものも、再訳のものもあって、どれも何か余韻を、ぞわっとする感覚を、恐怖を残す。 すごい一冊だった…。
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”奇妙な味”堪能。面白いアンソロジーでした。編者あとがきで、こういった短編集が楽しめるのは、とても有り難いことだと痛感しました。またこういった本が出版されることを楽しみにしています。
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『肥満翼賛クラブ』ジョン・アンソニー・ ウェスト 『ディケンズを愛した男』イーヴリン・ウォー 『お告げ』シャーリイ・ジャクスン 『アルフレッドの方舟』ジャック・ヴァンス 『おもちゃ』ハーヴィー・ジェイコブズ 『赤い心臓と青いばら薔薇』ミルドレッド・クリンガーマン 『姉...
『肥満翼賛クラブ』ジョン・アンソニー・ ウェスト 『ディケンズを愛した男』イーヴリン・ウォー 『お告げ』シャーリイ・ジャクスン 『アルフレッドの方舟』ジャック・ヴァンス 『おもちゃ』ハーヴィー・ジェイコブズ 『赤い心臓と青いばら薔薇』ミルドレッド・クリンガーマン 『姉の夫』ロナルド・ダンカン 『遭遇』ケイト・ウィルヘルム 『ナックルズ』カート・クラーク 『試金石』テリー・カー 『お隣の男の子』チャド・オリヴァー 『古屋敷』フレドリック・ブラウン 『M街7番地の出来事』ジョン・スタインベック 『ボルジアの手』ロジャー・ゼラズニイ 『アダムズ氏の邪悪な園』フリッツ・ライバー 『大瀑布』ハリー・ハリスン 『旅の途中で』ブリット・シュヴァイツァー 『街角の書店』ネルスン・ボンド
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昨年読んだ「奇妙な味」アンソロジー『夜の夢見の川』 https://booklog.jp/users/fukagawanatsumi/archives/1/4488555055 が、面白かったので、 順序が逆になったが、先に出ていたこの本も購入、読了。 英米の何だかちょっと変な短...
昨年読んだ「奇妙な味」アンソロジー『夜の夢見の川』 https://booklog.jp/users/fukagawanatsumi/archives/1/4488555055 が、面白かったので、 順序が逆になったが、先に出ていたこの本も購入、読了。 英米の何だかちょっと変な短編集、全18編。 但し、カバー画の雰囲気に釣られて手を出すと 期待外れに終わる可能性大――と、申し上げておきましょう。 あんな雰囲気の兄さんは登場しない(笑)。 以下、特に印象的な作品について。 ■ジョン・アンソニー・ウェスト「肥満翼賛クラブ」 原題は「Gladys's Gregory」=「グラディスのグレゴリー」。 ある町の伝統的なイベントに参加する夫婦たちの 涙ぐましい奮闘に、黒い笑いが込み上げる。 詳述を憚られるお下劣奇談。 これを読んで眉をひそめる読者もいれば ケラケラ笑う読者もいると思うが、 私は後者の皆さんの仲間(笑)。 ともあれ、素晴らしい超・意訳邦題に拍手! ■ロナルド・ダンカン「姉の夫」 原題は「consanguinity」 =「血族」あるいは「密接な結び付き」。 第二次世界大戦中のイギリス。 休暇を得て帰省する列車で 同じコンパートメントに座った大尉と少佐。 大尉は少佐を自宅に招き、姉に引き合わせる。 弟のサポートにのみ喜びを見出してきた姉は 初めて外部から訪れた男性に好感を抱き、 少佐と結婚。 しかし、弟も同行する新婚旅行の途中で……。 英国怪奇小説の伝統に則った朦朧法による怪異譚。 ■ケイト・ウィルヘルム「遭遇」 妻と口論して先にスキー場から引き揚げた 保険外交員ランドルフ・クレインは、 大雪のためバスターミナルで足止めを食う。 待合室で寒さに震えながら、 たまたま居合わせた女性と共に 暖房器具を調節しようと試みたが……。 主人公の暗黒面が徐々に暴かれていく展開だが、 ラストの解釈が難しい。 一理ありげな意見をネット上で発見したが、 それは編者の言う「SF的な解釈」には 相当しそうにないので、悩みは深まる。 しかし、そこが何とも面白い。 ■ネルスン・ボンド「街角の書店」 煮詰まった小説家が、 心臓発作で亡くなった詩人が訪れていた街角の書店へ 向かうと、 そこには様々な有名作家の未発表作と共に、 詩人が刊行するつもりで果たせなかった詩集が並び、 しかも……。 オチはありきたりだが、 創作に携わる者の苦悩と願望と惑乱が、 切なく、悲しい。
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