夏の沈黙 の商品レビュー
色々な事をぼんやりと描き過ぎていて読むに耐えなかった。読解力が足りていないと言われればそこまでかもしれないが、ただ右往左往する人々を見せられるだけのような気が。
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引っ越し後、荷物の中に見覚えのない本が一冊。読み始めたら中身は自分自身のことが書かれていた…その恐怖に怯えながらも対峙する彼女と、2年前のある男性の視点との交互で物語は始まります。なかなか明らかにならない過去の事件。すでに亡くなってしまった者の思いものせて「圧倒的リーダビリティ」...
引っ越し後、荷物の中に見覚えのない本が一冊。読み始めたら中身は自分自身のことが書かれていた…その恐怖に怯えながらも対峙する彼女と、2年前のある男性の視点との交互で物語は始まります。なかなか明らかにならない過去の事件。すでに亡くなってしまった者の思いものせて「圧倒的リーダビリティ」に嘘はなく、一気に読まされてしまいました。最初から最後まで、男と女の強さの違い、父親と母親の思いの違いを痛切に感じずにはいられません。全てが終わった後の彼女の決意もわかる気がし、ラストシーンではさらに母親として胸を抉られました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ハラハラしながら読んでいて、こうなるんじゃないかな、こうなったら良いな、ということにはなったのだけど、それをはるかに上回る展開。 予想よりずっと悲しくて、ずっと深くて、でも希望の持てる最後。 というより、最後の最後でまだ判明することがある、というワザ。 とても読み応えのある作品。
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本は記憶を呼び覚ます事もあるし、記憶を作る事もある。 事実を書き残す事もあれば、捻じ曲げる事だって。 さて、彼女が手にしたのは、どんな本だったのか。 初めはよくある、一夏の恋、いや、火遊びについての本だと思った。 主人公のキャサリンは「ふしだらな」女なのだろう、読者はそう思う。...
本は記憶を呼び覚ます事もあるし、記憶を作る事もある。 事実を書き残す事もあれば、捻じ曲げる事だって。 さて、彼女が手にしたのは、どんな本だったのか。 初めはよくある、一夏の恋、いや、火遊びについての本だと思った。 主人公のキャサリンは「ふしだらな」女なのだろう、読者はそう思う。 忙しい夫に放って置かれ、寂しさを埋めるために、幼い息子がいるのに行きずりの恋を楽しむ。 それでも母親か!それでも妻か! なんて節操のない! きっとあなたは眉をひそめる。 しかし物語はそんな単純なものではない。 良いか、事実とは一方から語られることだけではない。 それは「事実」と言えない。 自分の子供のことならよく知っている、だって?! そんなものは幻想に過ぎない。 勇敢で優秀な子供、という素晴らしいものであれ、いい年になって友達も作れず、孤独を埋めるためにドラッグに溺れるろくでなし、という評価であれ、それは人の一側面でしかない。 悪意だって、見方を変えれば美徳ですらある。 見えない場所から来る悪意は加害者と被害者を容易に逆転させる。 私たちが生きう時代はそれをさらに加速させてしまう。 自分が語るものは「正しい」のか? それを振り返る事もせず、ただ前に進み続けることの危険を本書は指摘しているのだ。
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亡くなった妻の遺品から、同じく若くして死んだ息子の死の真相が。そこにはある女性が関わっていた。その女性は女性で、うまくいっていない息子との関係に思い悩んでいて…点と点が結ばれたた物語の中盤で思うもその線は物語の終盤、思いがけない方向に行き着きました。そこにあったのは家庭を守ろうと...
亡くなった妻の遺品から、同じく若くして死んだ息子の死の真相が。そこにはある女性が関わっていた。その女性は女性で、うまくいっていない息子との関係に思い悩んでいて…点と点が結ばれたた物語の中盤で思うもその線は物語の終盤、思いがけない方向に行き着きました。そこにあったのは家庭を守ろうとした強い妻たちの姿でした。読み終わって1年は経ちますがいまだに、ストーリーを思い出したりして考えにふけります。それぐらい深い、ミステリーの枠を超えた作品でした。
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いくらなんでも、惹句が煽り過ぎ。 「巧緻極まりない伏線! 予測不能の展開! 大型新人 !」 ……ハァ?て感じ。 ごくごくありきたり、すべてが予想の範囲内だったような…… が、人間描写は鋭くて好きだった。 この「家族」の崩壊っぷりは、リアル。 こんな「スゴイ!」という触れ込みでな...
いくらなんでも、惹句が煽り過ぎ。 「巧緻極まりない伏線! 予測不能の展開! 大型新人 !」 ……ハァ?て感じ。 ごくごくありきたり、すべてが予想の範囲内だったような…… が、人間描写は鋭くて好きだった。 この「家族」の崩壊っぷりは、リアル。 こんな「スゴイ!」という触れ込みでなければ、もっと素直に「面白かった~」と思えたような。
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みんな、話の都合で立ち位置ブレまくりな気もするけど、まあ納得できる展開。 好みからゆうと、小綺麗にまとまりすぎかな。
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まさかまさかの真実が隠されていた。 しかしどの伏線も読めば納得。 最後の最後までしっかり読みきった!納得いった!こんなにすっきり落ちる話もなかなかない。 登場する主要な人物像もはっきりとしていて心理描写もわかりやすい。まるで映像を見ているような感覚になれる一冊でした。
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刊行前から評判を呼び、25カ国で発行されたという話題作。 デビュー作です。 キャサリンは、テレビのドキュメンタリー番組の製作者で49歳。手がけた作品が受賞し、順風満帆な日々と思っていました。 キャサリンの夫ロバートは穏やかで、息子のニコラスはあまり出来がいいとはいえないが、勤め...
刊行前から評判を呼び、25カ国で発行されたという話題作。 デビュー作です。 キャサリンは、テレビのドキュメンタリー番組の製作者で49歳。手がけた作品が受賞し、順風満帆な日々と思っていました。 キャサリンの夫ロバートは穏やかで、息子のニコラスはあまり出来がいいとはいえないが、勤めていて自立しています。 ところが、引越し先で手に取った本に書かれている内容は、20年前の自分の秘密に触れている‥ 誰も知らないはずの出来事が? 元教師の老人スティーヴンは家族をなくし、偶然再会した女性に、ある復讐を思い立った。 スティーヴンの謎めいた独白と、キャサリンの恐怖が交互に描かれます。 キャサリンの抱えていた悩みと、過去の事件がしだいに絡み合い、キャサリンはヒステリックになって孤立していく‥ 最後のほうになって、すべてが逆転していきます。 所々にあった一行や一言の意味が、ふいに大きな意味を持つ構成。 そこが評判を呼んだのでしょうね。 逆転してからをそんなにゆっくり描いてはいないので、感情的にすぐ切り替えられない読者もいると思いますが~ 簡潔さも高評価されたのかも。 人間にはいろいろな面がある。それに気づかない人や、気づいていても黙っている人もいる。 二つの家族のなかにあった問題とは。 そういうことだったのかねえ‥と、あれこれ思い馳せました。 沈黙という言葉の意味は、なかなか深いです。
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20年前に何があったのか、、場面の切り替えが小刻みで、始めのうちは、読みにくいが、引き込まれて一気に読んでしまった。 荒削りタッチで、後半になると時間軸が章のタイトルにもかかわらず、過から現在にも移行したり、一人称、三人称が入り乱れるものの、しっかりとしたテーマ、びっくりする展開...
20年前に何があったのか、、場面の切り替えが小刻みで、始めのうちは、読みにくいが、引き込まれて一気に読んでしまった。 荒削りタッチで、後半になると時間軸が章のタイトルにもかかわらず、過から現在にも移行したり、一人称、三人称が入り乱れるものの、しっかりとしたテーマ、びっくりする展開、筆力ある作家だと思った。 もう少し、推敲した方が良かったのか、細かい事を聞きしない勢いが良いのかー、編集者の手抜きでないと良いが、、?
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